夜中まで勉強していたせいで寝不足のまま学校へ。
教室に入ると、あるクラスメイトが「このクラスをドロップしようかどうか迷ってるんだ」と真剣に告白している。
「ドロップ」とは登録取り消しのこと。
このまま期末試験まで受けて一定の成績に達しないと「NC(ノンクレジット=落第)」になってしまうが、その前に「ドロップ」すれば評価の範囲外となって最悪の事態は免れる。
その「ドロップ」の期限が明日に迫っているのだ。
留学生が合法的にアメリカに滞在するためには“良好な成績”が条件となっており、噂によればNCを取ってしまうと『次の学期は頑張ります』という一筆を書かされ、それが数回続くと強制退学になってしまうという。
つまり、成績は留学生がその身分を維持するための命綱なのだ。
授業開始当初30人弱いた生徒がいつの間にか20人弱に減っているのは単位取得をあきらめた生徒がドロップしていったからに違いない。
他はどうなのか知らないが、このクラスではクイズやジャーナル、エッセイの点数が教室内に毎日張り出されるので自分の成績が客観的に分かってしまう。
しかも、現在「CR(クレジット=単位認定)」のレベルに達しているのはわずか5人しかいない。
これが“鬼のフーバー”たるゆえんか。
結局、自分の席に着いた彼は何事もなかったかのように授業を受け、帰っていった。
しかし、明日もまたこの教室で彼の姿を見ることが出来るかどうかは誰にも分からない。
アパートに帰って宿題をやっつけ、篠原さんのホームステイ先へ。
買い物に行った帰り道で故障してしまった彼の車をピックアップしに行く約束をしていたからだ。
篠原さんの通うLos Angeles City Collegeは今日が夏学期の最終日。
ということは、期末試験を無事終えた篠原さんは今日から一足早い夏休みなのだ。
とりあえずエンジンはかかったので一安心。
バッテリーとオルタネーターは交換したばかりということで他の原因は思いつかず、近くのガソリンスタンドへ入庫。
人の良さそうなメキシカンのおじさんが「明日までに直しとくよ」と笑う。
The Outlook Classifiedという広告新聞で見つけたアパート物件について篠原さんのアドバイスを求めると、今日これから一緒に見に行ってくれるという。
Brentwoodという地域を中心に3件ほど足を運んでみたが、今ひとつピンとくるものはなかった。
篠原さんの夏学期打ち上げを兼ねてSawtelleのラーメン屋へ。
今シーズン初めての冷やし中華を食し、ちょっぴり贅沢な気分で帰宅。
引き続き勉強する。