「Los Angeles 留学日記」
渡米〜生活準備編
(1998年5月10日〜)
5月10日(日)
「来たぞLA! 待たせたな!」
着陸直前、UA890便の窓に映るLos Angelesの街はまるでシムシティーのように見えた。
定刻通り、午前10時30分、到着。
まずは入国審査だ。
「What's the purpose of your staying in the United States ?」
「To study at the college」
お決まりの問答があった後、太った入国審査官が僕のI-20とI-94(出入国カード)に「D/S」と記入して渡してくれた。
「Duration of Status」
つまり、僕が学生のステイタスを維持している間はアメリカに合法的に滞在することができるというわけだ。
スーツケースを2つピックアップしたら、とりあえず空港建物の外へ。
喫煙に厳しいカリフォルニア州では公共の建物はもちろん、飲食店やバーでさえ屋内でタバコを吸うことはできない。
およそ9時間ぶりにショートホープに火をつける。
う〜ん、うまい!
L.A.の乾いた空気がフィルターを通じて僕の身体に入ってくる。
ついにL.A.にやって来たんだ。
抜けるように青い空が僕を歓迎してくれているように思えた。
と、ここへ恵さんが登場。
彼女は去年の夏に僕が大学の下見に来たときもお世話になった留学の先輩で、大学選びからいろいろと助けてもらっている。
日本から予約してあったハーツのレンタカーを借りて、当面の滞在場所となるJolly Roger Hotelへ。
アメリカ映画によく登場する、いわゆる“街道沿いのモーテル”で、かなりいい雰囲気。
何よりも安い(1週間で$255)のがいい。
近くのショッピングセンターでサンドイッチをつまんだ後、早速、アパート探しへ。
こちらでは、不動産屋に頼むより「For Rent」の看板を見つけて直接飛び込むのが一般的だという。
9月にはCalifornia State University, Los Angelesに転校することを考えて、とりあえずは家具付きのアパートをサンタモニカ周辺で探す。
僕が日本からインターネットで検索したマンスリーアパート、そして恵さんが目を付けてくれていたアパートを回ったところで、そこの管理人さんが「Santa Monica Collegeに行くんだったら、ウチが管理してる別の物件が大学のすぐ近くにあるよ」とのこと。
さっそく行ってみると、こんな感じ。
ワンベッドルーム(日本で言う1LDK)で家賃は$715/月。
テレビと電子レンジは自分で買わなければならないが、基本的な家具は備え付けてあり、小さなプールも付いている。
目の前に「Rite Aid」というドラッグストアもあって、大学までは歩いても行ける。
“夢のL.A.生活(笑)”にはちょっとショボいかな、とも思ったけれど、何よりも大学に近いのが気に入った。
それに、後で他のところをおぼつかない英語で契約交渉するのには不安があった。
「ここに決めます!」
近くの酒屋でマネーオーダーを作ってきて$125の手付金を払い、契約書にサイン。
15日からの入居で、それまでに今月の家賃と保証金など$1390を用意すること。
そして電話会社とケーブルテレビ会社には自分で電話するようにと言われた。
L.A.初日にしてアパートが決まってしまっていいんだろうか。
ちょっと出来過ぎだなぁ、と思いながらモーテルに帰って日本の友人たちにメールで報告。
インターネットへはNiftyのアクセスポイントからアクセスする。
ヘロヘロに疲れていたので、すぐに就寝。
5月11日(月)
午前10時起床。
スーパーで買ってきたドーナツで朝食。
まずは、アメリカ生活に欠かせないソーシャルセキュリティーナンバーを取得するため、社会保障事務所へ。
このソーシャルセキュリティーナンバーは、いわば年金番号のようなものなのだが、運転免許を取るにも銀行口座を開くにも必要なため、アメリカの年金とは縁がない僕のような留学生も取得しておかなければならない。
オフィスビルの1階にある事務所の中には10人くらいの人たち。
年金受け取りの申請に来たらしい白人のお年寄りや、僕と同じように留学生としてやって来たらしいヒスパニック系の女の子もいる。
手続きは書類に名前と住所などを書いて窓口に提出するだけ。
合法的にアメリカに滞在しているという証明のため、パスポートとI-20を提示する。
「カードは2〜3週間で郵送されるけど、番号だけ急いで必要ならここに電話してね。48時間後には番号が決まってるわよ」と、受付のお姉さんが教えてくれる。
お姉さん、ありがとう。
次にサンタモニカ一の繁華街にあるショッピングセンターSanta Monica Placeへ。
ここは映画「ターミネーター2」にも登場した有名な観光スポットで、僕も去年の夏にはここでいろいろ買い物をしたところだ。
今回の目的は買い物ではなく、電話を敷くこと。
アパート管理人のおばさんが教えてくれたとおり、2階にPhone MartというGTE(ローカル電話会社)のショップが入っている。
「新しい電話回線を敷きたいんですけど…」
てなことをつたない英語で言うと、店員のお兄さんが申込書を持ってきてくれる。
身分証明書としてパスポートを見せて、住所を書き終わるとオペレーターと電話で話すことになった。
「15日から入居します。コールウェイティング(日本のキャッチホンのようなもの)とボイスメール(留守番電話みたいな伝言サービスのことか?)、フラットレート(市内通話かけ放題の料金体系)でお願いします」
とにかく、何度も聞き返しながら必死で伝えようとする。
ちゃんと正しく伝わったかどうかは分からないけれど、オペレーターのお姉さんが教えてくれた僕の新しい電話番号とボイスメール用の暗証番号らしきものをメモする。
「Thank you very much!」
店員のお兄さんは笑顔で言うけれど、はたしてこれで電話が敷けたのだろうか?
不安は残る…(笑)。
日本人観光客もいっぱいいる1階のカフェテリアでランチ。
ハンバーガーをつまむ。
「ドモ、アリガト」
カフェテリアのお兄さんは日本語が上手だ。
続いて、いよいよSanta Monica Collegeへ。
入り口にある管理棟はまるでエキスポのパビリオンみたいに派手な建物だけど、中に入ると、デイパックを背負った様々な人種の若者たちが談笑しながら歩き、芝生で寝ころびながら本を読んでいる。
う〜ん、キャンパスだなぁ。
渡米前ギリギリに届いたインフォメーションセミナーの登録用紙を持ってInternational Student Centerへ。
5月22日の回を予約する。
「詳しい資料はこの住所に郵送するけどいいかしら?」
オフコース!
早いとこアパートを決めといてよかった。
いったん、モーテルに帰ってきたらぐったりしてしまったので仮眠をとるつもりが起きたら深夜の1時。
というわけで、ホームページを更新している今の時刻は朝の5時です。
5月12日(火)
明け方から降り始めた雨はいよいよ本降りになってきた。
おいおい、西海岸は雨が降らないんじゃなかったのか?
約束が違うぞ(笑)。
結局、眠ることができず、かといって雨の中出かける気にもなれず、運転免許の試験問題をベッドの中で読んでいたらウトウトしはじめていた。
そこへL.A.在住の、これまた留学の先輩、金子さんから電話。
渡りに船、とばかりにランチをご一緒させてもらいながら、銀行口座を開くのを手伝ってもらう。
選んだのはBank of America。
サンタモニカ周辺では一番支店やATMの数が多く、スーパーマーケットの中にまでATMがある。
Checking Account(当座預金)とSaving Account(普通預金)を開くことにするが、最低残高の金額によって利率も違うらしい。
とりあえず、最低残高$3000で利率2%のコースを選ぶ。
ソーシャルセキュリティーナンバーを聞かれるがまだ持っていないと答えると「No Problem !」。
外国人のお客さんが多いのか、緑色のスーツを着た顧客係のおばちゃんがゆっくりと分かりやすい英語で説明してくれる。
日本から持ってきたトラベラーズチェックにサインをして入金し、30分ほどで手続き完了。
仮の小切手帳も受け取ったので、これでアパートの家賃も払える。
あとは、日本のシティバンクからの送金先にこの口座を指定するだけだ。
近くのスーパーで食料を調達してモーテルへ。
メールをチェックしようとすると、サーバの調子が悪いらしく、受信はできるのだが送信ができない!
僕にメールを送ってくれているみなさん、ちゃんと読んでますよ!
返事はしばらくお待ち下さい。
5月13日(水)
L.A.まで来ても昼夜逆転の生活は直らず、朝まで運転免許学科試験の勉強。
いろいろな本に練習問題が載っているが、結果的に言うと「新版ロサンゼルス便利帳」(AT Associates, Inc. 山と渓谷社)のものが最も本番の試験に近かった。
(スペルミスがけっこうあるけれど…)
で、9時に寝て午後1時に起床。
おととい申請したソーシャルセキュリティーナンバーを教えてもらうため、フリーダイヤルに電話したのだが、なぜか「もう一度オフィスに行って下さい」とのこと。
結局、再びオフィスに出向いてナンバーをゲットする。
その足で最寄りのDMV(Department of Motor Vehicles)へ。
ここは日本でいうところの陸運局と運転免許試験場が一緒になったようなところで市内に10カ所近くある。
申込用紙に記入して$12を払うと、さっそく学科試験だ。
試験問題は3択式で36問。
その内、誤答が5問以下なら合格となる。
辞書持ち込みOKと聞いていたので持ってきたのが、餞別にいただいたこの電子辞書。
一応、事前に断っておこうと係のお姉さんに言うと、上司と相談している。
慌てて使い方を説明しに行くと、不審がりながらもOK。
「ただし係のお姉さんの隣の席で受けること」という条件付きで問題用紙を渡される。
試験会場はフロアの一角をパーティーションで区切っただけのスペース。
銀行や区役所で書類を記入する台のようなものがコの字型に並んでいる。
雰囲気は立ち食いそば屋さんってな感じだ。
日本の学科試験と一番違うのは制限時間がないこと。
辞書を引きながら納得いくまで考えていいというのは僕のような外国人にはありがたい限りだ。
練習問題とそっくりの問題が半分くらい。
あとは初見だが、当てずっぽうで答えていく。
自信がないのが10問くらいある。
ヤバイかな?
答案をさっきの係のお姉さんに渡して、その場で採点。
側で見ていると、誤答が6問ある。
「アチャ〜、ダメかぁ。明日もまた来なくっちゃ…」
と思ったその瞬間、お姉さんが一瞬考えて一旦「×」印をつけた問題を「○」に直している。
そして、「PASS」と書いてくれている!
え〜っ、なんで!?
またヘンな辞書持ってくるとめんどくさいから?
とにもかくにも合格らしい。
お姉さん、サンキュー!
その場で視力検査をやって実技試験の予約。
あさって15日の11時30分の回を予約する。
レンタカーは16日に返却だからできれば一発で合格したいなぁ。
DMVの帰り道、近くにあるヤオハンへ。
日本のヤオハンはつぶれちゃったけど、L.A.のヤオハンは元気だ。
中は日本のスーパーと全く変わらない。
「日清・出前一丁」もあれば「桃屋・ごはんですよ」もある。
今夜のディナー用にいなり寿司のパックを買い、無料の日本語情報誌や新聞を片っ端からゲットする。
さらにサンタモニカの書店へ行き、自動車関係の雑誌を数冊。
中古車の相場が出ているガイドブックも入手した。
これから車を買うのに相場をチェックしないとね。
モーテルに帰って日記を書いていると、かつてテレビ朝日の音楽番組でお世話になった篠原さんから電話。
なんと、去年の夏からL.A.市内のカレッジに通っているという。
ちょうど今は期末試験の真っ最中だということで、週末に会おうと約束する。
久々の再会が楽しみだ。
ところで、昨日からメールの調子が悪い。
受信はできるのだが、送信しようとすると
「メール転送中にエラーが発生しました。こちらは RSET と送信しましたが、SMTPサーバからは以下のような応答がありました。 550 Access denied」とか「こちらは RCPT TO<(相手のアドレス)>と送信しましたが、SMTPサーバからは以下のような応答がありました。 571 <(相手のアドレス)> Relay operation rejected」というメッセージが出る。
しかも、メールソフト(Eudra Pro)の設定を全くいじっていないのにもかかわらず、時々送れたりすることがあるから始末が悪い。
どなたか対処法をご存じの方がいらっしゃったらメールを下さい。
お願いします。
5月14日(木)
買っちゃった! ク・ル・マ。
89年式 TOYOTA CELICA Convertible!
いろいろなディーラーを回ったり、日系スーパーの「売ります」掲示板をチェックしたりして迷いに迷ったのだけれど、せっかく西海岸に来たんだからオープンカーだぁ〜〜〜! っつうことで決めてしまったのだ。
お世話になったのは、日本からもインターネットでホームページをチェックしていたKondo Motorsさん。
お値段は車体価格で$5800。
税金(8.25%)や登録費を合わせ、しめて$6563なり!
フリーウェイの試乗もさせてもらったが、エンジンに問題はなし。
昨日買った中古車の相場表によれば、この車の平均相場は$7475だから、多少の傷があることを考えてもいい買い物だと思う。
前のオーナーは日本の銀行の駐在員で、主に乗っていたのは娘さんだとか。
保険代を見積もってもらうと、対人と対物でおよそ$950/年。
これも合わせてお願いすることにした。
納車はあさって土曜日。
その前に明日は免許の実地試験だ。
何とか一発で合格したいなぁ。
で、リトル東京のスーパーに行ったついでにまたお弁当を買ってしまった。
なぜか白米をみると手が出てしまうのだ(笑)。
ところが、ここで大事件が発生する。
な、何と、箸がついてな〜〜〜〜〜い!
ううっ、日本のコンビニ感覚で弁当を買った僕が悪かった!
結局、手づかみで食べるのもなんなので、ボールペンを箸代わりにしておいしくいただいたのでした。
チャンチャン!
それからメールが送れなかった件、プロバイダーのサポートから返事が来て、どうやらスパム(悪質なDM)防止のため、他プロバイダー接続からのメール送信をはじく設定になっているとのこと。
ちょっと遠いけど、ニューヨークのアクセスポイントから接続することで解決しました。
遅くなりましたが、これからたまっていたメールを送りま〜〜す。
5月15日(金)
ショック! 免許の実技試験を受けさせてもらえなかった…。
実技試験のアポイントは午前11時30分。
なのに僕は10時にはすでに試験会場のDMVに到着していた。
クルマ屋さんから「最近、外国人はなかなか1回で合格させてもらえないらしいよ」というウワサを聞いていたので、しっかり前の受験者の様子を見ておこうと思ったのだ。
「ふむふむ、そういう段取りになっているのか…」
カリフォルニア州の実技試験は各自が自分の車を持ち込んで受験する。
学科に合格した時点では仮免許なので、助手席にすでに免許を持っている人が一緒に乗っていなければならない。
当然の事ながら、受験者は友だちや家族に付き添ってもらってDMVまで来ている。
「ふっ、オレなんか国際免許持ってるもんね。日本で12年も運転してるんだもんね」
ちょっとした優越感が余裕に変わりつつあった。
そして11時20分。
少し早いが、窓口に書類を提出する。
すると、窓口の若いお姉ちゃんがこう言うのだ。
「今日は誰と一緒に来ましたか?」
「僕は国際免許を持ってるんだけど…」
「それは認められません。あなたは試験を受けてはいけません」
ガ〜〜〜ン! なんでだよ。インターナショナルライセンスだよ!
必死に主張するが、「ダメなものはダメ」とお姉ちゃんは冷たい。
しまいには上司らしき人が出てきて
「改めてカリフォルニア州の免許を持っている人と一緒に来てください」
その瞬間、窓口のお姉ちゃんは僕の方を見て冷たく言い放った。
「I said that !(そう言ったじゃない!)」
その言い方がすごくいやらしい言い方だったので悲しかった。
「何のために早起きして来たんだろう…」
帰り道のクルマの中で僕は何とも言えないやりきれなさを感じていた。
気を取り直して、アパートへ。
管理人さんに初めての小切手で家賃と保証金を払い、部屋に荷物を運び込む。
リビングはこんな感じ。写真だと広く見えるなぁ。
これがキッチンとバスルーム。
ベッドルームです。
小さいプールと広いパーキングがあって家賃は$715/月。
電気、ガス、水道代はその中に含まれている。
東京だったら一体、いくらするんだろうなぁ。
スーパーで巻き尺を買ってきてテレビラックとベッドの寸法を測る。
明日、必需品を買い出しに行ってから本格的に入居する予定。
今日はモーテル暮らし最後の夜になる。
5月16日(土)
ついに我が愛車が来た。
ジャーン! 89年式TOYOTA CELICA Convertible!
やっぱ、西海岸にはオープンカーが似合うよなぁ、うん。
さっそく幌を開けて走ってみる。
いやぁ、気持ちいいなぁ。
クルマなしじゃ生活できないL.A.。
保険から登録、契約まで丁寧な仕事をして下さり、本来はお休みのところをわざわざ納車して下さったKondo Motorsの森田さん、どうもありがとうございました。
で、クルマが来てまず用意したのがこれ、ステアリング・ロック。
近くのパーツ店で$30なり。
車上荒らしはもちろん、クルマの盗難が頻発するL.A.の必需品。
あとは免許だけなんだよなぁ。
ポストを覗いてみると、申請したソーシャルセキュリティーナンバーのカードが届いていた。
思ったより早い。
午後は生活用品の買い出しツアー。
ベッドカバー、掛け布団、枕、枕カバー、バスマット、バスタオル、電子レンジ、食器、電話機、FAX、読書灯、テレビ、ビデオ、やかん、フライパン、鍋、箸、包丁、まな板、ゴミ箱、灰皿、洗剤、洗濯かご、ハンガー、カレンダー…。
家具付きの部屋でも必要なものはけっこうある。
お値段はしめて$1000ちょっと。
思ったよりは安く上がった。
SAMSUNGの電子レンジは$100だし、Panasonicのビデオは$160。
Panasonicの普通紙FAXが$250で、SHARPのテレビは27インチで何とたったの$290!
日本で買うより全然安い。
どうしてなんだろう?
とにかく、こうしたモノが運び込まれた僕の部屋はやっと人の住む部屋らしくなってきた。
やっと電話とFAXは開通したが、ケーブルテレビの工事が済んでいないので大きなテレビは宝の持ち腐れでまだ何も映らない。
今日は本でも読みながら、おとなしく寝よう。
5月17日(日)
L.A.に来てから1週間が経った。
特にやらなければならないことがない日曜日。
人はそれを「ヒマ」という(笑)。
よく考えてみると、こんなヒマはずいぶん久しぶりだ。
しばらくずっとドタバタが続いていたからなぁ。
しかも、今日はいい天気。
ドライブがてら買い物に行こう!
自炊環境も整ったことだし、食費を少しでも浮かせるために食料の調達だ!
というわけで、まずは昨日も行ったショッピングセンターへ。
大きなカートを押しながら、次々と食べ物を手に取っていく。
全体的に値段は日本より安いと思う。
忘れちゃいけないのが「水」。
2.5ガロン(9.45リットル)入りのボトルで$1.75だ。
続いてアパートからクルマで5分ほどのところにあるSawtelleのNijiyaへ。
これまで海外旅行に行ったときは「旅先で日本食を食べるなんて邪道だ!」と思っていたのだが、住むとなると話は別。
やっぱりコメを食べないとどうも調子が出ない。
ごはんにしょう油などを買って、ついでに朝日新聞($2.50)と日経新聞($3.00)も入手する。
で、今日のランチ、材料はこちら!
レンジでチンできるごはんに麻婆豆腐、おまけにサラダもつけちゃおう!
サラダはカット済みのレタスがパッケージになってるのを買ってきた。
挽肉の分量、これでも一番少ないのを買ってきたんだけどなぁ。
ジャ〜ン! 出来上がり!
ちなみに右端のキューピーマヨネーズは賞味期限切れのやつを格安の$1.99で買ってきたもの。
豆腐が絹ごしなのに心持ち固いのを除けば、パーフェクト!
こうして自炊できれば、外食よりかなり安く上がるはず。
午後はDMV発行の「カリフォルニア運転者のためのハンドブック」や英会話の本を読みながら、ゆっくり時間が過ぎていくのだった。
5月18日(月)
朝8時起床。
メールをチェックした後、パンと牛乳の朝食を食べていると、部屋の前の郵便受けに郵便配達のお兄さんが次々と郵便を入れている姿が目に入った。
僕が入居したアパートにはおよそ180部屋もあるのだが、その一つ一つの郵便受けに投げ込んでいく手つきは鮮やかだ。
(ちょっと遠慮して写真を撮れなかったのが残念!)
というわけで、こちらのスネークメールもチェックしてみると、先日口座を開いたBank of Americaから小切手帳とキャッシュカードが届いていた。
すでに受け取っていた仮の小切手で家賃と車代を支払ってはいたものの、本物はきちんと僕の住所と名前入り。
今後、公共料金など様々な支払いに使うことになるのだろうけれど、慣れないせいか今ひとつ信用できないんだよなぁ。
もう一通は我がSanta Monica Collegeからの手紙。
インフォメーションセミナーは22日金曜日の朝8時15分集合とある。
英語と数学のテストと校内案内、そしてカウンセラーによる説明会で終わるのは午後3時の予定だそうだ。
こうやって手紙を読んだり買い物をしたりするのも当たり前だが全部英語。
日本語でやるのに比べると2倍から3倍は時間がかかる。
体力的にも精神的にも疲れるし、億劫になって何だか性格まで消極的になってしまうような気がする。
こんなことじゃ、いかんなぁ。
ローカルの電話会社GTEから届いた説明書を熟読しながらVoice Mail(留守番電話サービスみたいなもの)の設定も完了。
「Hello. This is Suzuki speaking. I can not answer the phone right now. Please leave your message after the tone. Thank you.」の後に続けて「はい、鈴木です。只今電話に出ることができません。メッセージをお願いします」というメッセージを録音する。
こんなちょっとしたメッセージもわざわざ1回ノートに書いてそれを読み上げなきゃならないんだから情けない。
インターネット環境のある人には新しい住所と電話番号をメールしたが、その他の人にハガキを書こうと思いサンタモニカの郵便局へ。
日本へのエアメールはハガキが50¢、封書が60¢。
さらに、アメリカ国内で小切手を送ったりするのに使う普通郵便用切手が32¢だ。
建物の中にある自動販売機でこうした切手を10枚組くらいずつで売っている。
帰りにAAA(日本で言うJAFみたいな組織)の申込書をポストに投函。
登録料は年間$62で、こちらはクレジットカードでもOKだ。
僕は使わなかったけれど、インターネットでも申し込みできるらしい。
新車ならともかく中古車だけに、年間4回まで無料でレッカーしてくれるサービスはありがたい。
明日はいよいよ運転免許実技試験の雪辱戦。
ちょっとでも慣れておこうとDMV周辺の道路に遠回りして帰宅。
はたして一発合格なるか!?
結果は明日の更新でお知らせします。
乞うご期待!
5月19日(火)
やった! カリフォルニア州運転免許一発でゲット!
朝8時、付き添い役を快く引き受けて下さった恵さんとカルバーシティーのDMVで待ち合わせ。
「彼女がカリフォルニア州免許を持っているんだね?」
窓口でそう聞かれ、今度は堂々と「イエス!」と答える。
自動車保険証のコピーを提示して、すぐにスタート地点でスタンバイ。
ヒスパニック系の女性試験官が僕のクルマに近づいてくる。
「左のウィンカーを出して」「今度は右」「ブレーキを踏んで」「ヘッドライトをつけて」「ワイパーを動かして」…。
チェックリストを片手に試験官が次々に指示を出す。
時々はっきり聞き取れないこともあったが、なんとか切り抜ける。
事前チェックが終わり、試験官が助手席に乗り込んできた。
「右折、左折、停車など、私が指示した通りに運転しなさい。特に指示がないときは直進しなさい」
そんな説明の後、いよいよ発進だ。
「指示が聞き取れなかったらヤバイな」
そんな心配をよそに、彼女の指示はシンプルで分かりやすい。
「Make the right turn」「Change the lane to the left」
聞き取りが怪しいときは彼女の指示をオウム返しに復唱して確認しながら、いつもより慎重に運転していく。
特に気を付けたのは、右左折や車線変更の時、大げさに振り返って後方確認をすることだ。
途中、路肩にクルマを停車させて直進バックの指示が出る。
左ハンドルの右肩越しに後ろを振り返りながら後退。
その直後、試験官がこう言った。
「Leave the car」
「えっ? クルマから離れろ?」
僕がサイドブレーキを掛けてシートベルトを外そうとすると、
「No, no, no. Start the car!」
つまり、クルマを発進させろ、ということだった。
後から思えば笑い話だが、試験中の本人は笑えない。
DMVの周辺を15分くらい走ってスタート地点に戻る。
「(You are) passed」
合格だ。
あるかもしれないと思っていたフリーウェイ走行もなく、日本で普通に走っていれば簡単に合格できるレベルだと思う。
返してもらったスコアシートを見ると「交差点の停止線」「右折時の安全確認」などで6点減点(15点以上の減点で失格)になっていた。
その後、写真を撮って仮免許を受け取って終了。
本物の免許証は自宅に郵送されてくるということだ。
午後は、偶然にもL.A.にいることが判明したかつての仕事仲間、篠原さんと再会。
彼は今、Los Angeles City Collegeで映画を専攻している。
サンタモニカプレイスの中華レストランでランチの後、スターバックスのライバル店だというCoffee Beanでお茶。
かつてこの店の前にある語学学校に通っていたという彼は、ここで2回アルバチーノを目撃したらしい。
サンタモニカ近郊の安い店情報をいろいろ教えてもらいながら、すぐ近くのタワーレコードへ。
「鈴木さん、ハガキは買うもんじゃありませんよ。ここならタダでもらえるんですから」
彼の言うとおり、店頭にプロモーション用の絵ハガキが何種類も置いてある。
さらに、アパートのすぐ近くに99¢ショップ(日本の100円ショップみたいなもの)があることも判明。
帰りに寄り道して、乾電池と水を買って行く。
確かに安い。また来よう。
「合格〜渡米準備編」 「生活準備編2」
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