「映画の天才」試写でウディ・アレン監督の最新作「マッチポイント」を観てきた。

ウディ・アレンといえば、ハリウッドと一線を画しニューヨークを舞台にした作品が多いが、今回の舞台はロンドン。
逆玉に乗ってイギリスの上流階級入りした男の野心と欲望をめぐるドロドロの物語だ。
リッチな生活を与えてくれる妻と欲望を満たしてくれる愛人。
その二重生活が破綻をきたしそうになったとき、男は殺人を思いつく…。

ハリウッド映画なら「正義」が「悪」に勝つハッピーエンドでめでたしめでたし…だが、そうはいかないのがウディ・アレン。
予定調和を許さない意外な展開が最後の最後まで観る者を引きつける。

キーワードは「運」。
「努力」は「運」より大切だ。
「愛」は「肉欲」より尊い。
僕らが当たり前のように受け入れている「常識」が、時として簡単にひっくり返る「理想」でしかないことを思い知らされる。

だとすると、こうした「理想」は誰が何のために必要とするのか?
それぞれ異なる「理想」を掲げた宗教の戦争をテレビで観ながら、そんなことを考えた。