「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

語学学校99年秋6
(1999年11月8日〜)

11月8日(月)
昨夜は珍しく雨が降っていたが朝にはすっかり上がり、いつものように学校へ。
L.A.とはいえさすがにTシャツ1枚では肌寒い陽気になってきた。

先週の「minister事件」以降、Keith先生とは今ひとつしっくりいかない感じが残るものの、そこは2人ともオトナということで(!?)、何事もなかったように授業は進行する。
ディレクターのミッシェルに「会話のクラスなのだからもっとリスニングとスピーキングを」と申し出たのが届いたのか、前回とはうって変わって口頭中心の授業。
自己主張の国とはいえ、これほどコロッと変わられると気味が悪い。
他のクラスメイトがとまどってないといいんだけど。

マルカイで買い物をして帰ってくると、ナイスタイミングで勝治から電話。
「近くまで来てるんですけどメシでも一緒にどうですか?」
というわけで、Atsushi、Ericと一緒にMishimaで親子丼。

明日も試験だというEricはAccountingのノートを持ち歩きつつ、日本語の勉強にも余念がない。
「チキンがparentで卵がchildだから『親子』っていうんだよ」と教えると「Oh, I see!」と喜んでくれる。

明日はUCLA Extension
しっかり体調を整えて授業に臨もう。


11月9日(火)
UCLA Extension
「Fundamentals of New Media for the Entertainment Professional」3回目の授業だ。

今日のトピックは「Trends in Electronic Commerce and Branding」。
教室に入ってすぐ配られたプリントには「あなたのサービスをインターネットで売るための10箇条」とある。

書店でよく見かける「インターネットビジネス入門」に毛が生えた程度の内容だが、「あなたの会社名またはサービス内容が一目で分かるURLを使うこと」の項目の例に「www.ihadsexwithclinton.com」なるURLが挙げられていた。
ここは講師のChaz Austin氏のクライアントが運営する政治サイトでWall Street Journalの一面にも取り上げられたとか。
そりゃ、誰でもすぐに覚えられるよなぁ。
日本じゃ「co.jp」ドメインを取るのに法人格をもっていなきゃいけないけれど、「.com」ドメインは手数料さえ払えば早い者勝ちで取れるから、こういうタイムリーなURLも可能なのだ。

今日のゲストスピーカーはオンラインおもちゃショップeHobbiesの共同創始者でありCOO(Chief Operating Officer「最高執行責任者」だったかな?)のBrent Cohen氏。
広告マンからマルチメディア・プロデューサーに転じ、AOLでエンタテイメント関連のコンテンツなど電子商取引の現場を経験し、昨年は業界誌が選ぶTop100プロデューサーにも選ばれたのだという。

講義は彼のeHobbiesを立ち上げた経験談に生徒が随時質問していくという形で進められた。
驚いたことに、エンタテイメント業界のプロである生徒たちの目の色が違う。
質疑応答が先週よりずっと具体的で熱がこもっているのだ。
彼らにとって、どうすればオンラインビジネスで成功できるのかが至上命題なのだろう。
なんだか、日本でバブル期によく見かけた「個人投資家のための不動産経営セミナー」みたいな雰囲気だ。
行ったことないけど(笑)。
ま、アメリカの好景気をリードしているのがこの業界だということなんだろう。

僕のリスニングは先週よりましだとはいえ、理解度40〜60%。
ただ、今週はKojunから借りたテープレコーダー持参なので、あとから復習できるという余裕がある。
なんとか聞き取れた中で興味深いポイントをまとめてみよう。

「インターネット・ビジネスを立ち上げるのに必要なものは『資金』と『人材』と『スピード』である」
「いいアイデアと成功のビジョンさえあればベンチャーキャピタルがいくらでも投資してくれる」
「優秀な人材のギャラは高い。少数精鋭で適材を適所に配置せよ」
「競争に勝ち抜くにはなによりもスピードが大切。eHobbiesでは63000アイテムを扱うウェブサイトをわずか90日で完成させた」
スピードが重要だというのは分かるような気がする。
だからこそ、ベンチャー企業が大手に勝てるんだよな。

「これまでにない新しいマーケットを見つけ、開拓せよ」
今、アメリカではリアルワールドにあるあらゆるビジネスがオンライン化する勢いだ。
だけど、現在は存在しない、オンラインならではのサービスがまだまだあるはずだ。

「最終的に勝つのはカスタマーサービスの強いところだ」
「サービスの購入前、購入後にかかわらず、お客さんの質問に素早く適切な答えを返せるところが勝つ」
なんでも、eHobbiesが最も力を入れているセクションはカスタマーサービスだとか。
「これが正しいかどうかは今年のクリスマス商戦で証明されるだろう」とBrent Cohen氏は自信満々だ。

「ブランド名は単なるロゴマークじゃない」
eHobbiesでは学校のクラブやボーイスカウトといった活動を援助し、スポンサードしているという。
「こうした精神的活動がeHobbiesの価値を高め、ユーザーから愛される真のブランド力を培うのだ」

ふぅ、2時間集中しっ放しというのは体力を消耗する。
それにしても彼のような現役バリバリのビジネスマンが大学に来て講義するというのは刺激的でいいシステムだと思う。
卒業後すぐに自分でビジネスを立ち上げる大学生が多いのも分かるような気がするよなぁ。


11月10日(水)
いつものように語学学校へ。
通学の車の中では昨日の授業の録音テープを聴く。
2回目だからといってすべてが聞き取れるというわけじゃないけれど、少なくとも昨日よりは理解度はアップしているような気がする。
よし、これから車の中では必ずこれを聴くことにしよう。

授業はいつも通り、可もなく不可もなく。
UCLA Extensionに比べると刺激は少ないけれど、それはしょうがない。
なにしろ英語ができなくちゃ肝心の専門の授業が理解できないのだから。
う〜ん、ジレンマだよなぁ。

特に会話の授業が急に基本に戻ってしまってちょっと退屈気味。
だが、そんな中でも発見はあるものだ。
道を尋ねられて、たとえば「(フリーウェイ)405号線の北行きに乗りなさい」と答えるとき、僕は誰に教わるともなく

Take the 405 North...

と答えていた。
が、Keith先生によると、このとき「the」をつけるのは南カリフォルニア独特の表現で、他州では

Take 405 North...

と、「the」をつけないのだそうだ。
へぇ〜、そうなんだ。
知らなかったなぁ。

帰ってきて、先学期のクラスメイトMarikoちゃんと久しぶりに会う。
彼女は現在、インターネット放送局を中心に就職活動中。
L.A.の人気ラジオ局KIISFMが「KIISFMi」というインターネット放送をスタートさせたなんていう最新情報を教えてもらう。
さっそくチェックしてみなきゃな。

そうそう、隔週刊のテレビ雑誌「TVBros.(テレビブロス)」11月27日号(11月24日発売)のネット・レビューのページで、我が「Los Angeles留学日記」を紹介していただけることになりました。
これもひとえに読者の皆さんの声援あってこそ。
これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします。


11月11日(木)
CSUNのLanguage Exchange。
最近、このクラス以外でもすっかり仲良しのEricと組む。

彼はそもそも香港出身の中国人だけど、国籍はイギリス、現住所はアメリカというインターナショナルな大学生。
専攻はビジネスで日本語のクラスは取っていないにもかかわらず毎週このプログラムに顔を出し、その上、JSAのメンバーとしょっちゅう一緒にいるから日本語の上達がめちゃくちゃ早い。

僕と話している時の口癖は「Test me!」。
つまり、教えたばかりの表現の問題を出せというわけだ。
楽しみながら積極的に学ぼうという姿勢には頭が下がる。
逆に英語に関する僕の質問にもイヤな顔ひとつせずに答えてくれるいいやつなのだ。

クラスの後、近くのスターバックスでお茶。
帰りに勝治のアパートに寄って「e革命第2の波」を特集した「日経ビジネス」を借り、帰宅。

「遊びとおしゃれとヒューマンメディア」(橋本周司・監修 庄司裕子・著/トッパン)読了。
これは通産省の「ヒューマンメディア研究開発プロジェクト」でのディスカッションを一部紹介したもの。
“ごく普通の人でも、人間性を阻害されることなく自然に扱え、情報化の恩恵を受けることができるような情報メディア”の必要性を訴えたものだが、僕はその中で情報に対する価値観の変化についての言及を興味深く読んだ。
すなわち、「情報が貴重である時代の価値観」から「情報が洪水のようにあふれ、いつでもどこでも手に入る時代の価値観」への変化だ。
ちょっと長いが引用してみる。

東京大学教授の月尾嘉男先生は著書「贅沢の創造」の中で、客観的で正確なことが重視される情報を「報的情報」、主観的で曖昧なことが特徴である情報を「情的情報」と呼んでいます。たとえば、戦争を例として考えてみると、敵軍がミサイルを何発持っているか、その飛行距離はどの程度であるかといった情報は「報的情報」に含まれます。

一方、敵軍の戦意や士気はどの程度であるか、国民が政府をどの程度支持しているかといった情報は「情的情報」の範疇に含まれます。「情的情報」には、人間の主観が入り込んでいるために客観的ということはありえず、曖昧な表現になることもしばしばあります。

「極秘情報」とか「機密情報」という言葉が示すように、「報的情報」では、その情報を共有する人数が少数であるほど価値が高いと言うことができます。つまり、「報的情報」は独占することによって価値を持つ情報だと考えられます。

これに対して「情的情報」は主観的で曖昧な情報です。また、評判や噂が広まって新刊の本や新曲レコードが加速度的に売れていくという現象が見られるように、(中略)つまり、「情的情報」はより多くの人間によって共有されることによって価値を持つ情報であり、共感の基礎となるものだと言うことができます。

なるほど。
宇多田ヒカルがバカ売れしたのは「情的情報」が重要な役割をはたしていたのだろう。
ニュース番組で「報的情報」たる記者レポートを受けてキャスターが発する受けコメントは「情的情報」であることが多い。
「電波少年」や「雷波少年」成功の理由は、「情的情報」が視聴者の共感を集めたからだろう。

メディアや官僚による情報の独占を許さないインターネットの普及や情報公開の流れは、「情的情報」の重要性を加速するに違いない。
もちろん、これまで通り「報的情報」には正確さが求められるたろうが、一方「情的情報」ではいかに他者の共感を集めることができるかがその価値を決めるのだ。

「情的情報」の価値が尊重される社会(=ヒューマンメディア社会)では、結果が生み出されるまでの過程、つまりプロセスもクローズアップされることになります。結果だけでなくプロセスも同時に見ることによって、受け手が主観的、感情的な判断の基準とする「情的情報」が伝わりやすくなるからです。

その通りだと思う。
いわゆる「育てゲー」はなにかを育てるプロセスを楽しむものだし、シベリア鉄道の旅のプロセスがあってこそブルームオブユースの武道館ライヴは多くの人の共感を集めるのだ。

今まで頭の中でモヤモヤしていたものがすっきり整理されたような気分。
やっぱり、考えてる人はちゃんと考えてるんだなぁ。


11月12日(金)
秋晴れのポカポカ陽気。
いい気分で2週間ぶりにCSUNのCoffee Hourへ。
キャンパスの屋外プールでは11月だというのに何人かの学生が気持ちよさそうに泳いでいた。

今日の出し物はなんとシューマイ!

こちらに来てからも冷凍の餃子はよく食べるが、シューマイは飲茶にでも行かなければなかなか食べる機会がない。
ありがたくいただきながら、久しぶりにグレッグと話し込む。

機関銃のようにしゃべる彼の英語はときどき聞き取れないことがあるものの、言わんとすることはほぼ理解できる。
話しながら、ふと、これはもしかしたら話者と聞き手の距離か関係あるんじゃないかと思った。
当然かもしれないが、教壇と机で距離を置いて話すより、顔をつきあわせて話す方がずっと理解しやすいのだ。
話題が「日本映画の難解さ」だろうが、「マイクロソフト裁判についての意見」だろうが、「女の子の日米比較(笑)」だろうが難なく聞き取れる。
もちろん、分からなかったとき気軽に聞き返せるというのも大きいのだろうけれど。

Coffee Hourの後、勝治たちとキャンパス近くのスターバックスでお茶。

オープンテラスならタバコも吸えるし、なによりも日本語で思う存分しゃべれるのはストレス解消になる。

帰宅して、雑誌「WIRED」を読み始める。
「Sony's Plan to kill the PC(SONYのパソコン潰し計画)」という記事が面白そうだ。
でも12ページもあるからじっくり読もう(笑)。


11月13日(土)
午前8時起き!
こんな人間らしい時間に起きたのはいつ以来だろう?
というのも、来月日本に帰国してしまうMさんとのデートだから(笑)。

語学学校、アダルトスクール、コミュニティーカレッジのESLクラス、さらにはUCLA Extensionと4つの学校にまたをかけて通い続けたMさんは、留学期間1年弱とはいえ、僕なんかよりよっぽど密度の濃い学生生活を送っていた。
帰国直前くらいは勉強以外のことをしておこうとドライブに出かけることにしたのだ。

行き先はサンディエゴのSea World
L.A.から車で2時間ほどで到着だ。

目玉はShamu(シャチのことかな?)とイルカのショー。

エンタテイメントとしての完成度も高く、大人も子供も楽しめるアトラクションだ。

意外に楽しめたのがSeal(アザラシ? アシカ?それとも オットセイ?)のコーナー。

岩の上にちょこんと座ってお客さんをじっと見つめていたり、狭い壁際で昼寝のための場所取り争いをしていたりする姿を見ていると、ちっとも退屈しない。
心がなごみ、なんだか哲学的な気分にさえなってくる。
いったい、彼らは何を考えて生きてるんだろうなぁ。

Mさんに楽しんでもらうつもりが僕もすっかり楽しませてもらった。
たまには学生らしく(?)遊ぶのもいいよなぁ。

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