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2005年11月05日

●「アメリカSF映画の系譜」

J-wave「Growing Reed」のゲストに来て下さったシネカノン代表の李鳳宇さんは「映画はその国の勢いを表す」と言い、同じくスタジオジブリの鈴木敏夫さんは「なぜこの映画が今必要なのか、時代性を意識して戦略を考える」と語った。
映画は娯楽であると同時に時代の空気や気分を表す鏡であり文化なのだ。

テレビは社会の鏡であるという言い方をすることもあるが、テレビが長くても数ヶ月単位の「今」を映し出すのに比べて、映画は年単位、世代単位の「今」を映し出すのだろう。
「アメリカSF映画の系譜」(長谷川功一・著)を読みながらそんなことを考えた。

「2001年宇宙の旅」から「スターウォーズ」「E.T.」「エイリアン」「マトリックス」まで、誰もが知っているSF映画はなぜアメリカで発展したのか?
著者はその疑問を「フロンティア神話」と「冷戦」という視点から読み解いていく。
すなわち、アメリカSF映画を「宇宙開拓の神話」と「エイリアン来襲の神話」の2つに類型化し、それらの内容や制作された背景を綿密に検証していくのだ。

結果として本書はアメリカSF映画史であると同時に現代アメリカ文化史になっている。
自分が見て感動した映画が誰のどんな意図によって企画され、どんな時代背景の中で人々の支持を集めたのか。
著者の意図とはおそらく異なるだろうが、僕はエンタテイメントのマーケティング論として楽しんだ。

実は、著者はアメリカ留学の経験を持つ札幌在住のテレビマンで年令もほとんど同じ。
僕の日記を読んで下さって、わざわざ本を送って下さったのだ。
そんな共通点を持っている人の情熱的な仕事を見ると刺激を受ける。
僕ももっと頑張らなきゃいけないなぁ。

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