午前10時起床。
今日もGEOSの授業だ。

教室に入りあいさつもそこそこにJohn先生が切り出してきた本日最初の質問は「CultureとSocietyとCivilizationの違いは何だと思う?」。
おおっ、何というグッドタイミング!
「ちょうど今、『文明の衝突』という本を読んでいるところなんですよ」と答えると先生も身を乗り出してくる。

それから3時間はひたすら文明論議。
半分は本の受け売り、半分は僕自身の意見を一生懸命言葉を尽くして説明する。
相変わらず文法的にはグチャグチャだったりもするが、不適切な表現が出るたびにその場で正しい表現を教えてくれるので会話はスムーズ。
意外なことに、テーマが堅いにもかかわらず先生の英語はほとんど素直に理解できた。
もちろん、僕のレベルに合わせて易しい語彙を選んでくれているのだろうけれど、やはり興味を持っている分野の話は素直に耳に入ってくるのだと思う。

興味深かったのはユーゴスラビアの話題になったとき。
先生の口からユーゴスラビアの地名や政治家の名前がポンポン出てくるのだ。
これは先生が特別ユーゴスラビアについて詳しいからなのだろうか?
いや、違う。
きっとアメリカ人(あるいは欧米人)にとってこの問題は僕たち日本人にとってよりずっと身近な問題なのだ。
残念ながら新聞を斜め読みしたくらいの知識しかない僕は知らない名前が出てくるたびに説明を求めなければならなかった。

もうひとつ面白かったのはギリシア文明について話が及んだ時だ。
先生が「どうして哲学はギリシアで生まれたと思う?」と聞いてきた。
僕の仮説は「奴隷制があったから」。
「生活の雑事を奴隷に任せることによって富裕層には時間的余裕ができたはずだ。ヒマができると自分の存在について深く考えてしまうのが人間というもので、それが哲学のルーツになったに違いない」と答えた。

これに対して先生の仮説は「ギリシアでは早くから航海術が発達したから」。
「海を渡って他の文明と接触する機会が多かったギリシア人は自分たちと異なる価値観にぶつかったはずだ。その結果、物事を普遍的に説明できる哲学を生み出す必要性があったのではないか」
う~む、なかなか説得力のある説じゃないか。
とすると、海を渡ってアメリカ文化と接触している僕は哲学に少し近づいているというわけか(笑)?

こんな調子で気がついたら予定時間を20分もオーバーするほど会話に熱中していた。
いやぁ、楽しいなぁ。
こんなアカデミックな議論を英語でしている自分に酔ってしまいそうだ(笑)。
さては、こうやって僕に自信をつけさせようという魂胆に違いない(笑)。

帰り際に「英語を学びたい日本人と日本語を学びたいアメリカ人が交流する無料のLanguage Exchangeプログラムがどこかにあるという噂を聞いたんですが、知ってますか?」と聞いたら「確かウチに資料があったと思うな。次回の授業までに調べておいてあげるよ」というお答え。
おおっ、これは力強い。
さすが餅は餅屋だ。
期待してしまおう。

帰ってきたら先学期のクラスメイトTheoからメールが届いていた。
「今日からウチのインターネットはケーブルモデム経由になったのさ! メチャクチャ早くて快適だぜ!」という自慢だ。
う、うらやましい…。
彼のアパートに入っているMedia-Oneというケーブルテレビ会社はインターネットアクセスのサービスも提供しているのだ。
テレビと合わせて1ヶ月の料金は$50以下だという。
残念ながら僕のアパートに入っているCentury Communicationsは同様のサービスをやっていない。
もしケーブルモデムで快適にアクセスできるのなら思い切って申し込んじゃうのになぁ。

「Joeとも連絡取ったんだけどさ、3人で会って何かやりたいなって言ってるんだ」
おっ、これは話がいい方向へ転がりそうだぞ。
ネイティブの友人が欲しいって書いたこのホームページを読んだのか?
まさかね。