午前5時起床!
なぜこんな早起きしたのかというと、それは食料調達のため。
Victorvillという街で日本食のグロッサリーストアを経営している笹生さんの叔母さん、Norikoさんの仕入れに同行させてもらい、食材を卸し価格で購入しようという算段だ。
持つべきものは良い先輩。
まったく笹生さんは素晴らしい人脈をお持ちでいらっしゃる(笑)。

篠原さんと一緒に待ち合わせ場所であるダウンタウンの問屋さんへ。
6時ちょうどにNorikoさんは大きなバンに乗ってやって来た。
聞けば毎週金曜日の早朝、1時間もフリーウェイをぶっ飛ばしてここまでやって来るという。
「何でも好きなものを言ってちょうだい。ウチの店の請求書につければ卸値でOKだから」
Norikoさんはそう言うが、何せ僕らは貧乏留学生(笑)。
あれもこれもと欲張るわけにはいかない。
今日のところはおおざっぱな値段をチェックしておこうということで遠慮気味に店を見て回る。


まずは八百屋さん。


次は魚屋さん。

L.A.に来て4ヶ月以上経つが、Little Tokyoのすぐ近くにこんな問屋街があるなんて知らなかった。
なんだか社会科見学に来た小学生のような気分でNorikoさんの後をついていく。
彼女は毎週、3時間で8軒の問屋を回り1週間分の商品を仕入れていくのだ。

あまりに貧乏くさい僕らの言動に同情したのだろうか、「私が出してあげるから好きなもの買いなさい。今日は特別よ」とNorikoさん。
それでも素直に好意に甘えられず遠慮している僕らを見かねて「これ買っていってみんなでおでん食べればいいじゃない」「このイワシ、おいしいわよ」「ヤキイモ好きでしょ?」「この焼きそばけっこう評判いいのよ」と、次々に食材を段ボールに入れ、会計を済ませていく。

「うわぁ、そんなにいいですよ…」
喉元まで出かかっている言葉はなぜか口をついて出てこない(笑)。
あれよあれよという間に1人なら3~4週間はもつくらい大量の食材が車に積み込まれていた。

最後の店で週刊誌とレンタル用のビデオを受け取って本日の仕入れは終了。
「本当にどうもありがとうございました」
最敬礼する僕らに「いつでも電話ちょうだい」と言い残し、Norikoさんは颯爽と帰っていった。

「すごいことになっちゃいましたね」「うん…」
予想もしなかった展開に僕と篠原さんは感動すら覚えていた。

東京で働いていた時とは違い生活基盤がなく、精神的にもとまどうことが多い異国での生活。
僕はいろんな人の好意に甘え、助けられているんだなぁと思う。
無力な立場になって初めて気づくことがいくつもあるのだ。
僕もいつか誰かにお返しができるようになるといいのだけれど…。

とりあえずできることはこの大量の食材を仲間とシェアすることだ(笑)。
夕方、いつものメンバーに電話をかけ、Kojunの家に集合する。
イワシの塩焼き、カレイの煮付けにマグロの刺身。
豪華シーフードパーティーの開催だ。
う~ん、旨い!

とりあえずナマモノを平らげたが、まだまだ食材は残っている。
次回はおでんパーティーにしようか、それともヤキイモパーティーか。
とても幸せな気分で家路についたのであった。