「トイ・ストーリー」「バグズ・ライフ」「モンスターズ・インク」「ファインディング・ニモ」「Mr.インクレディブル」を制作してきたピクサーの最新作と聞けば、作品のクオリティーは折り紙付き。
期待に違わぬ良作だった。
今回の舞台はクルマの世界。
最速で走り続けることだけを目指していたレーサーの主人公が、ひょんなことからルート66沿いの田舎町に迷い込み、そこで出会った個性的なクルマたちとの交流を経て人生の意味を見いだしていくというストーリー。
3Dアニメで主人公が擬人化されたクルマという設定は奇異なものの、ストーリーはハリウッド映画の王道中の王道。
挫折と葛藤、友情と恋愛を通じた主人公の成長、勧善懲悪、ハッピーエンドといった映画のベタが密度濃くふんだんに盛り込まれている。
しかも、そのベタなストーリーの完成度が驚くほど高いのだ。
その上、かつて栄華を極めたルート66沿いの田舎町がフリーウェイの建設によってさびれているというノスタルジーというかある種の文明批判は、スローライフやロハスな気分の時代性も兼ね備え、子供だけでなく大人も十分楽しめる作品だ。
普通だったら真っ先に宣伝文句になりそうなCGのクオリティの高さ(これがびっくりするほどすごいのだ)が二の次になるほどストーリーが良くできている。
ある意味で最高のハリウッド映画。
アニメなんてとバカにしていると、エンディングでウルッときちゃうかもしれませんぜ。