「Los Angeles 留学日記」
CD-ROM付き書籍出版への道1
「Los Angeles留学日記」がアルクからCD-ROM付き書籍として出版されることが決まりました。
このコーナーでは実際に本が出来ていくまでを公開し、読者のみなさんとそのプロセスを共有していきたいと考えています。
あなたもぜひご参加下さい!
1月24日(日)
『鈴木さんのWEBに掲載している「Los Angeles留学日記」を出版しませんか?』
そんなメールがAさんから突然届いたのは実は去年の10月のことだった。
それから実に3ヶ月。
何度もメールの往復をくり返し、ついに正式決定の知らせを受け取ったのだった。
この間、僕がAさんにひたすらお願いしてきたのは「インターネットと連動したCD-ROMという形で出版できませんか?」ということ。
本を出してくれるというだけでもありがたいのに、何という無謀な申し出だろう。
CD-ROMといえば編集に手間暇がかかる上、採算だって難しいに違いない。
がしかし、マルチメディアエンタテイメント職人を目指す僕にとってはこれぞ千載一遇のチャンスだった。
Aさん宛に出したメールの中からいくつか抜粋してみると、
> 「なすびの懸賞日記」と「進ぬ!電波少年」の関係じゃありませんが、
> せっかく今現在も留学生活が続いているわけですから、
> 僕としてはその「同時性」を生かせればなぁ、と思うわけです。
> 「単行本」「雑誌」「インターネット」という特性の異なるメディアが
> うまく連動できれば面白い相乗効果が見込めるんじゃないかと思うんです。
> コンセプトは「バージョンアップする単行本」。
> 「Los Angeles留学日記」インターネット版はまだあと最低2年は続く予定です。
> 僕としてはこれからがますます面白くなってくるところだと思いますし、
> 読者に評価してもらえる限り、完結するまで続けていくのが責任だと考えています。
時には企画書らしきものまで書いて送りつけるしつこさ(笑)。
もう一方で僕はこんなことも考えていた。
> どちらに転んでも今回のいきさつを読者と共有したいと考えています。
> Goサインが出たら完成までのプロセスを自由参加の掲示板か何かで公開したいくらいです。
> 「シェアウェア的モノ作り」とでも言えばいいんでしょうか、
> うまく説明できないんですが、読者が参加してくれることで
> よりブラッシュアップされたものができると思うんです。
> イメージで言うと、webで公開されている「Los Angeles留学日記」がβ版。
> 多くの読者にβ版テストに参加してもらい、
> バグフィックスを施した段階で出版という正式版をリリースするという感じでしょうか。
> 最近「シェアウェア〜もうひとつの経済システム」(NTT出版)という本を読んで
> こうした試みがうまくいくのではないかという意をますます強くしました。
そうなのだ。
シェアウェアは善意のユーザーが作者に不具合を報告したり要望を伝えることでどんどん進化していく。
そして作者もユーザーもそのコミュニケーションに参加すること自体を楽しんでいる。
これまでにそんな不思議なメディアがあっただろうか?
マルチメディアの大きな可能性の一つはこの双方向性じゃないかと僕は思うのだ。
そこで読者のみなさんにお願いです。
『「Los Angeles留学日記」がCD-ROMになるのならこういうものが欲しい!』
そんなリクエストを掲示板までぜひお寄せ下さい。
思いつきのアイデアや誤字脱字、内容が間違ってるぞという指摘も大歓迎です。
全てのご意見を取り入れるわけにはいかないかもしれませんが、できるだけいいものを作るために頑張っていきますので、どうぞご協力をお願いします。
というわけで、まずは言い出しっぺである僕のアイデアから。
CD-ROMにするとどんなことが技術的に可能なのかすら分かっていないのが正直なところだったりするんですが…(苦笑)
1 日記の中身をキーワードで探せる「全文検索機能」
2 Web上では縮小されているデジカメ写真の拡大化。
3 アメリカ主要大学の資料請求ページへのダイレクトリンク
4 International Student Office担当者のメールアドレス一覧
5 大学ランキングや学部検索など留学情報源へのリンク集(日本語解説付き)
6 Quick Time VRを使ったキャンパスの360度写真
7 デジタルムービーを使った授業の様子の映像
8 世界中の留学生が作っているホームページへのリンク集
もちろん、これらもまだ担当編集者の方と話し合ったわけではないので単なるアイデアに過ぎません。
みなさんだったらどんなCD-ROMが欲しいですか?
1月25日(月)
担当編集者であるアルクの小磯さんからメールをいただく。
署名によると「海外出版編集部」というセクションだ。
具体的に作業を進めていく上で、
◎全体の構成(CD-ROMやWWWとの連動といったことも含めて)
◎スケジュール
◎役割分担
について僕の意見を聞かせて欲しいという。
よく考えて早急に返事をしなければと思う。
1月26日(火)
小磯さん宛にこんなメールを出す。
> あくまで僕の現段階での考え方ですが…。
> > ◎全体の構成(CD-ROMやWWWとの連動といったことも含めて)
> まず書籍としては、純粋な日記として考えると「合格〜渡米準備編」の3月5日付からですね。
> とりあえずキリがいいのは「大学院98年秋11」の12月17日付まででしょうか?
> 分量としてもかなりのものになりますねぇ。
> これを機に加筆訂正したい気持ちもあります。
> CD-ROMには全文を収録するとして、書籍では「編集」(つまりカット(^^ゞ)もやむを得ないかなと思います。
> もちろん、小磯さんの方で「これは続編もいける!」というお気持ちがあれば第一巻は「コミカレESL編」くらいまでとして以降は第二巻にという考え方もあります。
> 「Profile」「学校選び編」「TOEFL対策編」「出願編」部分はいわば資料として付加するという感じでいかがでしょうか。
> また、写真についてはそれこそ「編集」作業による取捨選択が必要ですね。
> 書籍の体裁やページ数について小磯さんの想定はどんなもんでしょうか?
> CD-ROMにはweb版「Los Angeles留学日記」のできる限りの部分を収録したいです。
> ホームページにも書いたように
1 日記の中身をキーワードで探せる「全文検索機能」
2 Web上では縮小されているデジカメ写真の拡大化。
3 アメリカ主要大学の資料請求ページへのダイレクトリンク
4 International Student Office担当者のメールアドレス一覧
5 大学ランキングや学部検索など留学情報源へのリンク集(日本語解説付き)
6 Quick Time VRを使ったキャンパスの360度写真
7 デジタルムービーを使った授業の様子の映像
8 世界中の留学生が作っているホームページへのリンク集
> なんていうこともやってみたいです。
> 情報源へのリンクをしかしたまま読みやすいレイアウトにオーサリングし、将来的にはアルクのホームページから更新された差分をダウンロードできるようにして、いつでも最新版が読めるようにするなんていう仕掛けもやりたいですねぇ。
> 現段階ではブレーンストーミングということで思いつきを並べましたが、この辺りについてのご意見もぜひお聞かせ下さい。
> > ◎スケジュール
> については全くお任せです。
> 僕としては小磯さんのおっしゃる〆切に合わせて全力投球させていただきます(笑)。
> > ◎役割分担
> CD-ROMについてもご迷惑をおかけしない範囲でできるだけ関わらせていただけると嬉しいです。
1月27日(火)
掲示板にもアイデアが寄せられているし、本文についてもまちこさんから
> 「昨年10月の市民権抽選」と書いてあったように思いますが、正しくは「永住権」です。
> 「市民権」は永住権を取得後、5年たてば申請でき、アメリカ人になるということでパスポートもアメリカのものを持つことになります!
と間違いを指摘するメールをいただいた。
いやぁ、ホントに嬉しい。
間違いについてはさっそく訂正しておきました。
1月28日(木)
つい先日までL.A.のスクエアUSAでグラフィックデザインを担当していた知人がフリーとして独立したという電話をもらう。
僕のホームページがCD-ROMになるんだという話をしたら「ぜひ一緒にやりたい」との返事。
さっそく小磯さんにもその旨メールする。
最初にメールを下さったAさんからメールをいただく。
アルクでは現在、まもなくスタートするインターネット放送に向けて準備を進めており、
> 1.まず、WEB_SITEにおいた動画をオンデマンドで閲覧できる。
> 2.また、今回のREAL_SYSTEM_G2サーバーからは静止画とテキストそして音声を同期させたコンテンツも配信できる。
> 3.閲覧にはREAL_PLAYERを使用する(REAL_AUDIOの上位バージョン)
> 4.REAL_SYSTEM_G2サーバー用にエンコーディングしたコンテンツはREAL_PLAYERがあればオフラインでも閲覧できる。CD−ROMに入れてオフラインでブラウズできるわけです。
> 5.素材はデジタルムービー等で集め、Preniereあたりをつかって編集する。編集したファイルを制御するスクリプト(これはHTMLに毛が生えた程度?)を作成する。
というようなことが技術的に可能になるそうだ。
正直言って技術的なことはよく分からないけれど(笑)、 とにかく僕のCD-ROMにも動画を取り込むことは可能なのだ。
この技術を生かすにはどんなコンテンツを盛り込めばいいのか。
そこに知恵を絞るのが僕の仕事だ。
1月29日(金)
担当編集の小磯さんから電話。
先日のメールへの返事を含めていろいろ話をうかがう。
CD-ROMについてどこまで凝ったことができるかは何よりも予算にかかっており、現在、営業担当の人が原価計算をしているとのこと。
“CD-ROMブック”としての値付けは最高でも2000円が限度であり、そこから逆算してCD-ROMに使える予算を割り出さざるを得ないと言う。
ただ、ホームページをそのままCD-ROMにコピーしたのでは面白くないという点では意見が一致し、動画を含め何らかの付加価値を上乗せしたいとおっしゃってくれた。
留学関係の書籍は新学期が始まる春先が一番売れるということで、できれば4月までに、遅くともゴールデンウィークまでには店頭に並ぶようにしたいとのこと。
さらに3月には語学関係の見本市があるのでそこに一部でもいいから展示したいとの意向もうかがった。
L.A.にフリーのグラフィックデザイナーの知人がいるという話をしたら、それについても前向きに考えて下さるという返事。
もし一緒に仕事が出来れば僕としても自分の意向を伝えやすいし、いい話だ。
ページ数や構成についてもまず予算が決まらないことには話が進まない。
来週中には返事ができるだろうということだった。
1月31日(日)
CD-ROM制作に向けて「アメリカ大学資料請求ダイレクトリンク」を作ろうとふと思い立ってMacに向かう。
American Universitiesあたりをベースにすれば意外に簡単に出来るかなと思ったのだが、とんでもない。
いったい、アメリカに大学はいくつあるんだ!?
とりあえず各大学のホームページ表紙にリンクを張ったリストを作るだけで精一杯。
日本からの留学生がほとんどいない大学はカットしようと思いつつ、それがどこなのか分からず結局カットなし。
1人で全部の資料請求ページをチェックしてたら何年かかってしまうんだろう(笑)。
まぁ、気を長く持ってボチボチいきましょう。
URLや担当者メールアドレスなどみなさんからの情報提供も大歓迎ですので、よろしくお願いします。
2月1日(月)
フリーライターであり編集者でもいらっしゃる藪暁彦さんから「Voyager 社のExpandBookを使ってCD-ROMに収録するコンテンツを縦組みにしたらどうでしょう?」というご提案メールををいただいた。
さっそくホームページを見てきたが、これはなかなか面白そうだ。
あの「新潮文庫の100冊」CD-ROMもこれを使っているらしく、テキスト中心のコンテンツにはもってこい。
画像やムービーを入れたり、全文検索や外部インターネットへのリンクも可能とのこと。
読者側へのインターフェイスもよく考えられており、ページをめくるときに「ペラッ」なんていう効果音も入ってまさに“電子ブック”だろう。
本文に横文字がけっこう出てくるから縦書きにしたときに読みにくくなってしまわないかという心配はあるけれど、オーサリングツールとしては有力だと思う。
もちろん、横書きだって可能なわけだけれど。
もう一つは「目次が二つある読み物ってどうですか?」というご提案だ。
> 「Los Angeles 留学日記」には、要するに「留学生の生活」が書いてあるわけですが、もう少し細かく分類できます。
> 例えば「海外生活の苦労」「休日の過ごし方」「食生活」「会話」「大学生活」「マルチメディア」といったところでしょうか。
> つまり、元の日記から(1)時系列的に文章を並べたものと、(2)テーマ別に文章を並べたものの二つの構成のコンテンツを作ることができるわけです。
> 印刷物の場合は、2冊作らなくてはなりません。
> でも、デジタルモノなら中身は一つでも、目次を二つ作っておいてそれぞれからリンクを張れば、見かけは2種類のコンテンツを作ることができます。
> 個人的に、毎日の生活を時間を追って読みたいと思う一方で、食べ物に関するところだけを読みたいと思うことがあります。
> そういう人も多いんじゃないでしょうか。
> 読む側にとっても、一粒で二度おいしい本になると思うのですが、どうでしょうか?
> 全文検索機能を付けたいと以前の日記に書かれていましたが、それと組み合わせれば、かなり強力になると思います。
さすがはプロの方。
ワンソースでマルチに楽しめるデジタルの特性を生かした編集というわけだ。
歴史でいえば「通史」と「テーマ史」。
これは面白い。
デジタルであることを最大限に生かすためにもぜひチャレンジしてみたいと思う。
具体的な作業が動き出したらぜひ提案してみたい。
藪暁彦さん、どうもありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
2月2日(火)
まるこさんからメールをいただいた。
> CD−ROM化のアイデアなんですが
> 出願等に関する「こんな時どうする、どうすればこれを防げるか」という
> トラブル・シューテイングの様なものがあればとても役立つと思います。
> 例えば
> 「TOEFLのオフィシャルスコアが届いてないと大学側から言われた」
> そこをクリックすれば
> 「既にオーダーしていたこととコピーを大学にFAXですぐ送り、TOEFLにも連絡」とか
> 「予防策には出願時にオフィシャルでないコピーを添付して、既にオフィシャルはオーダーしたので、すぐに送られるだろうと書き添える」とか
> (実は鈴木さんのページを読んで私もコピーを送っておいたのですがTOEFLが予定より遅くに大学に送られたので助かりました。
> ありがとうございます)
> さらに
> 「入学して自分の取りたい科目が満席。そんな時は」とか…
これから留学を考えている人が手に取ってくれる本だということを考えるとニーズは高いと思う。
藪暁彦さんのアイデアと組み合わせて「トラブルシューティング」という目次を作り、それに対応する本文にリンクを張れば意外と簡単に実現できるかもしれない。
もちろん絶対的な正解などあるわけなく、あくまで「僕の場合はこう対処してきた」という経験談だけれど、それが誰かの役に立つなら嬉しいことだ。
実は、いろいろな方からいただいた質問に対する「僕の場合は」という回答メールをまとめて(もちろん質問の内容は要約し質問者のプライバシーを侵害しないように配慮して)「FAQ」なるページを作ろうかなと考えているのだけれど、授業が始まってしまいなかなか時間がない。
これもまた「トラブルシューティング」の中に入るかもしれないなぁ。
まるこさん、どうもありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
2月3日(水)
Y.Yさんからメールをいただいた。
> 「アメリカ大学資料請求ダイレクトリンク」はすごくありがたいです.
> これが完成すればどれだけ手間がはぶけることか...
> 是非,頑張って完成させてください.
>
> そのお手伝いとして,僕の興味のある ジョージア工科大学 についての情報をお伝えします.
>
> これは「資料請求ホーム」ではありません.しかし,大学の情報を項目別に調べることができます.
> 意外と分かり易くまとめられていて,知りたい情報がすぐに見つけられます.
>
> URL: http://www.gatech.edu/techhome/subpgs/admissions.html
>
> このページで,まず,「Graduate」か「Undergraduate」かを選択すれば,この大学に関する情報を収集することができます.
>
> また資料請求ダイレクトリンクを見つけたらメールします.
> これからも頑張ってください.
おおっ、これはありがたい!
一人の力じゃとても完成は無理だなぁ、と絶望していただけにすごく嬉しい。
勇気百倍だ。
Y.Yさん、本当にどうもありがとうございました。
さっそくリンクに付け加えておきますね。
2月10日(水)
アルクのBさんからメールが届く。
小磯から引き継いで編集を担当してくださるとのこと。
どうぞよろしくお願いします 。
体裁については
版型:B6変形版(132mm×182mm)CD-ROM付き
ページ数:200〜220ページ程度
価格:2200円(CD-ROM込み)
でどうかというご提案。
定価を極力押さえた上で、版型も読者が手に取りやすいようにということを第一に考えて下さったとのこと。
この辺は基本的な知識が全くないのでお任せしたいと思う。
問題は限られたページ数で何を収録していくかということ。
日記の本文はもちろん写真もある。
おそらく全部を収録することは無理だろうなぁ。
今後細かく相談していくことになるだろう。
CD-ROMのコンテンツについても先日の提案にほぼ賛同いただいた。
「エンターテインメント性(日記など)、実用性(メールアドレス一覧や資料請求ページへのダイレクトリンクなど)、両方備えているものであれば、2200円の書籍に付属のCD-ROMとして十分価値のあるの商品だと思います」という評価はすごく嬉しい。
が一方で「アメリカ主要大学の資料請求ページへのダイレクトリンク」と「担当者のメールアドレス一覧」について少し懸念もある。
それはリンク先が予告なく変更されていわゆるリンク切れになるという心配だ。
Web上のコンテンツであればすぐにリンクを張り直せば済むけれど、CD-ROMとして固定されてしまうと訂正はきかない。
便利なはずがかえって利用する人たちに迷惑をかけてしまうのではないかということだ。
現行のホームページなりアルクのホームページなりにメインコンテンツを置いたまま、そこに対するリンクという形にした方がいいんじゃないかと漠然と思う。
これも今後の相談だろう。
少しずつでも前進しようとCalifornia State University15校分のリンクを追加。
これだけで1時間もかかってしまった。
大学数を数えてみたら全部でなんと1500校!
ということは終わるまでに100時間もかかってしまうということになる。
こりゃあ大変だ。
心優しき方からの情報を引き続きお待ちしておりますのでどうぞよろしくお願いします 。
知人のグラフィックデザイナーに手伝ってもらうことも気持ちよく了承して下さった。
これで知人が引き受けてくれればL.A.で基本的なオーサリング作業ができることになる。
現場をつぶさに見ることができるというのは僕にとってもいい勉強になるはずだし、仲間にも手伝ってもらいやすい。
さっそく知人にもメールを出しておく。
肝心の日記についても若干の加筆訂正をしたい。
時間を見つけて取りかからなくては。
2月13日(土)
CD-ROMのオーサリングを快く引き受けて下さったグラフィックデザイナーの金子ゆかりさんの家を訪ねて今後の方針について打ち合わせ。
日記を一通り読んでくれた金子さんのコンセプトは「明るくさわやかなL.A.の雰囲気をベースに手作り感を打ち出したイメージ」。
「クレヨンで描いた絵アイコンをつけよう」「夏休みの絵日記みたいな感じ」「手書き風のフォントを使おう」とアイデアが次々に出てくる。
もちろん僕も大賛成。
なんだか一気にイメージが広がって、すごく嬉しい。
問題はどんなツールを使ってオーサリングするかということ。
1 Director
これは金子さんが最も得意とするツールであり、3Dやアニメーションなど表現力に優れている。
難点は完成したコンテンツをCD-ROMに焼き込むコンパイルの作業が複雑らしいということ。
デザイナーとは別にプログラマーが必要になるということだ。
2 ExpandBook
これは以前に藪暁彦さんが提案して下さったVoyager社の電子出版物用オーサリングツール。
僕もホームページからお試し版をダウンロードして使ってみたが、テキストの読みやすさという点ではダントツだと思う。
難点はこれを使って商用出版をする場合、Voyager社が定価の1%を使用料として要求しているという点。
こればっかりは僕の判断ではどうしようもない。
金子さんのグラフィックをどのくらい生かせるかというのも気になるところだ。
3 Page Mill(HTML)
僕も毎日使っているHTMLエディター。
テキストメインの我が「Los Angeles留学日記」も金子さんのデザインによってビジュアル的に充実するに違いない。
が、一方でDirectorに比べると表現の幅が狭くなるのは否めない事実だ。
とりあえず金子さんに「1」と「3」の簡単なサンプルを作っていただくようお願いし、同時に編集のBさんにも意見を聞かせて欲しいとメールを送る。
時間が潤沢にあるわけではないことを考えると方向性は早めに決めなければならないだろう。
2月15日(月)
編集のBさんから電話があった。
オーサリングツールについてBさんは「金子さんが最も得意とするDirectorで制作するのがベストではないか」という意見。
コンパイルやデバグの問題は社内でなんとかクリアできるのではないかとおっしゃってくれた。
さらに、テキストと写真部分についてはスマイルというプログラム(???僕の理解を超えていて理解不可能???)を使って社内でオーサリングし、金子さんには経験を生かして3Dやアニメーションのムービーに注力してもらう方がいいのではないかというご提案をいただいた。
また、まもなくスタートするインターネット放送との連動も検討して下さっているという。
今のところの僕の理解では、例えば僕がムービーで録画した授業風景をインターネット放送のサーバに置いておいてCD-ROMのリンクから好きなときにアクセスすることも可能になる。
動画が使えるとなったら他にどんなことが可能になるのだろう?
技術的にチンプンカンプンの僕のために資料を送っていただくことになった。
「こんな映像が見たい!」というリクエストがあったらぜひお寄せ下さいね。
さっそく金子さんにも電話。
3Dやアニメーションのムービーに集中できるならそれはありがたいとのお返事。
ただ僕としてはテキストと写真部分についても金子さんのデザインコンセプトを生かせないかと思う。
「なんか、全体イメージが浮かぶようなグラフィックを作ってもらえませんかね?」という僕のお願いに金子さんは「じゃあ、それっぽいアイコンや背景のグラフィックを作ってみようかな」と答えて下さった。
う〜ん、金子さんっていい人だなぁ。
マルチメディアの重要な要素である音楽についても、篠原さんの友人のプロミュージシャンの方が厚意で作ってもいいとおっしゃってくれているという。
さすが元音楽業界、人脈が豊富だ。
それにしても素晴らしい人たちに囲まれた僕は幸せ者だとつくづく思う。
肝心の日記がつまらないなんて言われないように頑張らなくっちゃな。
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