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2004年08月13日

●「華氏911」

映画「華氏911」のジャパンプレミアへ。
封切り前に作品を観る唯一のチャンスとあって、会場となったよみうりホールはほぼ満員。
J-wave「Jam the World」でお世話になった政治ジャーナリスト角谷浩一さんとばったり遭遇し、あいさつする。

その他にもテレビでおなじみの有名人の姿がちらほら見られたが、他の映画と違ったのは、菅直人、海部俊樹、海江田万里といった政治家が来ていたことだ。
きっと明日のワイドショーでは彼らのインタビューが流れることだろう。
話題作りの点で配給の作戦はかなり成功したと見た!

で、肝心の内容はといえば、見事なプロパガンダであると同時に一流のエンタテイメントだと思った。
プロパガンダとしての意味合いは角谷さんの「Jam the World」にお任せするとして(笑)、エンタテイメント職人としてのマイケル・ムーア監督は緻密な構成で観客をグイグイと「物語」に引きずり込んでいく。
膨大な量の映像資料から必要な素材を選び、自分が描きたい「物語」を組み立てる能力は天才的だ。

特に、前半では巧みなナレーションで会場が何度も大爆笑に包まれた。
たぶんあまり指摘されないだろうが、日本語字幕がかなりいい仕事をしている。
言葉の選び方といい、タイミングといい、あれだけ笑いを取るには相当苦労したはずだ。

ラストに向けての泣かせる部分はわりとオーソドックスな作りだが、実話の持つリアリティーと前半との落差が観客の涙腺をゆるくする感じ。
いずれにしても喜怒哀楽の感情を揺さぶるツボ満載で、1800円の元は十分取れると思う。

制作費を何億ドルもつぎ込まなければならないSFX大作ではハリウッドにかなわないだろうけれど、比較的安上がりなドキュメンタリーなら、テーマ次第で日本映画もけっこういけたりするんじゃないか、なんてことを考えたのだった。

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