「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

アメリカ大陸横断ドライブ
(1999年7月16日〜)


7月16日(金)
New Orleans(ルイジアナ州)  走行距離0マイル
午前11時起床。
New Orleansは連泊なので慌ててチェックアウトする必要もなく、のんびり目を覚ます。


僕らが泊まっているAmbassador Hotelはダウンタウンまで3ブロック。
さっそく有名なFrench Quarterにくり出して、昼食をとる。

安食堂に入り、名物料理のジャンバラヤとガンボ(各$6.00)をオーダーしてみた。

僕が食べたのはガンボ(写真右)。
ニンニクと唐辛子ベースのスパイシーなスープにご飯が入ったおじやといった感じ。
思ったよりクセがなく、なかなかいける!
これなら毎日でも食べられそうだ。

ランチの後は3人バラバラの個人行動。
僕はまずミシシッピー川を見に行った。

このところの雨のせいだろうか、水は灰色に濁っていたが、それはそれで風情があるというものだ。

湿気をたっぷり含んだ風に吹かれながら川岸を歩いていると、なにやらオカリナのようなさわやかな音色が聞こえてくる。
音に惹かれてフラフラ行くと、岸に停泊している船の前に出た。
そうか、汽笛か!

川辺一帯に響きわたる美しいメロディーは船の甲板で1人の男性が汽笛と結ばれたオルガンを演奏している音だった。
船上アーティストは1曲演奏するたびに岸に向かって大きく手を振り、美しい音色に聞き惚れていた観光客が拍手で応える。
さすがジャズ発祥の音楽の都。
こんなところでもライヴが行われていたのだった。

船が出発するまでたっぷりライブを満喫し、僕は再びFrench Quarterに向かった。

ミシシッピー川沿いに広がるFrench Quarterはジャズ発祥の地として有名なBourbon Streetを中心に広がる繁華街。
古い作りの美しい街並みが続き、いつまで歩いても飽きることはない。
僕もアンティークショップや土産物屋をひやかして回る。

そして、これがBourbon Street。

あちらこちらからジャズが聞こえてきてにぎやかなのかと思きや、さにあらず。
思ったよりも静かで少し拍子抜けだ。

ところがどっこい、Bourbon Streetが真の姿を見せるのは夜になってからだった。

ネオンきらめくストリートにたくさんの人々が集まり、2階のバルコニーからも鈴なりの人が顔を出している。
ライヴハウスからはジャズ、ロック、ソウルのメロディーが聞こえてくる。
そのリズムに合わせてタップダンスを踊る黒人少年たち

レストラン、ライヴハウスと並んで目立つのがアダルトショップやストリップ。
ほとんどの店が男女両方のストリップダンサーを売り物にしており、若い女性やカップルも嬉々として店に吸い込まれていく。

人だかりがしていたので何かと思って近づいていくと、カーテン越しに女性がなまめかしく踊っているではないか。
う〜ん、想像力をかきたてるなぁ(笑)。
「話のタネに覗いていくか」と思ったものの、財布の中身と相談してやむなく断念。
後ろ髪をひかれつつ、おとなしくホテルに戻ったのだった。

《今日の出費》
チップ $1.00
ホテル代 $67.75/2=$33.87
駐車場代 $12.00/3=$4.00
昼食(ガンボ&アイスティー) $7.00
アイスラテ $2.50
洗濯代 $2.25
夕食(中華) $8.70


7月17日(土)
New Orleans(ルイジアナ州) - Jackson(ミシシッピー州) 走行距離326マイル
午前11時起床。
早朝4時過ぎまでにぎやかな音楽が流れていたNew Orleansの町も昼間はおとなしい。
ホテルの窓からは雨に煙ったダウンタウンが見える。

天気予報によると、今日は一日中雨が降ったりやんだりらしい。
ま、ここ数日同じような予報が続いているのであまり気にもならないけれど。

ホテルをチェックアウトし、French Quarterの食堂で昼食。

見た目はお世辞にもきれいと言い難い店だけれど、安くて旨くて満足だった。

目の前にはFrench Market。

雑貨から民芸品、洋服までありとあらゆるものが売られていて、ひやかしているだけでもなかなか楽しい。
小雨がバラついているにもかかわらず、たくさんの人でにぎわっていた。

さて、今日の目的地はミシシッピー州のJackson。
New OrleansからだとフリーウェイI-55を北上するのが最短ルートだが、おそらくこの道だと景色が変化に乏しいだろう。
そこで、僕らはミシシッピー川に沿って北上するルートを選んだ。

I-10、州道1号線、国道U.S.61号線と乗り継いでグルッと西に大回り。
農村あり、湿原あり、そしてミシシッピー川あり。
思った通り、楽しいルートだ。
強くなったり弱くなったりしながら降り続ける雨も、ドライブのスパイスということにしておこう。

ドライバー交代の休憩時間に数十頭の牛がいる牧場を発見。
気づかれないよう風下からソ〜ッと近づいたにもかかわらず、牛たちは僕の気配を感じるやいなや、全速力で逃げ出した。

あぁ、この写真の真ん中の白い点が牛だって言っても、いったい誰が信じてくれるだろう(笑)。

車は順調にミシシッピー州に入り、いよいよ今日のハイライトNatchez Traceへ。

ここはAAAの地図でも「お薦め」に選ばれているコース。
約300マイルに渡る原生林を一本道が貫く、いわば“緑のフリーウェイ”だ。
入口にあった説明によれば、大昔のけもの道をネイティブアメリカンたちが生活路として使うようになり、やがて騎馬隊が行軍できるように整備されたものだという。

交通量も少なく、どこまでもこんな道が続く快適クルージングだ。

突然雨がやんで、強い日射しが差し込んできた。
すると、濡れた路面から蒸発した水蒸気がもやのように立ちこめ、辺り一面が幻想的な景色になる。
まるで僕らをおとぎの国に連れていく道のように。

急に視界が開けたかと思うと、一面の草原。
そして、空には虹がかかっていた。

やっぱりここはおとぎの国に違いない(笑)。

全長300マイルのNatchez Traceのうち約90マイルを走ったところでJacksonに到着。
1軒目のモーテルは満室だったが、2軒目の「ボイラーが壊れていてお湯が出ない」モーテルにチェックインしたのだった。

《今日の出費》
ホテル代 $88.95/3=$29.65
昼食(ケイジャンバーガー&コーヒー) $5.12
有料道路 $0.50/3=0.17
ガソリン代 $21.29/3=$7.10
夕食(チョップステーキフライ) $9.42
カプチーノ $2.46


7月18日(日)
Jackson(ミシシッピー州) - Hot Springs(アーカンソー州) 走行距離339マイル
午前11時起床。

テレビはJFK Jr.関連のニュースが目白押し。
DallasのJFK暗殺の場所に献花している人たちの姿も映し出されている。
僕らがつい先日訪ねた場所をテレビで見るというのはなんだかヘンな感じがしなくもない。


モーテルをチェックアウトして近くのファミリーレストランで朝食。
Jacksonの町は素通りして、今日の目的地Hot Springsを目指す。
Hot Springsといえば、その名の通り温泉街。
ゆっくりお湯につかって旅の疲れを癒そうという算段だ。

フリーウェイI-20を西に走り、Vicksburgから国道U.S.61号線へ。
相変わらずの田園地帯をドライブしていると、アメリカ農業のスケールの大きさがよく分かる。
農薬を散布する飛行機が飛んでいたり、日本で見る3倍くらいの大きさのトラクターが走っていたり。
僕が知っている日本の農業とは規模が違う。

地図には国道沿いにいくつも町の名前が記されているが、走りながら見るのは人家が十数軒集まった集落という感じ。
そうしたエリアを1分で通過したら、その後は果てしない畑が30分続くという具合なのだ。
自動散水機が水をまいているのは見かけるが、人間が畑仕事しているのは全く見かけない。
それだけ機械化されているということなのかな。

Greenvilleで国道U.S.82号線に乗り換えて、ガソリンスタンドで休憩。

いよいよミシシッピー川を渡って、クリントン大統領の地元アーカンソー州に突入だ。

アーカンソー州の観光案内所はミシシッピー川の三日月湖Lake Chicotのほとりにあった。

湖に浮かぶペンションのようなオフィスには係のおばあさんが1人座っているだけ。
僕らが資料をあさっているといろいろ丁寧に説明してくれる、優しいおばあさんだ。

ところが、このおばあさんの英語が訛っていて聞き取るのが難しい。
なにしろ「Thank you」が「サンキー」としか聞こえないのだ。
New Orleansでも聞き取りにくい英語と出くわして「これが南部訛りか」と思ったのだが、今回のはそれともまた違うような気がする。
ま、訛りが分かるようになるくらい僕の耳が進歩したんだと思っておこう(笑)。

アーカンソー州に入ったとたんに気づいたのは制限速度が遅いということ。
これまでの国道は制限速度が時速60〜70マイル(約96〜112km)だったのに、アーカンソーの制限速度は時速45〜55マイル(約72〜88km)なのだ。
しかも、地元ナンバーの車はみんなこの制限速度を守って走っている。
これはアーカンソーの人たちがのんびりしているからなのか、それとも警察の取り締まりが厳しいからなのか。
少しイライラしながら、僕らものんびりドライブに切り替えたのだった。

国道U.S.65号線から270号線をひた走り、今日の目的地Hot Springsに到着。

町の第一印象は「さびれた温泉街」。
目抜き通りの商店は人気がなく、シャッターを下ろしている店も多い。
これはオフシーズンの日曜日の夜だからなのか。
もう少しにぎやかな繁華街をイメージしていたので少し寂しい。

町を車で一周して、Downtownerというホテルにチェックイン。

温泉は日曜は休業ということで、お楽しみは明日に先送り。
明日はマッサージ受けるぞ!

《今日の出費》
チップ $1.00
モーテル代 $43.19/2=$21.59
昼食(ケイジャンオムレツ) $9.94
夕食(ステーキ) $7.97
水&チョコレート $2.65


7月19日(月)
Hot Springs(アーカンソー州) 走行距離0マイル
昨夜は疲れていたにもかかわらずなかなか寝付かれず、結局、眠りについたのは朝の6時過ぎ。
しかも、部屋に「Don't Disturb」の札がなかったため、ルームメイキングの人に2度も起こされてしまうという最悪の状態で昼前にベッドから起きてくる。
これから長距離ドライブというのでは大変だが、幸いにも今日は移動なし。
今日中に体調を整えておけば問題はあるまい。

町を車で走って驚いたのはセミが鳴いていること。
L.A.ではもちろん、ここまでに訪れたどこの町でもセミの鳴き声を聞いたことはなかった。
それだけ気候が違うということなのだろうと解釈していたのだが、そういえばHot Springsで見る樹木は日本と似ている気がしなくもない。
なんだか急に日本の夏が懐かしくなってしまった。

近くのWaffle Houseで昼食。

泥で汚れたジーンズをはき、ピックアップトラックで乗り付けてくるのは農業に携わっている人だろうか。
そんな地元の人たちでにぎわっている店に入るのはなんとなく嬉しいものだ。

食べ終わってレシートをチェックすると7.125%の州税の他に3%のFood Taxという項目を発見。
合計すれば税率10.125%ということになる。
慌てて昨夜のレストランのレシートを見てみると、やはり同じ税率で計算されている。
う〜む、これは高い。
アーカンソーじゃ、うかうかメシも食えないぞ(笑)。

腹ごしらえが済んだところでHot Springsのメインイベント、温泉へ。
町の中心を通るCentral Ave.沿いには何軒ものSpaが並んでいるが、僕らは、昨日レストランのウェイトレスが薦めてくれたBuckstaff Bath Houseというところを選んでみた。

玄関を入るとすでに10人以上の行列ができている。
おおっ、そんなに人気のSpaなのか、と思ったらなんのことはない。
単に午後の受付がまだ始まっていないだけのことだった。

パンフレットによると、営業時間は午前7:00〜11:45と午後1:30〜3:00のみ。
夕食の後、手ぬぐい片手に出かけるというジャパニーズスタイルはここでは通用しないらしい。

受付で温泉とマッサージのセット料金を支払い、更衣室へ。
案内係のおじさんが「初めてかい? じゃ、全部脱いで」と丁寧に説明してくれる。
念のためにと水着も持参したのだが、どうやら必要ないようだ。
浴場には仕切り付きのバスタブとベッドが約30個ずつ並んでいる。

体格のいい陽気な黒人のお兄ちゃんが「ヘイ、フレンド! オレはボビーだ。日本から来たのかい? ま、ゆっくりくつろいでいってくれ」と握手を求めてきた。
どうやら彼が僕の担当らしい。
言われるがままに個室のジェットバスに浸かりながら、「おおっ、これがホントの“個室付き特殊浴場”だ」なんて訳の分からないことを考えていた。

ジェットバスが終わると全身を洗われ、下半身浴、シャワー、スチームサウナ、蒸しタオル。
次から次へとメニューをこなされていく。
これじゃ、くつろぐどころじゃないよなぁ。

最後は別室に移され、スウェーデン風マッサージ。
全身にオイルを塗られて気持ちいいことは気持ちいいのだが、いかんせん20分というのは物足りない。
ああ、日本の指圧が懐かしい。

それでもかなりリラックスしていたのだろう、休憩室で横になっていたらいつの間にか眠ってしまっていた。

歩いてホテルに帰りながらHot Springsの町を散策する。

まず気がつくのはお年寄りが多いということ。
格式ある建物は目につくものの、どこか古くさく、物寂しい。
客のまったく入っていない蝋人形館で老女が1人で店番をしていたりする。
やはり「さびれた温泉街」という印象はぬぐいきれないのだ。
少なくとも流行りのリゾート地という感じからはほど遠い。

それでも、異国からの観光客である僕の目に新鮮であることは間違いなく、立ち寄ってよかったなぁ、とは思うのだけれど。

《今日の出費》
チップ $1.00
昼食(ワッフル&コーヒー) $5.31
Spa $34.30
アイスコーヒー $2.65
夕食(中華バフェ) $8.26
水&チョコレート $2.65


7月20日(火)
Hot Springs(アーカンソー州) - Memphis(テネシー州) 走行距離218マイル
午前10時起床。
のんびりくつろいだHot Springsを出発だ。
目指すはエルビス・プレスリーの故郷Memphis。
フリーウェイI-40を東へひた走る!

景色は相変わらずの農村地帯。
いつもと違うのは大型トラックが猛スピードで僕らの車を追い越していくことだ。

そういえば、Albuquerqueに向かう途中で大型トラックをよく見たのも確かI-40だった。
ということは、やはりこの路線は長距離トラックの幹線道路なのだろう。
途中のドライブインにもトラックがたくさん停まり、いかついドライバーたちが集まっていた。

走り続けること3時間半。
「Memphis」の標示が現れた。

ルイジアナ州からミシシッピー州に入るときに越えたミシシッピー川を再び越え、ついにテネシー州にやって来たのだ。

このところ宿泊費がかさんでいたので、今日はできるだけ安いモーテルに泊まりたい。
そんな僕らが割引クーポンで見つけたのがここ。

なんと1泊$26.95+taxという破格のモーテルだ。
周辺の治安は良くもないが悪くもない、という感じ。
部屋を見せてもらうと、確かにボロいが寝るだけなら支障はないだろう。
よし、ここで決めよう!

とはいえ、完全に信用しちゃいけないぞ、という声がどこからか聞こえてくる。
クレジットカードを悪用されないよう宿泊費を現金で支払い、ノートパソコンをはじめとした貴重品は部屋に置かずに出かけることにした。

まず、やって来たのはミシシッピー川沿岸にある観光案内所。
ドアを開けるといきなりエルビス・プレスリーとB.B.キングの銅像がお出迎えだ。

看板には「Home of the Blues」「Birthplace of Rock'n Roll」と誇らしげに書かれている。
なるほど、「ブルースの故郷」「ロックンロール生誕の地」か。
そういえばずいぶん前にNHKの子供向け偉人伝番組でエルビス・プレスリーの回を担当したことがある。
その時はロケに同行せず台本を書いただけだったが、その主たる舞台となった町にやって来たわけだ。

市内の地図やパンフレットを入手してダウンタウンを歩く。

近代的な高層ビルとレンガ作りの古い建物が共存する不思議な街並み。
それにしても違和感があるのは、平日の夕方5時過ぎだというのに歩いている人をほとんど見かけないことだ。
オフィスビルにも空室が目立ち、思わず“ゴーストタウン”という言葉が脳裏をかすめる。
アメリカの大都市ではダウンタウンの空洞化が進み、中流以上の人は郊外に住むという話をよく聞くが、ここMemphisもその例外ではないのかもしれない。

さらに歩いて“ブルース発祥の地”Beal Streetへ。

New Orleansの“ジャズ発祥の地”が「バーボンストリート」なら、こちらは綴りは違うが「ビールストリート」。
面白い偶然だ。

3ブロックほどの通りにはライヴハウスや楽器店などが並び、ブルースが流れてくる。
バーボンストリートのように最新ポップスに侵されていず、確かにそれなりの雰囲気はあるのだが、熱気に満ちあふれているという感じではない。
歩いているのはカメラ片手の観光客ばかり。
週末や夜になればまた変わるのかもしれないが、どうしても“古き良き”という印象は拭いきれない。

モーテルへの帰り道、プレスリーをはじめ数々のアーティストがレコーディングをしたという、伝説の「Sun Studio」に立ち寄る。

どこかで見覚えがあるなぁ、と思ったら、例の偉人伝番組のVTRに出てきたところじゃないか。
そうか、ディレクターはここでロケをしたんだ、とヘンな感動をしてしまった。

篠原さんとMikioさんは買い物に出かけ、僕はモーテルに戻った。
日記を書こうとノートパソコンのセッティングをしていると、作業服を着た男が部屋を訪ねてきた。
「この部屋のテレビは壊れてるから交換するよ」
そう言われれば断るわけにもいかず、鍵を開ける。
男はテレビのケーブルを抜き差ししながら、僕のパソコンをジロジロ見ている。
な〜んか、ヤな雰囲気……。
彼はなにやら聞き取りにくい英語でブツブツ言い、帰っていった。

その後、フロントから電話。
「その部屋は壊れているから別の部屋に移って欲しい。鍵を渡すからフロントまで来てくれ」と。
買い物に行っている2人がいない間に部屋を移ってしまったら2人はとまどってしまうだろう。
それに、さっきの男のこともあるから、たとえ短時間でも荷物をおいたまま部屋を空けたくはない。
「友人が戻ってきたらすぐ行くからそれまで待ってくれ」と返事する。

またしばらくすると、警備員の制服を着た男が部屋を訪ねてきた。
「この部屋にチェックインした時のレシートを持っているか?」
どうやら部屋番号を確認したいらしいが、手続きをしたのは篠原さんなので僕はレシートを持っていない。
そう答えると男は「とにかくフロントまで来てくれ」の一点張り。
先ほどと同じように「後で必ず行くから」とかろうじて追い返す。

また10分くらいすると、今度はフロントの係員が訪ねてきて同じことをくり返す。
単に親切で言ってくれているような気もするが、なんとかして僕を部屋から出そうとしているようにも思える。
安モーテルだけに何が起きても不思議はない。
用心するに越したことはないだろう。
「友人が帰ってきたらすぐ行く」と答えてお引き取り願う。

それから2人が戻って来るまでの間の緊張感ったらなかった。
次にやって来るのが拳銃を持った男だったら……などとつい最悪のケースを想像してしまうのだ。
ノートパソコンと数十ドルのために殺人を犯す、なんてことは日本ではまずあり得ないだろうが、なにしろここはアメリカだ。
しかも、部屋の中を堂々とゴキブリが歩いている安モーテル。
他人を信用できないというのがこんなに心細いことだとは思わなかった。

30分後、2人が帰ってきてフロントに行くと、先ほどの係員がニコニコしながら新しい部屋のキーを渡してくれた。
その笑顔を見ると、彼を疑ってしまった自分に腹が立つ。
「手間をかけてしまって申し訳ない」と謝って新しい部屋に荷物を運び込む。

これで一安心かと思いきや、新しい部屋のチェーンロックが壊れているではないか。

もしかしたらこれは罠なのか!?
まさかね……。

《今日の出費》
チップ $1.00
ホテル代(2泊分) $102.30
昼食(パンケーキ&コーヒー) $8.45
駐車場代 $3.00/3=$1.00
夕食(BLT&アイスティー) $12.42

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