今日のL.A.は真夏のような陽気。
学校に向かう車の中でニュースラジオのアナウンサーが「暑い、暑い」と繰り返している。
ダウンタウンで華氏100度を超えたというから、摂氏では38度以上ということだ。 午後のクラスも3日目になり、クラスの雰囲気にも慣れてきた。
日本人が多いクラスによくあるように積極的に発言する生徒が少ないのだけれど、その分、ずうずうしい僕がいくらでも先生に質問することができて悪くない。
休み時間に喫煙所で一服しているとクラスメイトの女の子が話しかけてきた。
「本当のことを言うと、先生がしゃべっていることの半分も分かっていないんですよ」
聞けば、彼女はL.A.に来てからまだ3ヶ月目。
授業中にしつこく先生に食い下がっている僕を見て、「すごいですねぇ」というのだ。
自分の英語力がそんな誉められるようなレベルじゃないことは誰よりも自分がよく知っている。
ただ、まがりなりにも1年ちょっといろいろな授業を受けてきて、耳が「慣れた」だけなのだ。
そういえば、ちょうど1年前、僕もクラスで積極的に発言する日本人留学生を見て「すごいなぁ」と思っていたっけ。
僕の周りを見る限り、どちらかというと男より女の子の方が英語の上達が早いようだ。
これはネイティブと話す機会に大きな差があるからじゃないか、と僕はにらんでいる。
たとえば、教室でもパーティーでも、日本人の女の子は人気者だ。
黙っていてもアメリカ人が声をかけてくる。
たとえたどたどしい英語しかしゃべれなくても相手は辛抱強く待ってくれるのだ。
だけど、その逆はめったにない。
もちろん、こちらから話しかければいいのだけれど、そもそも英語に自信のない僕にそんな根性はないのだ。
これってひがみかなぁ……(笑)。
「大丈夫。一気にとはいかないけど、1年後には今の僕よりずっと英語ができるようになってると思うよ」
嫌みでもなんでもなく、本心からそう答えた。
そう、一気にとはいかないのだ、と自分にも言い聞かせながら。
会話の授業が終わって帰ろうとしたらK先生が僕にこっそり耳打ちしてきた。
「まだみんなには内緒だけど、○○先生は来週いっぱいでここを辞めることになったわ。だからAdvancedクラスに戻ってきても大丈夫よ。もちろん、今のクラスが気に入っているのならそれでもいいけど」
えっ、なんで僕が○○先生のことを嫌ってるっていうのをK先生が知ってるんだ!?
それよりもなんで突然○○先生が辞めるんだ!?
もしかしたら僕がディレクターに不満を伝えたのが原因になっているのか!?
僕個人にとっては悪くない知らせだけれど、なんとなく複雑な気分だ。
う~ん、どうしようかなぁ。