午前9時起床。
連泊して少し疲れが抜けたのでいつもより早めにホテルをチェックアウトしてダウンタウンへ向かう。 Dallasに来て外せない名所といえばThe sixth floor。
あのジョン・F・ケネディー大統領が暗殺された場所だ。
犯人とされているオズワルドがライフルで大統領を狙撃した旧教科書倉庫の6階が博物館として残されている。

中にはいると解説用のウォークマンには日本語版も用意されており、パネルやビデオをしっかり見ているとたっぷり2時間はかかる。
公式発表だけでなく、CIAやソ連の陰謀説などにも言及されていて、なかなか興味深かった。

そして、ここが大統領が狙撃された道路。
モノクロのニュース映像で何度も見たことのある景色がカラーになると急にリアリティーが出てくる。

本当の犯人は誰なのだろう。
もしケネディー大統領が殺されていなかったらその後のアメリカはどうなっていたのだろう、などと想像がふくらんでいく。
日本人の僕でさえそうなのだから、アメリカ人にとってはもっと印象深いんだろうなぁ。

今日の目的地はDallasから南へ約250マイルのSan Antonio。
フリーウェイI-35を90マイルほど走ったWacoの町で途中下車して昼食をとる。
思ったより小さな町でレストランを探すのに一苦労。
結局、毎度おなじみのデニーズに入ることにした。

あまり日本人を見かけないからだろうか、店に入ったとたんに店員さんやお客さんの視線を感じる。
といっても特に悪意のある感じではない。
単にもの珍しいからだろう。

1人のウェイトレスが自分の担当テーブルでもないのに僕らの席にやって来て話しかけてきた。

「旅行中ですか?」
「うん、L.A.からフロリダまでドライブで横断している途中なんだ」
「ワーォ、とてもエキサイティングですね」

夏休みのアルバイト中だという16才の高校生Daynaちゃん。
撮ったばかりの写真をデジカメのモニターで見せてあげると「キャー、すごーい!」なんて小躍りしちゃうところが素朴な感じで、僕らまで嬉しくなってくる。

これから行こうと思っていたDr. Pepper Museumについて聞くと「とても楽しいところですから、ぜひ見ていって下さいね」。
こんなカワイイ女の子に勧められたら行かないわけにはいかない(笑)。

というわけで、やって来ましたDr. Pepper Museum。

Dr. Pepperといえばコカコーラ社が作ったのかと思い込んでいたのだが、実はそうではなく、ここテキサスが発祥の地だったのだ。
この博物館はかつての製造工場であり、初めてそれを売り出したドラッグストアの再現や古いビンや缶のコレクションと共にWacoの町の発展も展示されている。
おそらく町の誇りであり、大切な観光資源でもあるのだろう。
1階のドリンクバーのメニューはもちろんDr. Pepperのみ。
僕らも記念に1杯いただいた。

この町のもう1つの観光資源が町の中心を流れる川にかかるSuspension Bridge。

一応、化粧直しはされていてライトアップの設備も整ってはいるが、歴史を感じさせる古めかしい吊り橋だ。
閑静な場所にあり車は通れないようになっているので、デートスポットにはもってこい。
きっと何組もの地元高校生カップルがここでファーストキスしたに違いない。
そんなことを考えてしまうほどいい雰囲気なのだ。

しかし、男3人でそんな色っぽい話になるはずもない。
再びフリーウェイI-35に乗ってSan Antonioを目指す。

ところが、今日の南テキサスはひどい天気。
時折、大粒の雨がミサイルのようにズドンズドンとフロントガラスを叩き、視界を数メートルにしてしまう。
そのたびに僕らは車を路肩に停め、足止めを食うのだ。
結局、San Antonioに到着したのは夜の9時だった。

やっと休めると思ったら、そうは問屋が卸さなかった。
またもやモーテルが見つからないのだ。
I-35沿いはもちろん、I-410、I-10と主だった幹線道路のモーテルを片っ端からあたるが、ひとつ残らず「No Vacancy」。
少し危なそうなエリアの安宿から僕らの予算では泊まれなさそうな高級ホテルまで30以上の宿を聞きまくるが空室はひとつもない!

なぜなんだ!?
もしかしたらSan Antonioでもなにかのコンベンションがあるのか!?(笑)
最初は笑っている余裕もあったが、そのうちシャレにならなくなってくる。

宿を探していたのは僕らだけではない。
行く先々のモーテルで同じく宿を見つけられない旅行者に会うのだ。
そして、そのうち何度も同じ人と顔を合わせるようになる。
宿なし同士の親近感があると同時に「あっちに先に見つけられては困る」というライバル関係でもある。
モーテルのフロントですれ違うたびに妙な空気が流れるのだった。

いつの間にか深夜0時。
それでもモーテルは見つからない。
仕方なく、僕らは今日走ってきたI-35を再び北に戻りながら宿を探す作戦に切り替えざるを得なかった。

モーテルの看板を見つけるたびにフリーウェイを降りて、空室を尋ねる。
しかし、1つ目の町でも2つ目の町でも空室は見つからない。
ホントにどうしちゃったんだ!?
いくら週末だといってもひどすぎるじゃないか。
それとも、明日は全テキサスをあげての大イベントでもあるのかい?

ついに僕らは80マイル弱も走り、Austinまで戻ってきてしまった。
今日の午後、「ここはテキサス大学くらいしか見るところがないらしいよ」と話しながら通り過ぎてきた町だ。

いくつかのモーテルで「No rooms」の貼り紙に門前払いを食った。
そして、明らかに僕らの予算をオーバーしている高級ホテル。
「シングルルームなら1つだけ空いております」
男3人でシングルだぁ!?
しかも宿泊費は$89.99+tax!

しかし、ここを逃したら本当に今日の出発地点であるDallasまで戻らなければならないかもしれない。
もはや選択の余地はなかった。
「泊まります」

安堵のため息をついて時計を見ると午前2時。
今日の走行距離を示すトリップメーターは軽く400マイルを回っていたのだった。

《今日の出費》
ホテル(2泊分) $112.70
Sixth Floor Museum入場料 $9.00
昼食(ハンバーガー) $8.20
Dr. Pepper Museum入場料(学割) $2.00
Dr. Pepper味のリップスティック $1.62
Dr. Pepper $0.65

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