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2005年11月09日

●「私の頭の中の消しゴム」と「四月の雪」

映画「私の頭の中の消しゴム」を観た。
先日観た「四月の雪」といい、この「私の頭の中の消しゴム」といい、感動のツボを的確に押さえていて心憎いばかりだ。

前者は妻に裏切られた夫と夫に裏切られた妻の許されない恋の葛藤を、後者は若年性アルツハイマーで記憶を失っていく妻への愛を描いた恋愛もの。
どちらも聞いただけで「切ない」という感情の動きを刺激される設定だが、シナリオや音楽も緻密に構成されていて期待を裏切らない。
エンタテイメントとしてよくできすぎていて、ひねくれ者の僕は感動する前に「巧いなぁ」と感心してしまったくらいだ。
韓国映画は、勧善懲悪ハッピーエンドのハリウッド映画とは違った方向で、最大公約数の観客を満足させる手法を見つけたのだろう。

世間を席巻する韓流ブームにはほとんど興味がなく、ヨン様くらいしか俳優も知らない流行遅れの僕だが、韓国で映画を中心にした映像産業が興隆してきた背景や人材育成システムには興味がある。
国境を越えてヒットする映画の制作者たちが国策としての人材育成政策から育ってきたと聞くとうらやましく思う。
日本でも最近コンテンツ制作支援なんていう動きを耳にするようになってきたが、ちゃんと機能してるのかなぁ?