「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

大学院99年春10
(1999年5月1日〜)

5月1日(土)

な〜んにもする気が起こらない。
一日中ダラダラ。

5月2日(日)

ダメだぁ〜。
留学生活1年目にして最大のスランプ。
勉強どころか何にもする意欲がわかない。
一応、ファイナル論文に手をつけてはみたものの、1時間で放り出してしまう。

夕方、Mikioさんを無理やり誘ってPink'sのハンバーガーで夕食。

春学期終了まであと3週間だというのに…。

5月3日(月)

午前11時起床。
気分転換を兼ねて7月に期限が切れるパスポートの申請をしに行くことにした。

まずは近所の写真屋でパスポート用のポラロイド撮影。
なんだかヌボ〜ッとした写真映りで気に入らなかったのだけれど文句を言うわけにもいかない(笑)。
2枚で$8.66を支払い、車でダウンタウンへ。

在ロス・アンジェルス日本国総領事館はビジネス街のど真ん中、高層ビルの17階ワンフロアを占めている。

部屋の中に入っていくと、数台のテレビカメラが撮影に来ていた。
ン? 何か事件でもあったのか!?
さりげなく聞き耳を立てていると、今日から始まった在外選挙人名簿の登録申請手続きを取材に来ているようだ。
どうやらこの制度を実現するために運動してきた人たちがまもなく手続きにやってくるらしい。

これまで外国に住んでいる日本人は選挙(もちろん日本の)に投票することができなかったのだけれど、簡単な手続きさえすれば国政選挙の比例代表のみ投票できることになったのだ。
外国に住んでいるというだけで選挙権が奪われていたこれまでの制度がヘンだったわけで、外国にいても、いや外国にいるからこそ日本のことを真剣に考えている人もたくさんいるはずだ。

僕の場合はそこまで真剣というわけじゃないけれど(笑)、せっかくだから登録申請してみることにした。
書類に名前と住所を書いて身分証明書を見せるだけで手続き完了。
これで2000年5月1日以降に行われる選挙に投票できることになる。

続いて10年有効のパスポートを申請。
署名はローマ字にしてみた。
あのヌボ〜ッとした写真を今後10年使うんだ、ということに窓口の前で気がついた。
う〜む、万事休す(笑)。

受け取りは17日以降とのこと。
2週間ならまあまあかな。
アメリカのお役所と違うから、その辺はきちんとやってくれるだろう。

帰り道、少し遠回りしてサンタモニカ・ビーチ。
1時間ほどヌボ〜ッと海を見ていた。

アパートに帰ってファイナル論文。
気分転換が功を奏したのか、少しエンジンがかかってきた。
日本語の草稿を書き終えて、英文に取りかかる。
とりあえず3ページ半。
なかなか集中できたと思う。

よし、この勢いでスランプ脱出だ!

5月4日(火)

午前9時起床で学校へ。
New Direction in Electronic Mediaの授業だ。

今日のお題は「我々は自分の人生を解釈する作業をコンピュータに任せつつある」。
しかし、プレゼンを担当するはずの2人は教室にいない。
おそらくこのクラスをドロップしてしまったのだろう。

どうするのかなぁ、と思っていたら1人のクラスメイトがプレゼンを始めた。
ンン? どうして自分の担当でもないのに準備してあるの?
と不思議に思っていたらJin-Kyuが「2つ目のThink Piece(問題提起のためのペーパー。つまりプレゼン原稿)やった?」と聞いてきた。
ええっ、2つ目なんて聞いてないぞ!

どうやら僕の集中力がとぎれている間に教授が「Think Pieceをもう1つ提出せよ」と言ったらしい。
日本語ならいくらボ〜ッとしてても大事なことは耳に入ってくるけれど、英語だとそれが大事なのかどうかすら分からない(笑)。
どうやら課題の発表を聞き逃していたらしい。

う〜む、こりゃヤバイぞ。
あと2週間の間にファイナルとThink Pieceを両方書かなければならないなんて。

議論はY2Kから始まって、人工知能、各人が望む情報だけを収集してくれるインテリジェント・エージェント、「人間とコンピュータの違いはどこにあるのか?」まで。
コンピュータについて語ろうとすればするほど人間について深く考えなければならなくなって、なかなか面白い。

「人間とコンピュータのコミュニケーション」に話題が及んだとき、クラスメイトの1人が「ターミネーター2」を例に挙げ、「一度正しいとインプットされるとリスクをおかしてでも愚直にやるのがコンピュータだ」と発言する。
あの映画では確か最後にシュワルツェネッガー演じるサイボーグが「悲しい」という感情を「学習」したんだよな。

僕は「日本では借金の申し込み窓口に無人のコンピュータ(「無人くん」みたいなやつ)が導入されて利用者が激増した。場面によっては対人間よりも対コンピュータのコミュニケーションを選ぶこともあるんじゃないか(ホントは裏で人間が対応しているらしいけど)」ってな問題提起をしようと思ったのだけど、例によってタイミングを逃してしまった。
その後、かろうじて発言1回。

教授いわく「人工知能はまずエンタテイメント分野で実用化されるだろう。必要な反応や学習の範囲が限られているからだ」。
うん、賛成。
中でもアダルト関連の分野からじゃないかと僕は密かに思っている。
VHSがβより普及したのはAVのラインナップが充実してたからだし、ダイヤルQ2の普及もそうだ。
インターネット課金システムの最先端技術はアダルトサイトの業者が開発したという話も聞いたことがある。
やっぱりエロは万国普遍のニーズなんだよな。

帰宅してJavaScriptの課題に取りかかる。
入門書のソースをいじくりまわしてこんな「作品」を作ってみた。
題して「月の動きを自由に操作できる秘密研究所」!

/

月の軌道がちょっとゆがんでいるのはご愛敬。
発表日がスターウォーズ公開の翌日だからBGMにスターウォーズのテーマなんていうのもいいかもな。
とりあえずこちらはメドがついたので明日からはファイナルとThink Pieceに全力投球だ。

よしよし、スランプから着実に脱出してるぞ。

5月5日(水)

午後1時起床。
目覚ましをかけずに寝たらこんな時間まで熟睡してしまった。
やっぱり疲れがたまってるのかな。

今日のL.A.は快晴。
気温も26度まで上がるとニュースが言っている。
が、僕はアパートに閉じこもって勉強。
ひたすらMacに向かってレポートを書く。

夕方、ヤオハンに買い物に行く車中でニュースラジオを聴いていたら、Yahoo!のCMが流れてきた。
台本風に書くとこんな感じだ。

レストランの店内。
上品なBGMが流れ、ワイングラスの触れあう音。

男「(うわずった声で)Will you "www." marry me?」
女「えっ、何?」
男「(さらにうわずった声で)Will you "http://" marry me?」
女「ごめんなさい。何ですって?」
男「(もっとうわずった声で)Will you ".com" marry me?」
女「(怒って)何言ってるんだか分からないわ。私、帰らせてもらいます!」

ナレーション「Yahoo!をブックマークしておけばわずらわしいURLを入力しなくても欲しい情報に一発アクセス!」

思わず吹き出してしまった。

こちらのラジオでは「詳しい情報は『ダブリュダブリュダブリュ・なんたら・ドットコム』で」というCMがやたらに多いけれど、それを逆手にとったわけだ。
「プロポーズの時に"www."なんて言うヤツぁいね〜よ!」と何人がラジオの前でツッコミ入れてるだろうか?
う〜ん、面白い。

このCMの直後に流れた「最新ニュースは"www.kfwb.com"!」というステーションジングルは狙いだったのか!?
まさかね。

夕食の後引き続きレポート書き。
合計6ページまで完成。
うん、この調子でいこう。

5月6日(木)

午前9時起床で学校へ。
Computer for New Mediaの授業だ。

時間ちょうどにGotthoffer教授が教室に入ってきた。
が、いつもと違って暗い表情をしている。
学生たちの方に近づいてきてとつとつと語りだした。
「キミたちには申し訳ないけれど、私は今学期いっぱいでCSUNから去ることになった…」

あ然とする学生たちに教授はいきさつを説明する。
今後の学部の方向性について学部長や他の教授たちと意見が合わなかったのが理由だという。
「マルチメディアの分野は次々に新しい技術が生まれている。当然、教える内容や方法もそれに合わせてアップデートすべきだと私は主張したんだけれど、それが分かってもらえなかったんだ」

すでに発表されている秋学期のカタログには当然教授の名前も記載されている。
このクラスの学生たちはほぼ全員がマルチメディア専攻だから、教授の授業を楽しみにしていたはずだ。
「じゃあ、私が取ろうと思っていたクラスはどうなるんですか!」
「学部長に抗議しにいこう!」
「どうしたら翻意してもらえますか?」
まるで青春ドラマの一場面のように学生たちが熱くなっている。
誰もがGotthoffer教授の優秀さを認めているのだ。

マルチメディアをテクノロジーとしてではなく「論」として語れる人材は少ない。
教授がいなくなったら彼が担当するはずだったクラスは全てキャンセルになる可能性もある。
マルチメディア専攻の学生にとっては自分の進路に関わる一大事なのだ。

「心から残念だが、事態はもう変わらないんだよ」
そう言う教授の目は潤んでいる。
「当面はUSCでのPh.D.修了に努力しながら他の学校で教えるチャンスを探すつもりだ。聞きたいことがあったらいつでも個人的に連絡してくれ。喜んで教えるよ」

渡米から1年、公私ともに最もお世話になったGotthoffer教授だけに僕のショックも大きい。
それにしても個人主義の国アメリカでさえ「出る杭は打たれる」ということがあるんだなぁ。

「さあ、授業を始めよう!」
いつもより張りのある教授の声が教室に響き渡った。

5月7日(金)

正午起床。
もう今週からCoffee Hourがないので部屋に閉じこもってレポート書き。

1時間集中して2〜3パラグラフ書くのがやっとというスローペース。
ヘタすれば1パラグラフということもある。
しかも書いているうちに前後関係の脈絡が分からなくなって頭がグチャグチャになることもしばしば。
きちんと日本語の下書きを作ってあってもそうなんだからいやになっちゃうよなぁ。
合間にとる休憩時間がだんだん長くなってくる。

それでもなんとか頑張って合計13ページのレポート終了!
気がついたら朝の5時を回っていた。
ハァ、そりゃ疲れるはずだ。

「トゥナイト2」の橘ディレクターから「来週L.A.で行われるE3(Electronic Entertainment Expo)の取材に行けそうだよ。メシ奢るからロケ手伝ってね」とメールが届く。
取材がなくても見に行こうと思ってたイベントだから、この申し出は大歓迎。
これで食費が浮くな(笑)。

5月8日(土)

正午起床。

昨夜なんとかレポートを書き終えたので、今度はThink Pieceにとりかかる。
お題は「国際的機関たるアメリカ政府はインターネットを管理、規制、コントロールする権利(筋合い)はない」。
これに賛成または反対の立場から立論せよ、というものだ。
僕はこんな論を展開してみた。

インターネットはアメリカで生まれ、アメリカの価値観や文化を色濃く反映している。
利用者もアメリカが最も多く、アメリカ政府が規制に責任を持つべきだという意見もあるが、事態はそう単純ではない。

インターネットに反社会的な情報が流布しているのは事実だ。
しかし、一方で表現の自由が尊重されているのもインターネットの特徴である。
1996年、アメリカ議会はインターネットのわいせつ・暴力表現を規制すべく通信品位法を制定しようとしたが、連邦最高裁はこれが違憲であるという判断を下した。
政府による規制の必要性より表現の自由を重んじた結果であり、妥当な判決だと思う。

さらに、インターネットには国境がないので一国の規制を適用するには無理がある。
例えばドイツではネオナチの活動が禁じられているが他国ではそうではない。
インターネットで活動するネオナチを取り締まるためにドイツ政府ができたのは他国に協力を「要請」することでしかなかった。
チャイルドポルノについても同じである。
人権上の理由から厳しく規制する国もあれば、歴史的に寛容な国もある。
これらは文化の違いであり、特定の国の文化を一律に強制するのは事実上不可能と言えるだろう。
また、そうすることはインターネットの多様性やダイナミクスを削ぎかねない。
アメリカで生まれたインターネットはもはやアメリカだけのものではないのである。

我々が今考えるべきなのは国際的なルール作りである。
インターネットを利用する全ての国が議論し、合意できる基準を作る時期が来ている。
アメリカ政府はこの議論においてリーダーシップを発揮できるだろう。

こんな内容で約2ページ。
不思議なものでスラスラと筆が進む。
このくらいの長さなら全体構成が見渡せるというのが大きいのだろう。
そりゃ、13ページとは違うわな。

夕方、食料、本、テレビ番組のビデオなど日本からの救援物資をお裾分けしてもらいにMさんのアパートへ。
いやぁ、まったくありがたい。

USCの教授からメールが届き、もう1人アポがとれた。
面会は火曜日の午後4時だ。
改めて出願書類を整理していたら一部の書類に「秋学期の出願〆切は5月1日」という記述を発見!
おいおい、冗談だろ。
もう過ぎちゃってるじゃんか。

ホームページや他の書類には「7月1日」と書いてあるから大丈夫だろうけど、急に心配になってきた。
火曜日に事務所で再確認して、できるだけ急いで出願しなくちゃな。

5月9日(日)

午後2時半起床。
いったいいつまで寝てるつもりなんだ(笑)。

とりあえずファイナルの第一稿とThink Pieceを書き終わったので気楽な日曜日。
部屋の掃除や洗濯なんかしてみたりして。

夕方、New Direction in Electronic MediaのクラスメイトMarikoちゃんから電話。
彼女は今週がプレゼン担当で「アメリカ政府はインターネットを規制すべきだ」という立場からスピーチする予定なのだが、論理展開がうまくまとまらないという。
参考になればと僕のレポートをメールで送る。
論旨はちょっと違うけど役に立つかな。

一昼夜寝かせた13ページのレポートを再チェック。
間を空けて読み返すとより適切な表現を思いついたりするから面白い。
力技の展開もより論理的に書き直す。
自分としてもまあまあの出来だろう。

完成したレポートをクラスメイトのJamesにメールで送り、英語のチェックをお願いする。
学校にも留学生のレポートをチェックしてくれるチューター制度があることはあるのだが、予約が必要な上、1回30分という時間制限がある。
さすがに13ページを30分で見るのは無理だろう。
ということで「オレがチェックしてやるから遠慮するな」と言ってくれるJamesの好意に甘えてしまうのだ。
サンキュー、James、恩に着るよ。

USC出願の書類を整理していたらまたもや大変なことに気がついた。
去年の出願に使った財政証明(銀行の残高証明)は日付が古すぎるのだ。
新しく作るにしても残高が足りない!
こりゃ、困ったぞ。

L.A.からシティバンク渋谷支店に出向いて残高証明を頼むわけにもいかない上、テレフォンバンキングが今月から有料の国際電話になっている。
とりあえず見せ金を作るため実家から一時的にお金を振り込んでもらい、ついでに残高証明も頼むことにした。

はあ、何度やっても出願っていうのはめんどくさいよなぁ。

5月10日(月)

午前10時起床。
ゆっくり朝食を取った後、夏休みに一時帰国する飛行機のチケットを買うべく歩いて近くのH.I.S.へ。

格安航空券だとショップによって若干値段が異なるが、マイレージのアップグレードに必要な正規割引運賃ならどこで買ってもほぼ同じ。
万一の時に帰りの便を変更できるというのも安心だ。

ユナイテッド航空のエコノミーチケットを買ってその場でビジネスにアップグレード。
お値段は往復で$850。
格安チケットが$600前後で売られていることを考えると、いい買い物だろう。

今日もL.A.はいい天気。
帰り道をプラプラ歩いていると、初夏の日差しがとても気持ちいい。
そういえば、僕がこの街にやって来たのはちょうど1年前の今日だった。
あの日も快晴だったっけなぁ。

あれから1年が過ぎたなんてとても信じられない。
相変わらず英語は中途半端だし、やるべきことはいくらでも残っている。
ホントはもっとバリバリやってるはずだったのになぁ(笑)。

アパートに戻ってJavaScriptを使ったウェブ制作。
このスクリプト言語も英語に負けず劣らず難敵だ。
作りたいイメージは固まっているのに、なかなか思い通りに動いてはくれない。

時間はあっという間に過ぎていく。

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