「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

98年夏休み編1
(1998年7月31日〜)

7月31日(金)

久しぶりに目覚まし時計をセットしないで起床。
ああ、よく寝た。

今日から夏休み。
まるまる1ヶ月何もすべきことがないというのはよく考えたら高校生の時以来。
いや、高校時代だって部活動やら受験勉強やらやるべきことが何かしらあったから、本当に何もない夏休みなんて何十年ぶりだろう。
ものすごい解放感だ。

午後3時30分。
この夏休み唯一の義務である科目登録の時間がやってきた。
California State University, NorthridgeではTTR(Touch-Tone Registration)という電話による科目登録を採用しており、僕の登録時間が3時半にスタートするのだ。

結局、アカデミックアドバイザーとはその後連絡がとれず、僕は最終的に「自分が勉強したい科目を取る」方針を固めていた。
ブックストアで購入したカタログを見て選んだのは次の3教科。

English 090 Extemporaneous Expository Writing。
これはおそらく全留学生に義務づけられているであろう科目。
合格通知に「最初の学期にEnglish 090を取らなければならない」と書いてあったし、アドバイザーもそう言っていた。
California State University, Northridgeでは学部3年生以上の科目を取るのにUpper Division Writing Testという論文試験が課されているのだが、その準備のための授業のようだ。
カタログには「テストコンディションの元で効果的な説明論文が書けるような実習」と書いてあるから、授業中にかなり書かされるのだろう。
宿題も相当量覚悟しなければならない。
秋学期最大の難関だ。

次にRTVF(Radio-TV-Film)361 Computer Fundamentals for Multimedia。
直訳すれば「マルチメディアのためのコンピュータ基礎講座」。
カタログには「マルチメディア制作やデスクトップビデオに必要とされるコンピュータの基礎やソフトの使い方の学習」と書かれている。
僕の志向より若干技術寄りである気もするが、英語力が万全でない現段階ではかえってこういう科目の方が参加しやすいような気もする。
それに技術を理解しておくのも無駄ではなかろう。
心配なのは授業で使うコンピュータが全部Windowsだったらどうしようということ。
Macしか使ったことのない僕にとっては大ピンチ。
週に6時間というのは他の科目の倍以上のボリュームだ。

そして最後にRTVF(Radio-TV-Film)362 Corporate and Instructional Media。
直訳すると「企業と教育のメディア」。
「企業や教育、医療の現場で今起きているメディア問題の学習。視聴者ニーズや制作、流通、利用形態や評価について研究する」とカタログには書かれている。
なかなか面白そうだ。
それに来学期以降に取ろうと思っているマルチメディア関係の科目のPrerequisite(前提条件)となっているのでこれは必修なのだ。
さらにエンタテイメント関係のケーススタディーができれば完璧なのだけれど。

各3単位なので合計9単位。
大学院留学生としての資格を維持するために必要な8単位(学部留学生は12単位)をかろうじてクリアした。
最初の学期はとにかくついていくだけで精一杯だろう。
英語の力が身に着けばもう1コマや2コマ余分に取ってもいいのだろうが、今の僕にその余裕はない。

心配していたTTR(Touch-Tone Registration)は意外に発音がクリアだったこともあり、スムーズに終了。
授業が始まるのは8月31日。
期待と不安が胸の中でグルングルンと渦巻いている。

8月3日(月)

夏休みに入ったとたんに気が抜けてしまい、更新をさぼってしまった。
何もすることがないというのもかえってペースが掴みにくいもんだ。
朝はゆっくり起きて新聞と本を読み、テレビ番組を集中して見て、英語の勉強をする。
そんな毎日が続いている。

そんな中、飛び込んできたのはびっくりするようなニュース。
何と、知り合いがギャングに襲われたというのだ。

彼はL.A.に数年間暮らしている日本人留学生。
アパートの前に停めてあった自分の車に乗り込もうとしていたところを数人組の男に襲われたのだ。
「Excuse me」とまるで道を尋ねるかのように近づいてきた賊は突然催涙スプレーを彼に浴びせかけ、財布を奪い車で逃走したという。
殴られたり撃たれたりせず、奪われた財布には現金が十数ドルしか入っていなかったのが不幸中の幸いだが、治安が特に悪いと言われているエリアでもなく、しかも白昼堂々の犯行。
改めてL.A.は東京とは違うのだと思い知らされた。

アパート探しをしているとはっきり分かるのだが、同じようなアパートでもエリアによって値段が倍以上違うことがある。
これは明らかに“安全料”の差だ。
普通のアパートや駐車場にはセキュリティーゲートが備え付けられているのだが、家賃の高いエリアはそれがない物件が多い。
それだけ安全だということなのだろう。

治安の良くないエリアには行かないのが一番の防御策なのだろうが、道を一本はさんだだけで雰囲気がガラッと変わってしまうことも多く、一概にどこが危ないと言い切れないのがやっかいなところだ。

「安全と水はタダではない」
そんな使い古された言葉をしみじみと実感する今日この頃だ。

8月4日(火)

午前10時起床。
新聞を読みながら朝食。

インターネットでアパート情報をチェックするがめぼしい物件はない。
今のアパートを出るまであと10日しかないのだが、大丈夫なんだろうか。
と思いながらも外出する気にもならず、英語の勉強。

日本にいる友人に「暮らしで見つけたやさしいアメリカ日常語」アルク)という本を送ってもらったのだが、これはなかなかいいと思う。
シリーズで7冊も出ているので全部読破するのはかなり骨が折れるが、なんとか夏休みのうちに終わらせたい。

本を読むのに疲れたら、今度はテレビ。
こちらのテレビにはクローズドキャプションという字幕の機能が付いているので、耳で英語を聞きながら一所懸命字幕を目で追う。
ただ、ニュースなど生放送ものは字幕が少し遅れて出るので勉強には不向きかも。
セリフと字幕がほぼ同時に出るドラマなどの録画ものの方がやりやすいと思う。

夕方、篠原さんから電話。
以前から機会があったらやろうと言っていたテニスの誘いだ。

こちらには町内会に1つといった感じでテニスコートがあり、使用料は無料。
特に予約が必要なわけでもなく、行って空いているコートを順番に使うという大らかさだ。
もちろん、ナイター設備も整っている。

テニスコートの隣には野球場が4面。
その隣にはバスケットボールのコートもある。
そういえば、よく子供たちが使っているが、これだけ環境が整っていればスポーツも強くなるわなぁ。

昔取った杵柄とばかりに軽く2時間ほど汗を流したら膝がガクガク。
運動不足はいかんともしがたい。

8月5日(水)

午前10時起床。
昨日のテニスで全身が筋肉痛だ。
特にお尻のエクボとふくらはぎは鉛の粘土(何だそりゃ)を入れたように痛重たカユイ。

こんな日は外出しないに限る、と自分に言い訳をして読書を決め込む。
新聞2紙、篠原さんから借りた単行本を1冊、そして「暮らしで見つけたやさしいアメリカ日常語」アルク)のパート1を読み終わる。

うん、これはけっこう役に立つかもしれない。

最後に村上春樹の「やがて哀しき外国語」(講談社文庫)を読破。
これは彼がニュージャージー州のプリンストン大学にいた2年半のことを書いた本。
彼は留学生ではなかったし、地域も時代背景も違うのだが、それでも時々「うん、あるある」というエピソードが盛り込まれている。
中でも一番共感できたのは「あとがき」だった。

活字中毒の僕にとって、読書しているのが至福の時間だ。
これが英語の活字でもそうなる時が来るのだろうか。
ああ、アパート探しもそろそろ本気でやらなければならないなぁ。

8月6日(木)

午前10時起床。
インターネットでアパート情報をチェックするも、めぼしい物件なし。
期限が8日後に迫っているのにこのままじゃいかんと出かけることにした。

次のアパートの条件は秋からの通学路となるフリーウェイ405号線(I-405)の入口に近いこと。
フリーウェイ10号線(I-10)との交差地点は渋滞の名所なので、それを避けてさらに北側のエリアを狙っている。
と言っても、この辺りは北へ行けば行くほど家賃が高くなる(つまり治安もいいということなのだけれど…)ので、ほどほどのところで妥協しなければならない。
予算はズバリ$800以下。
できれば大通りではなく交通量の少ない道に面している物件が希望だ。

間取りは広目のStudioか1Bedroom。
Studio又はBachelorというのが日本でいうワンルームのこと。
1Bedroomというのはリビングに寝室がついた1LDKのことだ。

これまでにもインターネットの情報を元に何度か足を運んでいるSawtelleというエリアに狙いを定め、車を降りてテクテク歩き回る。
この辺なら何とか予算内の物件があるはずだ。
アパートの前に「Vacancy」という表示があれば空室あり。
管理人が常駐していればその場で部屋を見せてもらえる。

最初は「英語が通じなかったらどうしよう」とおどおどしていたのだが、何件か見せてもらっているうちに度胸もついてくる。
2時間ほど歩いて見つけたのがこの物件。

外観もこぎれいだし、目の前の通りの交通量も少ない。
うん、なかなかいいぞ。

さっそく管理人を訪ねて行くと呼び鈴を鳴らしてもなかなか出てこない。
おかしいなぁと思っていると、ちょうど他の下見客を案内し終わって帰ってくるところにばったり出会う。
うむ、先客がいたか。

「あなたも部屋を見たいの?」「イエス」
管理人から申込書を受け取っていた先客は何と日本人だった。
「たぶん僕ここに決めますよ」
あちゃ〜。やられたか。

それでも、一応部屋を見せてもらう。
ごく普通の1Bedroomでカーペットもクリーニング済み。
角部屋で日当たりも良さそうだ。
何といっても冷蔵庫がついているのがいい。
唯一の難点はコンロがガスではなく電気だということだ。
家賃を尋ねると何と$700ちょうど。
このエリアでこの値段なら全く文句はない。

「申込書、持っていく?」
でも、さっきの先客がここに決めるって言ってたしなぁ…などと躊躇してると、管理人は「一応持って行きなさいよ」と申込書をくれる。

いったん家に帰り申込書に記入して、自称“他人のアパート探し名人”篠原さんを誘ってもう一度物件を見に行く。
「ここで$700なら文句ないでしょう」
名人のお墨付きをいただいたので申込書を提出する。
どうやらさっきの先客はまだ来ていないらしい。
よし、早い者勝ちだ!

ところが、その場で手付金を払って仮押さえができるのかと思いきや、そうではないらしい。
「管理会社から2〜3日のうちに電話が行くと思いますから」
何ぃ、書類審査があるのかぁ!?

名人曰く「留学生で家賃を滞納するケースは少ないはずだし、日本人は金払いがいいと思われてますからたぶん大丈夫でしょう」とのこと。
だが、ここにきて新たな不安が首をもたげてきた。
「管理会社からの電話が聞き取れなかったらどうしよう…」
さあ、結果ははたしてどうなるのか!?

テレビはどこもモニカ・ルインスキーの話題で持ちきりだ。

8月7日(金)

たまには映画でも見ようとMarina del Reyの映画館へ。
ちょうどいいタイミングで始まろうとしていた「リーサルウェポン4」を見ることにした。

料金は大人1人$5ちょうど。
ただでさえ日本より安い上に、やる気になれば同じ館内で上映している映画をいくらでもハシゴできてしまう。
(ホントはいけないんだろうけど、実際にはやっている人がいっぱいいる)
映画という娯楽がアメリカであらゆる人に愛されているのはこの値段の安さも大きな理由なのだろう。

アクション映画だから英語が分からなくても何とかなるだろうと思っていたのだが、思った以上に英語が聞き取れない。
確実に聞き取れたのは劇中の中国人がしゃべるバリバリ中国訛りの英語だけというありさま。
言語不要のアクションは分かるが、登場人物が何に怒り、どんないきさつで、何故そう行動するのか全く分からないのだ。
う〜ん、情けない。

あまりのふがいなさにアパートに帰ってきて録画してあるドラマのビデオを何度も何度もくり返し見る。
1回目。字幕なし。理解度10%。
2回目。字幕あり。理解度50%。
字幕付きで5回見てやっとストーリーが把握できる。

留学の先輩たちは一様に「耳は慣れますよ。最初の1年間は泣いて下さい」と笑って言う。
彼らにとって目下の課題は「自分の考えを思った通りにしゃべる」ことらしいのだが、僕の場合、しゃべる以前に聞き取れない。
渡米からまもなく3ヶ月が経とうとしているというのに、である。

こんな調子で秋からの授業についていけるのだろうか?
悩んでいるだけでは何も解決しない。
寝る前にもう1本映画のビデオを見ることにしよう。

8月8日(土)

朝10時起床。
英語の勉強を始める。

昨日寝る前に見たビデオは「恋人たちの予感」(原題「When Harry Met Sally」)。
不思議なことに字幕なしで見ても60%くらい理解できるのだ。
特にメグ・ライアンの英語はクリアでとても聞き取りやすい。
「リーサルウェポン4」との違いは何なのだ!?

夜、篠原さん、Mikioさんに僕を加えた“三十路トリオ”(笑)がお招きを受けてKaoruちゃんの家で餃子パーティー。
そこで「リーサルウェポン4」が全然分からなかったという話をすると、何とMikioさんもダメだったという。
映画専攻でもあり3人の中で最も映画を見ている篠原さんによれば、刑事モノと法廷モノはスラングや専門用語が多く、聞き取りが難しいとのこと。
それでも「リーサルウェポン4」で50%は理解できたというのだからすごい。

明日、コリアタウンにランチを食べに行く約束をする。

8月9日(日)

朝8時半起床。
夏学期ESLのクラスメイトAkihiroの引っ越しを手伝いに行く。
彼はホームステイしていたのだがホストファミリーとの折り合いが悪く、契約を途中で破棄して出ていくことになったのだ。

ホームステイというと善意のボランティアというイメージがあるが、実際はそうではない。
契約に基づいて家賃を払い部屋を貸してもらうという、れっきとしたビジネスなのだ。

Akihiroの場合、部屋代と夕食代ということで月に$400の家賃を払っていたのだが、ホストファミリーが夕食を作ってくれないことも多く、しかもホストブラザーが夜中まで騒いでうるさいのでとても勉強できる環境ではなかったという。

もちろんそうでないケースが大部分なのだろうし、ホームステイで素晴らしい経験をしたという話もよく聞く。
しかし、ホストファミリーも人間である以上、Akihiroのようなことがないとは限らないのが現実なのだ。

無事、引っ越しを終えて昨日の約束通りランチにくり出す。
ダウンタウンの西、ミッドウィルシャーの一角にあるコリアタウン。
I-10をVermontで降りてひたすら北に向かって走っていくといつの間にか店の看板がハングル文字ばかりになってくる。
決して治安が良さそうには思えないが、エリアの面積はリトルトーキョーよりずっと広い

こちらのフリーペーパーに紹介されていた店(店名失念失礼!)に飛び込みで入り昼間から焼き肉!
これがうまい!
換気がうまく働かず炭火の煙が目にしみるのはご愛敬だが、上質な肉と本場のたれ、それに手作りのキムチが最高だ。
それでいて値段は1人チップ込みでたったの$15。
東京でこれだけの肉を食べたら1人1万円は下らないだろう。

日本から友人が遊びに来たら連れていきたい店のレパートリーがまた1軒増えた。

8月10日(月)

朝9時ちょうど。電話のベルで叩き起こされる。
誰だよ、こんな早くに…。
寝ぼけながら受話器を取ると「はろ〜。でぃすいず●△□×※。なんたらかんたらアパートメント−−−−」
あっ、申込書を出してきたアパートの管理人さんからだ。
一気に目が覚める。

我が家で電話を取るとき、一応「Hello?」とは出るものの、これまで英語で電話がかかってくることはほとんどなかった。
英語で電話をかけなければならないケースは何度かあったが、こちらからかける分には心の準備というものがある。
実際には伝えなければならない内容を英作文のメモにしてからかけられるし。
だが、今回の寝起きを襲う電話にはあたふたしてしまった。

必死で聞き耳を立てるとどうやら「あなたに入居してもらうことになりました」「マネーオーダーを作って来て下さい」「他に待っている人もいるので早く決めて下さい」ということらしい。
とにかく「サンキュー」と答える。
「入居希望日はいつですか?」「今週の木曜か金曜を予定しています」
「マネーオーダーの受取人は…」「スペルは何ですか」
「決めていただけるなら今夜にでも電話で教えて下さい」「分かりました」
というような会話を寝ぼけながらしていたらあっという間に終わってしまった。

ふぅ。
何とか概要は聞き取ったつもりだが、細部には自信がない。
特にマネーオーダーの金額と受取人のスペルを間違えてしまったら目も当てられない。
銀行に行く前に直接会ってもう一度確認しよう。
と思った瞬間に睡魔が襲ってきて二度寝してしまった。

昼過ぎに起き出して、さっきの電話メモを片手にアパートを訪ねる。
インターホンを鳴らすと管理人さんの奥さんらしき人が顔を出した。

「109号室の入居を申し込んでいる者です。今朝、ご主人からお電話をいただいたのですが、いくつか確認したいことがあって…」
用意してきたメモを見せながら受取人のスペルと金額を確認してもらう。
「これからマネーオーダーを作って、明日の午後もう一度参ります」
「My name is Suzuki. See you tomorrow!」
奥さんはニッコリ笑っている。これで大丈夫だろう。

その足で口座を持っているBank of Americaへ。
郵便局ならマネーオーダーを作る手数料が安いのは知っていたのだが、$1000以上の現金を持ち歩きたくなかったのだ。
銀行なら自分の口座からその場で引き落としてもらえば済む。

列に並ぶこと10分。
マネーオーダーを作りたいと伝えると、自分宛にその金額の小切手を切るように言われる。
そうか、引き落としじゃなくてそうやるのか。
それなら郵便局でも同じだったかな?
ともかく入居月の家賃$700とセキュリティーデポジット(保証金)$645の計$1345の小切手を作ってもらう。
手数料は$6だ。

あとは明日このマネーオーダーを持って行けばいいだけだ。
「今夜、電話を下さい」というのはすっかり忘れていたけれど、大丈夫かなぁ。
奥さんに直接言ったから大丈夫だよな。うん。

8月11日(火)

午前10時起床。
新聞を読みながらゆっくり朝食をとり、“テレビ集中視聴法”で軽く英語の勉強をする。
朝のニュースワイドショーが終わるとどこの局もメロドラマ一色だ。

午後1時、約束通り新居となるアパートを訪ねる。

管理人さんの部屋のインターホンを鳴らすが返事がない。
どうやら不在のようだ。
玄関にはメモが貼ってあるのだがスペイン語のため理解不能(管理人さんはヒスパニック系らしい)。
唯一分かるのは「15」という数字なのだが、これが「15分で戻ります」なのか「15時に帰ります」なのか、はたまた「15日まで不在にします」なのか全く分からないのだ。

もしかしたら昨日電話しなかったから他の申込者に決めちゃったんじゃないだろうか。
急に不安が首をもたげてくる。

玄関でひたすら待つこと30分。
やっと管理人さん一家が車で帰ってきた。
「マネージャーのLeoです。お待たせしてすみません」
「鈴木です。お電話ありがとうございました」
ああ、良かった。忘れられてなかった…。

さっそく管理人さんの部屋に入れてもらって契約書の確認。
「これを読んで問題なければサインして下さい。ゆっくり読んでいいですよ」
Leoさんはとても気さくで優しい。

家賃は$700(水道代を含む)で毎月1日に払うこと。
駐車場は1台分。決められたスペースに停めること。
夜10時以降は騒がないこと。
といった契約条件を一通り読んでサインする。
昨日作ったマネーオーダーを渡して領収証を受け取る。

「When can I get my room key and…」と聞きかけたところでLeoさんが「Now!」と笑いながら鍵と駐車場のリモコンを渡してくれた。
Leoさん一家は明日から2週間のバケーションに出かけるそうで、「書類上は15日からとなってるけど、いつでも好きな時に入居していいよ」と言ってくれた。
管理人さんがいい人のようで一安心だ。

アパートに帰って片っ端から電話をかけて住所変更の手続き。
ローカル電話会社、電気水道局(Department of Water and Power)、銀行、ケーブルテレビ会社、クレジットカード会社、新聞配達会社、自動車保険会社…。
渡米からたった3ヶ月だが、いろいろなものが現住所と関係している。
最初はおっかなびっくりだったが、僕のつたない英語でも何とかなるもんだ。
留守電になっていたケーブルテレビ会社以外は住所変更を完了した。

さらに、郵便局でもらってきた郵便物転送手続きのハガキを記入して投函。
運転免許証と自動車登録用の書類を記入して、あとはDMVに提出するだけだ。

実際の引っ越しはあさって13日の予定。
手伝ってもらえそうな仲間たちに電話しなければ。

8月12日(水)

午前10時起床。
朝食の後、さっそく引っ越しの準備を始める。

たった3ヶ月とはいえ、けっこう荷物は増えている。
写真の中央に見える銀色の物体はスーパーマーケットのカート。
アパートの駐車場に転がっていたのを拝借してきたものだ。
おそらく誰かが引っ越しの時に使ったものだろう。
これがあるとけっこう便利なのだ。

ケーブルテレビ会社に電話して移転を告げる。
引っ越し先も同じ会社なので話は簡単だ。
金曜日の10時から14時の間にセッティングに来てくれることになった。

一通り荷物をまとめたところで新居の電源を入れに行く。
明日、持っていった食料品をすぐに冷やせるように冷蔵庫のスイッチを入れておかなければならないからだ。


これが半地下の駐車場。
入口にセキュリティーが付いていて、リモコンでガラガラと開けるようになっている。


エントランスはこうなっている。
入口がガラス張りで2階が吹き抜けになっているので明るく開放的だ。
階段の左側にあるのは郵便受け。


これがリビングルーム。
10畳くらいはあるだろうか。
全然明るくないシャンデリアらしき照明が備え付けになっている。
昼間の日当たりは最高だ。


これがキッチン。
一人暮らしには十分すぎるほどの収納スペース。
食費節約のためけっこう自炊する僕としては電気コンロが唯一の不満だ。


6畳くらいのベッドルーム。
ベッドは買わずマットレスのみにするつもりだが、広さは十分だ。


バスルーム。
シャワーカーテンの代わりにガラス戸がついている。

家賃がもう少し安ければ文句なしなのだが、治安のことを考えるとやむを得ない。
周囲の環境や雰囲気はかなり気に入った。
不自由がなければ恐らくここが僕のこれから2年間の住みかとなるだろう。

冷蔵庫のスイッチを入れて帰宅。
引き続き荷物の整理。

明日はいよいよ引っ越し。
新居の電話回線がつながるまでメールチェックとホームページの更新ができないかもしれませんのでどうかご了承下さい。
こう考えるとインターネットって僕にとって本当の意味でライフラインなんだなぁ。

「コミカレESL編3」  「98年夏休み編2」