完成披露試写でスタジオジブリの最新作「ゲド戦記」を観てきた。

ちょうど1年前、僕が構成を担当するJ-wave「Growing Reed」のゲストにスタジオジブリの鈴木敏夫さんが来てくれたのを縁に、岡田准一くんが声優として参加することになったこの作品。
ジブリ作品は欠かさず観ている僕としても特別な関心を持ち、楽しみにしていた作品だ。

まず、一番気になっていた声優・岡田准一は、ナイーブさと力強さを両立させるという複雑なアレン役を見事に演じ、お世辞でなくいい仕事をしていた。
前作「ハウルの動く城」では、ハウルが声を発するたびに木村拓哉の顔が浮かんできた(まぁ、それだけ存在感があるとも言える)ものだが、今回はそういう違和感はまったく感じない。
むしろアレンを演じるのは彼しかいなかったんじゃないかというくらい、キャラクターに同化していた。
たった一度の共演でそこまで岡田くんのキャラや表現力を見抜いていたとすれば、鈴木敏夫恐るべし、だ。
ハイタカ(ゲド)の菅原文太もイメージにぴったりのキャスティングだと思う。

ストーリーは比較的分かりやすいが、要所で投げかけられる哲学性を含んだセリフが印象的だ。
「Growing Reed」の中で鈴木敏夫さんは「映画をプロデュースする上で大切なことはその作品に時代性があることだ」と語っていたけれど、「世界の均衡(バランス)が崩れつつある」「人々はせわしなく動きまわっているが目的はなく」「人間の頭が変(ヘン)になっている」といったボディーコピーでこの作品の時代性を表現するあたりの手腕は見事としかいいようがない。

緻密で完成度の高いこれまでのジブリの画作りに比べると、今作はシンプルで青臭い感じ。
油絵のようなタッチの背景などの世界観には違和感を感じるファンも多いと思う。
「ジブリ作品が好きだ」と自認しているファンが「ゲド戦記」を観て、「やっぱり好きだ」と感じるか「あまり好きじゃない」と感じるか。
それによってジブリ映画のどこが好きなのかが明らかになる試金石的な作品だ。

ま、いずれにしてもヒットすることだけは間違いないんだろうなぁ。