午前9時起床で学校へ。
Computer for New Mediaの授業だ。
今日は先週の宿題となっていたDirectorムービーの発表。
1つの画面に3つ以上の動くキャラクターを配置し、Lingoでその3つを別々に制御するというのが課題だった。
他のクラスメイトが誰も名乗りでないので僕とJamesが最初のプレゼンテーション。
一通りの動きを見せてから、それらがどんなスクリプトで制御されているかを説明する。
実は、このスクリプトは僕が苦し紛れにひねり出したもので、おそらく教授が求めているものとは違う。
どうしてそんなスクリプトを書いたのかという質問に一生懸命答えたら、教授はその独創性を評価してくれた。
ただ1つの正解があるという類の問題ではないからある程度の点はもらえると思っていたが、それにしても苦し紛れの答えに対してオリジナリティーを称えてくれるというのはアメリカらしいなぁ、と感じた。
僕らのプレゼンが終わっても他のチームは誰一人出てこない。
なんと、他のチームも全員が僕と同じところで行き詰まり、誰一人それに対する解決法を見つけ出せずにいたのだった。
つまり、今日の授業で発表できたのは僕らのチームだけ。
苦労してマニュアル本を読み込んだかいはあったというものだ。
後半の授業は来週のクラスで発表する課題の説明。
以前に配られているGotthoffer教授のゲーム企画書の中からワンシーンを抜き出して、それをDirectorムービーで作るというのが課題だ。
たった1週間しかないからそんな凝ったものは作れないけれど、少なくともLingoを理解しているというところは見せなければならない。
Jamesと役割を分担し、来週の授業の前に早めに集まって結合することにした。
続いてはEnglish Conversation Class。
今日はそれぞれが母国の歴史について話すことになり、韓国出身の女の子が口火を切る。
「私たちの国はかつて日本に占領されていました…」
もちろん、彼女に悪気は全くない。
さっきまで雑談で「ハラジュクのストリートで若者がやっているパフォーマンスについて教えて」と今はなき歩行者天国ライヴのことを僕に聞いていたくらいだから日本に対しての知識や興味もあるのだろう。
そんな彼女が母国の歴史を日韓併合から語り始めたのだ。
僕はどうしていいか分からなかった。
別に日本を代表して来ているわけじゃないからそんなにナーバスになる必要もないといえばないのだけれど、とっさに口をついて出た言葉は「I’m so sorry about that」だった。
「そんなつもりで言ったんじゃないのよ」と彼女は逆に恐縮する。
隣に座っていた中国人は「日本と韓国と中国は同じ戦争を経験しているけれどそれぞれ異なる解釈を持っているんだ」と他の国の留学生に説明している。
L.A.に来てからアジアの友人がたくさんできたけれど、戦争の話になるたびに複雑な気持ちになる。
きっとこれからもそんな瞬間がたびたびおとずれるだろう。
そんなとき、僕はいったいどんな言葉を発すればいいのか。
適切な言葉はまだ見つかっていないような気がしている。