「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

アメリカ大陸横断ドライブ
(1999年7月6日〜)


7月6日(火)
Santa Fe(ニューメキシコ州) - Amarillo(テキサス州) 走行距離322マイル
午前10時半起床でモーテルをチェックアウト。

寝坊してしまったのでサービスの朝食を逃してしまった。
あぁ、もったいない(笑)。

今日中になんとかテキサス州に入るのが目標だが、その前にもう一度Santa Feのダウンタウンを見たいということで3人の意見が一致。
さんざん荒野の大自然を見てきた僕らにとって、この町は確かに心休まる雰囲気を持っている。

車をパーキングに突っ込み、広場周辺をブラブラ歩く。
さわやかなオープンテラスのレストランで昼食をとることにした。
なぜなら、ウェイトレスの女の子がかわいらしかったからだ(笑)。

僕らのテーブルを担当してくれたのがLindsayちゃん(写真左)とAubreyちゃん。
新しいお客さんがやって来るたびに踊るようなステップで迎えに行き、弾けんばかりの笑顔でサーブする。
聞けば2人とも地元の高校生で、夏休みの間のアルバイトだという。
コーヒーのおかわりの時にポットを間違えてただのお湯を注いでしまうのもご愛敬。
なんだかすっかり楽しい気分になってしまった。

お腹がいっぱいになったところで全米最古の教会とSanta Fe駅を訪ねる。

道に迷った僕らが地図を片手に尋ねると、分かりやすいところまで一緒に歩いて丁寧に教えてくれる地元の人たち。
Santa Feの町は人々を優しくしてしまう不思議な力を持っているに違いない。

AAAでテキサス以東の州の地図を入手。

会員なら何種類もらっても無料なのが嬉しい。
しかも、L.A.のAAAでは話にも出なかった「Tour Book」(書店で買うと1冊$12.95もする)を5州分くれちゃうという太っ腹。
これだけで年会費の元はとったも同然だ。

準備万端整って、フリーウェイI-40に乗り、東を目指す。

70-80マイルごとにドライバーを交代して、ひたすら走る、走る、走る。
車窓から見えるのはだだっ広い草原。
ごくまれに人が住んでいそうな家がポツリ、ポツリと見える他は緑色が100%だ。

そんな景色に変化が見えたのはテキサス州に入ってすぐ。
トラクターで耕された赤茶色の土、つまり広大な農場が出現し始めたのだ。
時折現れる白い塔は農作物を保存しておく倉庫だろう。
州境を越えるだけで産業の違いが一目瞭然だ。

さらに驚いたのは、広大な牧草地帯に放し飼いにされている数百頭の牛。
「オレたちがこれまでの道中に会った人間の数より多いかもな」という冗談が出るほど、ものすごい数だ。
さすがテキサス。
こりゃ、どこかで旨いステーキを食べなきゃ納得いかない(笑)。

そんなことを話していると、突然あたりが暗くなって大粒の雨が降ってきた。
「バケツをひっくり返したような」というレベルではない。
「50mプールをいくつかまとめてひっくり返したような」激しい雨だ。

視界は数十メートルにさえぎられ、路面は氾濫した川のように水浸し。
このまま走るのは危険だと判断した僕たちはフリーウェイを降り、バーガーキングの駐車場で雨が上がるのを待つことにした。

L.A.ではめったに雨が降らないだけに、こんな大雨は新鮮でもある。

30分後、小降りになったところで再出発。
雨雲を完全に追い越し、前方には青空と白い雲が見える。

「天国に続く道みたいですね」とMikioさんがつぶやいた。

州越えと同時にMountain Time ZoneからCentral Time Zoneに突入。
1時間の時差でまた時計を進めなければならない。

Amarilloの町でフリーウェイを降りて、モーテル探し。
いつものようにMotel 6やSuper 8といったチェーン店から値段を聞きに行くのだが、なぜか空室が1つもない!
数軒目のマネージャーが教えてくれたところによると、なんでも「FFA」とかいうコンベンションが開かれている関係で、周辺のモーテルはどこも満室だろうというのだ。

冗談じゃない!
次の町まではあと数十マイル。
そこまでドライブできる体力は今の僕らには残っていない。

仕方なく、少し高めのTravelodgeやConfort Inn、独立系のモーテルなども当たってみるが、どこも満室。
モーテル探しだけで2時間近く走り回ったにもかかわらず、まだ部屋は見つからない。
3人とも疲れ果てて無口になり、車内の空気がピリピリしてくる。

そんなとき、目の前に現れたのが「1泊$22」という無名格安モーテルの看板。
見た目はお世辞にもきれいとはいいがたいが、背に腹は代えられない。
しかも、値段を聞いてびっくり。
税抜きで1泊$44だというのだ。
まったく、足元を見やがって。

が、ここを逃せば今夜の宿の保証はない。
仕方なく、僕らはその無名格安モーテルにチェックインしたのだった。

《今日の出費》
チップ $1.00
昼食(ハンバーガー) $8.80
水&スポーツドリンク $2.30
ガソリン $13.33/3=$4.44
夕食(チキングリル) $13.30
モーテル $51.00/3=$17.00


7月7日(水)
Amarillo(テキサス州) - Oklahoma City(オクラホマ州) 走行距離272マイル
午前10時起床でモーテルをチェックアウト。

昨夜、モーテルを探すためにAmarilloの町をさんざん走り回った僕たちは「この町にはもう見るべきものはない!」と判断した。
まったく旅というのは面白いもので、たかがモーテル探しに苦労しただけで町全体の印象がマイナスになってしまう。
もちろん、逆に地元の人に親切にしてもらっただけでその町全体がいい町に思えてきたりするのだけれど。
ともあれ、僕たちは次の町へ出発することにした。

事前になんとなく考えていた計画では、テキサス州を南下してDallasへ向かうつもりだったのだが、地図で調べると距離が350マイル以上ある。
それでは体力的にキツイ。
そこで、Dallasへの中継地点としてOklahoma Cityに寄ろうということになった。
1つでも多くの州を制覇したい僕らにとってオクラホマ州を走れるというのは魅力的なアイデアだ。
ということで再びフリーウェイI-40を東に向かう。

テキサスの田園地帯は緑と赤土のコントラスト。
時々、放し飼いの牛の群れに出会う。
あまりに単調過ぎてどれくらい走ったか実感がわかないほどだ。

州境を越えてまもなく、パーキングエリア内にオクラホマ州のビジター・インフォメーション・センターを発見。

ガイドブックをほとんど持っていない僕らのようなツーリストにとって、こうした観光案内所は力強い味方だが、ここは特に資料が充実していた。

地図や見どころ案内はもちろん、モーテルの料金表や割引券など必要と思われるものはなんでも揃っている。
疑問に思ったことは係の人に聞けば懇切丁寧に教えてくれるのだから、ここを利用しない手はない。
というわけでたっぷり資料を手に入れた僕らは一路Oklahoma Cityを目指したのだった。

やがて田園の中にポツリポツリと建物が増え始め、モーテルやレストランの看板が現れる。
左前方には数棟の高層ビル。
おおっ、あれがOklahoma Cityのダウンタウンに違いない!

手に入れたばかりの地図を頼りに走っていくと、どうやらOklahoma Cityのフリーウェイは東京と同じようにダウンタウンを中心とした環状線とそこから郊外に延びる放射線からなっているようだ。
環状線をグルッと一周回ってみると、広さも首都高速と大して変わらないような気がする。
が、大きな違いは自動車の数。
渋滞らしい渋滞もなく、30分弱で一周できてしまうのだ。
ああ、首都高がこれくらいスイスイ走れたら東京も快適な町だろうになぁ。

町の概要をつかんだ僕たちは、さっそくモーテルにチェックイン。

看板には1泊$36と書いてあるが、手に入れたばかりの割引券で$33になった。

夕方6時になろうというのに日はまだ高い。
そこで、僕らは夕食を食べがてらダウンタウンにくり出すことにした。

フリーウェイを降りて市内を走っていると、大ざっぱに言って、中心部に近づくほど危ないエリアになっていくのがよく分かる。
もちろん、一番中心の高層ビル街はビジネスエリアだが、オフィスアワーが過ぎているので人影も少なく、殺伐とした雰囲気になっている。
L.A.との違いは、路傍に何をするでもなく立っているヤバイ感じの人がほとんどいないことだ。

グルグル走って車を降りたのはBricktownというエリア。
直訳すれば「レンガ街」ということになるが、その名の通りレンガ作りの建物がいくつも並んでいる。

ところどころ窓ガラスが割れていたりして、L.A.なら完全に危険地帯だが、どうやらここは違うらしい。
子供連れの観光客がごく普通に歩いているのだ。

ワンブロック歩いていくと、なんと運河を観光船が走っているではないか。

さらにこのエリアが安全であることを示していたのがコーラの自動販売機。

危険地帯だったら自販機が屋外に置かれるなんてことは絶対にあり得ない。
しかも、建物に合わせたレンガのデザイン。
おそらく、かつてさびれていた倉庫街を再開発したのだろう。
緊張して損した(笑)。

近くのレストランで夕食をとった後、さらにダウンタウンを車で散策してモーテルへ戻ったのだった。

《今日の出費》
チップ $1.00
昼食(ステーキ) $5.50
ガソリン $17.70/3=$5.90
夕食(スパゲティー&シーザーサラダ) $12.00
アイスコーヒー $1.06
モーテル $36.46/2=$18.23


7月8日(木)
Oklahoma City(オクラホマ州) - Dallas(テキサス州) 走行距離314マイル
「鈴木さん、11時になりますよ」
篠原さんの声で目を覚ますとチェックアウトぎりぎりの時間だった。
慌てて荷物をまとめ、部屋を飛び出す。
うーむ、少し疲れがたまってきたかな。

各都市のジムをチェックしているさすらいのボディービルダーMikioさんに同行してOklahoma CityのGolds Gymを見た後、中華ランチ。

町中でほとんどアジア人を見かけなくてもチャイニーズレストランは必ずある。
この店も地元のアメリカ人でにぎわっていた。

Oklahoma Cityは計画的に作られた都市らしく、道が碁盤の目のように整備されていて、この町が初めての僕らでもとても走りやすい。
ダウンタウンからフリーウェイI-35に乗り、南を目指す。

今日の目的地はDallasだが、途中で2カ所寄ってみたいところがあった。
どちらも観光案内所でもらった資料の写真が美しかったのだ。

最初の寄り道はI-35を70マイルほど走ったところにあるTurner Fall。

車をパーキングに停め、子供たちが水遊びしている小川を上流に向かって歩いていく。
小さな橋を渡ると、あった!
滝だ!

滝といってもそれほど急流ではなく、滝壺では子供たちが楽しそうに泳いでいる。
僕も膝まで水につかって童心に返った気分だ。


水はとても澄んでいて、まるでどこかのリゾートホテルのプールのよう。
こんな大自然がそこらじゅうに転がっているのだからオクラホマの子供は幸せだ。

さらに車を25マイルほど走らせたところにあったのがLake Murray。

気温が摂氏35度を越える絶好の水遊び日和だというのに、人はほとんどいない。
ジェットスキーを楽しむ若者が5〜6組と水辺で読書する女性が1人だけ。
水辺にある州立のロッジもガラガラのようだ。
前もって知っていればこういうところに泊まるっていう手もあるんだよなぁ。
思わず湖面を眺めてボーッとしてしまった。

気分をリフレッシュして一路Dallasを目指す。
ほどなく、再びテキサス州に突入!

やがて前方に高層ビル群が見えてくる。
あれがDallasのダウンタウンだ。

フリーウェイで市内をグルッと一周してみるが、これまでに立ち寄ったどの都市より広い。
おそらく規模はL.A.と同じくらい大きいんじゃないかなぁ。
ちょうど夕方のラッシュにぶつかり、僕らの車も渋滞に巻き込まれてしまった。
そういえば渋滞もずいぶん久しぶりだ。

いつもならここで安モーテルを探すところだが、今回はちょっと贅沢に1泊$49のホテルにチェックイン。

しかも、3人別々のシングルルームだ!

これまでは宿泊費節約のためにツインの部屋に3人で泊まっていた。
つまり、1つのベッドに大のオトナが2人で寝ていたのだ。
3日に1回は1人でベットを独占できる日が回ってくるとはいえ、少しずつ疲れはたまってくる。
Dallasには2泊する予定だし、旅の中休みでそろそろ体力を回復しようというわけだ。

夕食はホテルマンお薦めのWestendというエリアへ。

たまたま入ったのはピアノ生演奏のあるレストラン。
このピアノマンがなかなかのエンタティナーだった。
今週末に結婚するという24才の女の子と、たまたま食事に来ていた男性をステージに上げて突然のダンスタイム!

店内のお客さんと一緒に僕らもツイストを踊らされてしまった。
ああ、三十路男3人のへっぴり腰ダンス。
知り合いが見たら大爆笑だったろうなぁ(笑)。

ホテルへの帰り道、カーラジオから聞き覚えのあるメロディーが流れてきた。
よく聞くと「上を向いて歩こう」じゃないか。
歌っているのは誰だか分からないが、女性シンガーだ。
メランコリックなアレンジで、なんだかしんみりしてしまった。

明日はいよいよ1回目のチャット。
楽しみだなぁ。

《今日の出費》
昼食(中華食べ放題) $8.00
ガソリン $23.20/3=$7.73
Turner Fall入場料 $6.00
夕食(チキンサンド) $10.52


7月9日(金)
Dallas(テキサス州) 走行距離0マイル
午前7時半起床。
今日は初めての「アメリカ大陸横断ドライブ」チャットの日。
日本の午後10時はこちら時間で午前8時になる。
ホテルの窓からはスモッグに煙ったダウンタウンが見えていた。

実のところ、僕はチャットに参加するのは初めての体験だったのだけれど、とても楽しかった。
日本から参加して下さった人たちとリアルタイムでやりとりができるのはやはりメールや掲示板とは違う新鮮さがある。
僕がキーボードに向かっているこの同じ瞬間にモニターを通じてつながっているという温かさ。
「デジタルは無機質で冷たい」というのは絶対ウソだと思う。
だって、手段は変わってもそれを使っているのは同じ人間なのだから。

ホテルの近くのデニーズで朝食。
市内見物に出かける篠原さんとMikioさんとは別行動をとらせてもらい、ホテルのプールへ。
日焼けで熱を持った肌を水に浸すと、ひんやりとした何かがじわじわと皮膚に浸透していくのがよく分かる。
代わりにたまった疲れが水の中に溶けだしていくようだ。

黒人の親子が遊んでいる側で僕はのんびり読書を決め込む。

ホテル内をブラブラしていたら面白いものを発見!

ゲストパーキングとは反対側の玄関に一番近いところにこんな看板が。
「年間最優秀従業員専用駐車場」
そういえば、他の従業員用駐車場は玄関から少し離れたところにあった。
歩いて2〜3分とはいえ、確かにこの場所は一等地。
こんな動機づけで従業員のやる気をかき立てているんだな。

ホテルマンに紹介してもらったコリアタウンに夕食を食べに行った後、ダウンタウンへ。
Westendではちょうど「Taste of Dallas」という祭りが行われており、たくさんの人でにぎわっていた。

特に目立ったのは高校生や大学生の若者たち。
男女別々にやって来ているグループも多く、どことなく「ボーイ・ミーツ・ガール」の匂いが感じられる。
そういえば女の子の服装がいつもより少しだけ開放的な気がした。

ストリートを埋め尽くした屋台ではホットドッグやタコスなどの食べ物が売られていたが、新鮮だったのは焼きトウモロコシ。
日本だったらしょう油の焦げた香ばしい匂いがしてくるところだが、こちらでは粉チーズや塩こしょうなどのスパイスをふって食べるのだ。
所変われば食も変わるもんだなぁ。

屋台といえば地元のFMラジオ局が競うようにしてブースを出していた。

やはり祭りには音楽というわけか。
会場のそこここに設置されたステージではあらゆるジャンルのライヴが行われ、老若男女を問わず楽しそうに身体を動かしていた。
どんな音楽がかかっても自然に踊り出すというわけにはいかない僕は、それがちょっぴり羨ましかった。

《今日の出費》
朝食(ワッフル&コーヒー) $8.45
夕食(ビビンバ) $12.19
水&コーヒー $2.38


7月10日(土)
Dallas(テキサス州) - Austin(テキサス州) 走行距離411マイル
午前9時起床。
連泊して少し疲れが抜けたのでいつもより早めにホテルをチェックアウトしてダウンタウンへ向かう。

Dallasに来て外せない名所といえばThe sixth floor。
あのジョン・F・ケネディー大統領が暗殺された場所だ。
犯人とされているオズワルドがライフルで大統領を狙撃した旧教科書倉庫の6階が博物館として残されている。

中にはいると解説用のウォークマンには日本語版も用意されており、パネルやビデオをしっかり見ているとたっぷり2時間はかかる。
公式発表だけでなく、CIAやソ連の陰謀説などにも言及されていて、なかなか興味深かった。

そして、ここが大統領が狙撃された道路。
モノクロのニュース映像で何度も見たことのある景色がカラーになると急にリアリティーが出てくる。

本当の犯人は誰なのだろう。
もしケネディー大統領が殺されていなかったらその後のアメリカはどうなっていたのだろう、などと想像がふくらんでいく。
日本人の僕でさえそうなのだから、アメリカ人にとってはもっと印象深いんだろうなぁ。

今日の目的地はDallasから南へ約250マイルのSan Antonio。
フリーウェイI-35を90マイルほど走ったWacoの町で途中下車して昼食をとる。
思ったより小さな町でレストランを探すのに一苦労。
結局、毎度おなじみのデニーズに入ることにした。

あまり日本人を見かけないからだろうか、店に入ったとたんに店員さんやお客さんの視線を感じる。
といっても特に悪意のある感じではない。
単にもの珍しいからだろう。

1人のウェイトレスが自分の担当テーブルでもないのに僕らの席にやって来て話しかけてきた。

「旅行中ですか?」
「うん、L.A.からフロリダまでドライブで横断している途中なんだ」
「ワーォ、とてもエキサイティングですね」

夏休みのアルバイト中だという16才の高校生Daynaちゃん。
撮ったばかりの写真をデジカメのモニターで見せてあげると「キャー、すごーい!」なんて小躍りしちゃうところが素朴な感じで、僕らまで嬉しくなってくる。

これから行こうと思っていたDr. Pepper Museumについて聞くと「とても楽しいところですから、ぜひ見ていって下さいね」。
こんなカワイイ女の子に勧められたら行かないわけにはいかない(笑)。

というわけで、やって来ましたDr. Pepper Museum。

Dr. Pepperといえばコカコーラ社が作ったのかと思い込んでいたのだが、実はそうではなく、ここテキサスが発祥の地だったのだ。
この博物館はかつての製造工場であり、初めてそれを売り出したドラッグストアの再現や古いビンや缶のコレクションと共にWacoの町の発展も展示されている。
おそらく町の誇りであり、大切な観光資源でもあるのだろう。
1階のドリンクバーのメニューはもちろんDr. Pepperのみ。
僕らも記念に1杯いただいた。

この町のもう1つの観光資源が町の中心を流れる川にかかるSuspension Bridge。

一応、化粧直しはされていてライトアップの設備も整ってはいるが、歴史を感じさせる古めかしい吊り橋だ。
閑静な場所にあり車は通れないようになっているので、デートスポットにはもってこい。
きっと何組もの地元高校生カップルがここでファーストキスしたに違いない。
そんなことを考えてしまうほどいい雰囲気なのだ。

しかし、男3人でそんな色っぽい話になるはずもない。
再びフリーウェイI-35に乗ってSan Antonioを目指す。

ところが、今日の南テキサスはひどい天気。
時折、大粒の雨がミサイルのようにズドンズドンとフロントガラスを叩き、視界を数メートルにしてしまう。
そのたびに僕らは車を路肩に停め、足止めを食うのだ。
結局、San Antonioに到着したのは夜の9時だった。

やっと休めると思ったら、そうは問屋が卸さなかった。
またもやモーテルが見つからないのだ。
I-35沿いはもちろん、I-410、I-10と主だった幹線道路のモーテルを片っ端からあたるが、ひとつ残らず「No Vacancy」。
少し危なそうなエリアの安宿から僕らの予算では泊まれなさそうな高級ホテルまで30以上の宿を聞きまくるが空室はひとつもない!

なぜなんだ!?
もしかしたらSan Antonioでもなにかのコンベンションがあるのか!?(笑)
最初は笑っている余裕もあったが、そのうちシャレにならなくなってくる。

宿を探していたのは僕らだけではない。
行く先々のモーテルで同じく宿を見つけられない旅行者に会うのだ。
そして、そのうち何度も同じ人と顔を合わせるようになる。
宿なし同士の親近感があると同時に「あっちに先に見つけられては困る」というライバル関係でもある。
モーテルのフロントですれ違うたびに妙な空気が流れるのだった。

いつの間にか深夜0時。
それでもモーテルは見つからない。
仕方なく、僕らは今日走ってきたI-35を再び北に戻りながら宿を探す作戦に切り替えざるを得なかった。

モーテルの看板を見つけるたびにフリーウェイを降りて、空室を尋ねる。
しかし、1つ目の町でも2つ目の町でも空室は見つからない。
ホントにどうしちゃったんだ!?
いくら週末だといってもひどすぎるじゃないか。
それとも、明日は全テキサスをあげての大イベントでもあるのかい?

ついに僕らは80マイル弱も走り、Austinまで戻ってきてしまった。
今日の午後、「ここはテキサス大学くらいしか見るところがないらしいよ」と話しながら通り過ぎてきた町だ。

いくつかのモーテルで「No rooms」の貼り紙に門前払いを食った。
そして、明らかに僕らの予算をオーバーしている高級ホテル。
「シングルルームなら1つだけ空いております」
男3人でシングルだぁ!?
しかも宿泊費は$89.99+tax!

しかし、ここを逃したら本当に今日の出発地点であるDallasまで戻らなければならないかもしれない。
もはや選択の余地はなかった。
「泊まります」

安堵のため息をついて時計を見ると午前2時。
今日の走行距離を示すトリップメーターは軽く400マイルを回っていたのだった。

《今日の出費》
ホテル(2泊分) $112.70
Sixth Floor Museum入場料 $9.00
昼食(ハンバーガー) $8.20
Dr. Pepper Museum入場料(学割) $2.00
Dr. Pepper味のリップスティック $1.62
Dr. Pepper $0.65

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