朝9時半、電話のベルで起こされる。
「Hello?」
寝ぼけ眼で受話器を取ると、何やら早口の英語でまくし立ててくる。
こんな時間に英語で電話がかかってくる心当たりもなかったので「誰にかけているんですか? 番号を間違えていませんか?」と聞くと、「この電話の権利者であるHirofumi SUZUKIと話したい」という。
英会話の本で覚えたばかりの「Speaking.(今しゃべっている僕がそうだよ)」と言うと(スラッと出てきてちょっと嬉しかった)、さらに早口でまくしたててくる。
何事かと必死で聞いていると、「long distance call」「money saving」「less cost than AT&T」というフレーズが聞き取れた。
どうやら長距離電話会社のセールスのようだ。
しばらく聞いていたが、興味がなかったし面倒くさかったので「I don’t need it」と言って断ろうとした。
相手もめげずに「Don’t you want to save money?」と聞いてきたので「Yes」と言って受話器を置く。
電話を切ってから気づいたのだが、「お金を節約したくないのか?」と否定疑問文で聞かれたとき、「したくない」と答えるには「No」と答えなきゃいけないんじゃないか。
ああ、こんな基本ができないなんて情けないなぁ。
もうちょっとつき合って英会話の勉強に使えばよかった(笑)。
朝食の後、だらだらしていたら、再び電話。しかも英語だ。
またセールスか? と思いながらよく聞くとCalifornia State University, Northridgeから明日の留学生オリエンテーションの会場が変更になったという知らせだった。
「ぷれいす ちぇいんじ とぅもろう?」と何度も聞き返して確認する。
それにしても留学生相手なんだからもうちょっとゆっくりしゃべってくれてもいいじゃないか、なんて甘えたことを考えつつ、場所をしっかり確認する。
最後に「知らせてくれてありがとう」と言おうとして口をついて出たのが「Thank you for knowing」。
「知っててくれてありがとう」? なんじゃそりゃ。
電話の向こうでお姉さんがクスッと笑った。
ホントは「Thank you for letting me know」って言おうとしたんだよぉ。
う~ん、まだまだ全然なってないな、英会話。
午後からCBSの「Inside Edition」という番組を録画したテープを見て、内容をメモする。
実は、この番組のVTRを録画して簡単なキャプションと一緒に送るというのが僕の貴重なアルバイト。
日本でお世話になった放送作家の先輩、笹生八穂子様(名前、出しちゃいました(笑))がインターナショナルにネタを探していらっしゃるのだ。
毎日午後3時から放送している30分番組なのだが、字幕を読むために何度も巻き戻し、辞書を引きながらやっていると1本につきゆうに1時間はかかってしまう。
しかし、英語の勉強をしながらバイト代ももらえるのだからありがたい。
英語力が上達すればもう少し効率的にできるとは思うのだけれど。
「Inside Edition」のホームページには「Today’s top story」というコーナーがあるのだが、ここに内容が書かれていたのを見たことがない。
しっかりしてくれ、ウエブマスター!