「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

コミカレESL編1
(1998年6月22日〜)

6月22日(月)

いよいよESL(English as a Second Language)の授業開始日。
にもかかわらず、週末に夜更かししてしまったせいで2時間しか寝られなかったフラフラの頭で教室へ向かう。
篠原さんの話によると、1回目の授業というのはシラバス(Syllabus)という授業の概要が書かれた紙を配られて軽くその説明があるくらいだということだったので、割とお気楽な気分だった。

授業開始時刻の5分くらい前に到着すると、すでにフーバー教授は来ているではないか!
滑り込みで出欠確認に間に合った。
学生は全部で30人弱。
ざっと見た感じ、日本人ととおぼしき生徒が4割ほどを占めていて、3割が他のアジア系。
残りが白人、黒人、ヒスパニックといった感じだ。

まずはパーソナルカードの記入。
名前、国籍、専攻、クラス分けテストの成績、これまでに取った授業などを書いて提出する。

続いて、シラバスの説明。
それによると、授業の構成はレクチャーとディスカッション(50%)、グループワーク(40%)、オーディオビジュアル(10%)となっている。

成績はエッセイ(授業の中で第1稿を書き、添削を受けた後最終稿を提出する。6週間で各5回)が40%、クイズ(授業の中で行われる文法の小テスト。6週間で7回)が25%、期末試験(論文と文法100問テスト)が15%、ジャーナル(エッセイよりも論理性が重要視されない小エッセイのこと。授業中に3回、宿題が2回の計5回)が20%で評価されると書いてある。
さらに、授業を4回欠席したら失格だ。

一通りの説明が終わったので今日はそろそろ終わりかなぁと思った瞬間、フーバー教授はのたまった。
「では、これからテストを行う」
ガ〜ン! さすがは“鬼のフーバー”。
彼の授業を受けたことのあるKojun曰く「教え方は上手いけどメチャクチャ厳しいよ」というだけのことはある。
同じESL21Aの他の教授のクラスが定員になってもフーバー教授に最後まで空きがあったのは、学生たちが風の噂でその厳しさを知っているからなのだ。
よ〜し、望むところだぜ!

30分で50問の文法テスト。
難易度はTOEFLの文法セクションより全然低く、オリエンテーションの時に受けたクラス分けテストに毛が生えた程度だ。
記憶が不確かなところを除いて8割は正解の自信がある。
よし、出足は上々だ。

これで終わりかと思いきや、フーバー教授はまだまだ許してくれない。
10分の休憩をはさんで、今度は45分のエッセイテスト。
お題は「多くの学生が大学におけるカンニングは悪いことではないと考えている。これについてキミの考えを論ぜよ」。

日本語で「エッセイ」というと思いついたことをつれづれなるままに書くというイメージが強いが、英語の「essay」は違う。
書き手の考えや主張を論理的に組み立て、読み手を説得しなければならない。
序論で述べた主題を本論でサポートし結論でダメ押しする立派な論文なのだ。

お題を読んだ瞬間、ひねくれ者の僕は「カンニングは悪くない」という論を立てて説得してやれ、とアウトラインを組み立て始めたのだが、寝不足の悲しさよ、いいアイデアが出てこない。
いかん! そうこうしているうちに10分が経過してしまった。

急きょ「カンニングは悪い」というごく当たり前の主張に切り替える。
「運転免許試験でカンニングをした奴が公共の道路を走ったら無知ゆえにルールを守らず、我々の安全を脅かすだろう」という例え話から入って「学生を評価する教官は正しい責任を果たすことが不可能になる」「不正な成績を元に社員を採用した企業は業績が悪化するかもしれない」と具体的な他人への迷惑論を展開。
「大学の試験でカンニングを行った学生は生涯自分を偽り続け、社会に対して不正を行い続けることになるのだ」とまとめる。

かつて学生時代にさんざんカンニングしてきた自分としては身体中がむず痒くなってくるような論だが、アイデアが出てこないのだからしょうがない。
制限時間ギリギリで何とか1枚に書き上げる。
ふう。

第1回目のESLの授業は自分では納得のいかない結果だった。
しかし、教授の言っていることが8割方理解できたのはうれしい誤算(もっとも留学生のために易しくしゃべっているのだろけれど…)。
何とか食らいついていって、まともな論文が書けるようにならなくてはと思う。
今後、このページの更新が滞っていたら「きっと勉強で死んでいるんだろうな」と長い目で見守ってやってください。
もちろん、できるだけこまめに報告していくつもりではありますが…。

家に帰って来てメールチェックすると、第1希望のUniversity of Southern Californiaから不合格の知らせ。
ま、GPA(大学時代の成績)が基準に達していないのだからしょうがない。
やっぱり、カンニングはいかんですな(笑)。

というわけで、秋からはマルチメディア関係の授業がCalifornia State University, Los Angelesより充実していることがカタログで判明したCalifornia State University, Northridgeの大学院に行くことが決定!
こちらの入学手続き締め切りは7月10日。
ESL授業の合間を縫って手続きに行かなければならない。
よし、気合い入れて頑張ろう!

6月23日(火)

ESLの授業2日目。
今日は6時間ほど寝ることができたので、まあまあの体調で学校へ向かう。
教室に入ると、心なしか昨日より生徒の数が少ない。
早くも“鬼のフーバー”の風評を聞いて他のクラスに乗り換えた人がいるのかもしれない。
僕も日本の大学時代は“楽勝科目”を選んで受けていたクチだから、その気持ちはよく分かる。
もし目的がSanta Monica Collegeの卒業だったら僕もきっとそうしたに違いない。

時間きっかりに何故か上機嫌のフーバー教授、登場。
いきなり制限時間15分で「ジャーナル」を書かせられる。
「ジャーナル」というのは「エッセイ」よりくだけた感じの短い文章のこと。
お題は「キミはESL 21Bのこのクラスに何を求めるか。どんな成績をつけて欲しいか」というもの。
『みんな“A”が欲しいんだろ?』と言いながらフーバー教授はニヤニヤしている。

事前の説明によると、このクラスでの「ジャーナル」は文法ミスやスペルミスは考慮しないとのこと。
とにかく制限時間内に早く大量の文章を書けることが主眼のようだ。

「すでに合格した大学院の授業に参加できるように、特にライティングとリスニングの力をつけたい。英語の力さえ身に着けば成績が悪くても全くかまわない」という内容でとにかく書いて書いて書き飛ばす!
仮定法も現在完了もあったもんじゃない。
文法的には中学3年生レベルの英作文をひたすら連ねていく。

タイムアップ!
書き終わった後、単語の数を数えさせられる。
結果は15分間で約120ワード。
自分としては上出来だ。
ところが、同じ時間内に何と250ワード書いている女の子がいた。
フーバー教授曰く「このクラスの最終目標は15分間に250ワードのジャーナルを書けるようになることだ」。
ということは今回の倍以上の早さで書かなければならないじゃないか!

残りの授業の大半は文法。
文章の中の単語を名詞、動詞、形容詞、副詞、接続詞…と品詞に分けていく練習問題だ。
日本語の「感嘆詞」は分かっていても「interjections」という英単語を知らなくて困ってしまう。

続いて文章の中から主語と動詞を指摘する問題。
こういう問題なら得意中の得意。
TOEFLの文法セクションよりずっと簡単だ。
日本の大学受験の時に精読した「英文解釈教室」(うわぁ、懐かしい!)で身につけた知識がこんなところで役に立つとは。

肝心の論文作成術に関する講義は最後の30分のみ。
気合いを入れて予習したテキストはスラスラスラ〜っと流されていく。
なんだか、拍子抜けだ。

そして、宿題は家でも15分ジャーナルを書いてくること。
提出期限は木曜日だ。

ところで、このホームページを見たという、以前にフーバー教授の授業を受けたことがあるという方からメールをいただきました。
彼の情報によると、その時にクラスをパスできたのはほんの数人だったとのこと。
ガ〜ン! やっぱりそうですか。
これからSanta Monica Collegeに来る方は注意して下さいね。
とりあえず僕は行けるところまで行ってみます。

授業の帰りにInternational Student Centerに寄ってトランスファーの書類をお願いする。
受け取れるのは金曜日だということだ。

6月24日(水)

ESL3日目。

クラスを4〜5人単位のグループに分けた上でフーバー教授が問題を出す。
「英語には全部で12の時制があるが、それらを全て挙げて説明せよ」
偶然にも僕のグループは全員が日本人。
だが、ディスカッションのやりとりは英語でやらなければならないので全員無口になってしまう。

現在形、過去形、未来形の基本3時制にそれぞれ進行形、完了、完了進行形があって全部で12。
それは分かっているのだが、情けないことに用語が英語で出てこない。
しかも、その説明となるともうお手上げだ。

例えば現在完了。
手元にある日本語の文法書によれば、その意味は「完了」「継続」「経験」「結果」の4つ。
それをフーバー教授は英語でこう説明する。
「recent past action」「repeated action」「past - present - future」「indefinite past」。
直訳すれば「最近の過去の行動」「繰り返しの行動」「過去〜現在〜未来」「漠然とした過去」。
一生懸命説明を聞いたのだが、結局どれがどれを指しているのかはよく分からなかった(笑)。

言語が違えば言葉の概念や範囲にズレがあるのは当たり前だと頭で分かってはいるのだが、どうも釈然としない。
結局、これまでに身につけた日本語での理解でやれるだけやってみよう、というのが僕の結論。
でも、英語とのギャップを楽しみつつ受け入れる余裕は持っていたい。

そして今日も論文作成の授業は後半40分のみ。
例によって気合いを入れて予習していったテキストはあっという間に流されていく。
この調子なら、完璧にテキストを読み込んでいかなくても一通りサ〜ッと目を通して概要を理解していれば何とかなりそうだ。

休み時間にペルシャから来ているというアレス、そしてコロンビアから来ているというアンナと話をする。
僕から見ると2人とも英語がペラペラ喋れて羨ましいのだが、それでも授業の厳しさに閉口しているという点では意見が一致する。

授業が終わった後、交通違反の罰金を支払いにダウンタウンの交通裁判所へ。

僕と同じ違反キップを持っている人を見つけてその列の最後尾に並ぶ。
順番が来て窓口のおばちゃんにキップを見せると、コンピュータで照会して、
「あなたの記録はまだ登録されていないわ。来月になったらもう一度来てちょうだい」

ふう。わざわざ来たのに無駄足になってしまった。
駐車場代$6がもったいない。

そのままアパートに直行して翌日のテキストを予習する。

6月25日(木)

ESLの授業4日目。

今日も例の15分ジャーナルからクラスが始まった。
お題は「テキストの文章を読んで要約と考えを述べよ」というもの。
一応、予習で目を通してあったのだが、3つの文章の中で最も理解できていないものが当たってしまった。

物語は綿農場を舞台にした黒人奴隷とそれを観察している少女のストーリー。
「黒人奴隷への同情。そしてそれより金持ちに生まれてしまった自分への複雑な感情が読みとれる」ってなことを127ワードで書き上げる。
少しは気の利いたことを書いてやろうと思うのだが、とにかく時間に追われてそれどころではなかった。
思ったことをダイレクトに英語で表現できるまでにはまだまだ試練が足りないらしい(笑)。

文法の授業は昨日に引き続き、動詞の時制について。
4〜5人のグループに分かれてテキストの問題の答えを確認し合い、その後で答えを発表する。
問題のレベルは高校生レベル。
「lie - lay - lain」と「lay - laid - laid」を混同しないように、なんていういうのは日本の受験参考書と同じなんだなぁ、と思った。

宿題はテキストの文法問題40問。
「月曜日に文法のクイズをやる!」とフーバー教授は楽しそうに笑う。
さらに「インクラスエッセイを書かせるので考えておくように。ただし、家で書いてきてはいけない」とのこと。
お題は「個人的な葛藤(personal conflict)」というだけでテーマは自由。
ジャーナルと違い、つれづれなるままに書くわけにはいかないので、この週末のうちに構成を考えておかなければ。

ともあれ、やっと1週目が終わって3日間は目覚まし時計をかけないで眠れる!
と思ったら、明日はワールドカップじゃないか。
日本対ジャマイカ戦はこちらの時間で朝の6時半から中継が始まるのだ。

バーガーキングのハンバーガーでランチをとり、帰宅。
たまっていたメールへの返事を書く。

6月27日(土)

留学の先輩Kaoruちゃんのルームメイト、オホ(フランス人)が帰国するので仲間と空港へ見送りに。
陽気な性格の彼女はみんなの人気者だった。
僕は3回会っただけだが、僕のいたらない英会話能力にも辛抱強くつきあってくれた彼女には感謝している。
彼女の英語は発音がきれいで聞き取りやすく、こんな僕でもなんとか会話ができるのだ。

ルームメイトのKaoruちゃんはもちろん、1年以上何かと一緒にワイワイやっていたみんなには胸に迫るものがあるのだろう。
いつの間にか口数は少なくなり、オホの目には涙が浮かんでいる。

そして、ついに搭乗時刻。
オホは大きく手を振りながら搭乗口に吸い込まれていった。

帰り道で誰かが言った。
「外国人の仲間が帰国する時はいつもすごくつらくなるんです。日本人ならまたどこかで会える可能性が大きいけれど、外国人の場合はもう二度と会えないんじゃないかと思うから…」
アメリカという異国で偶然出会い、カルチャーギャップの中で喜怒哀楽を共にしてきた遠い国の仲間との別れ。
留学の新米である僕もこれからいくつもこうした出会いと別れをくり返していくのだろう。

昼食の後、例によってKojunの家へ。
そこでKojunのルームメイトNobuの重大発表を聞く。
なんと、この秋からニューヨークの語学学校へ転校するというのだ。

去年、観光で行ったニューヨークがいたく気に入ってしまった彼は、どうしてもそこで暮らしてみたくなってしまったという。
倍以上になる家賃や冬の寒さも彼をL.A.に引き留めておくことはできなかった。
来月いったん日本に帰国した後、秋学期からの入学を目指して彼は単身ニューヨークへ向かう。

青い空と海が美しい開放的なLos Angelesの夏は、留学生たちにとって同時に別れの季節でもあるのだ。

6月28日(日)

Los Angelesに渡ってきた僕をイの一番に助けてくれた留学の先輩、恵さんが、何とYomiuri Americaにアート関係のコラムを執筆することになった。
アートなどとは全く縁遠い生活をしている僕だが、一応、物書きの先輩として若干のアドバイスは出来るだろうと原稿を見せてもらう。
こんなことで恩返しができるならお安いご用だ。

ネタはどこかの美術館(失念失礼!)で行われるモネ展。
いやあ、モネがガーデニングのフリークだとは知らなかった。
近いうちに紙面を飾るはずなので、機会があったら読んでみて下さい。
土曜日の文化面です。

たまっていた郵便物をチェックしていると、自動車保険会社から「あなたのドライバーライセンス番号が確認できないので保険をキャンセルします」という通知が来ている。
何ぃ〜〜〜!? そんなはずないだろ! ちゃんと手続きしたじゃないか!

交通違反をしている僕は今から新しく契約すると保険料がバカ高くなるというウワサを聞いているので急に不安になる。
とにかく週明けに確認しなければ。

6月29日(月)

朝4時に実家からのFAXで叩き起こされる。
もうちょっとこちらの時間を考えて欲しいよなぁ、と思いながらFAXに目を通してびっくり!
完全に目が覚めた。
送られてきたのはクレジットカードの明細で、総額何と70万円以上!

確かに生活の立ち上げで費用がかさんだとは思っていたが、予想以上の金額だ。
主だったところでは
モーテル滞在費 $281
レンタカー $330
寝具&リネン $310
自動車保険 $994
電化製品 $844
新聞(1年分) $520
教科書 $113
もちろんその他に細かい食費やガソリン代などがかかっている。

これはヤバイ。
帰国したらまた乗ろうと考えていた愛車の売却も真剣に考えなければならない。

あまりのショックに眠れないまま学校へ。
今日はクイズ(小テスト)とインクラスエッセイがあるのに結局寝不足だ。

まずは動詞の時制についてのクイズ40問(制限時間30分)。
文法は楽勝だとナメていたら、これが結構難しい。
40問中自信を持って答えられたのは半分くらいだった。

続いて60分のエッセイ。
お題は予告通り「あなたがこれまでに経験した文化的、生活的ギャップや葛藤についてテキストの内容をふまえて書け」というもの。
一応、週末の間にアウトラインは考えておいたので、それに沿ってひたすら書きまくり、なんとか時間内にまとめ上げる。
ふぅ。

授業はこれでおしまい。
今日も宿題がたんまり出された。

先週の木曜日に提出したジャーナル3本が返却されたので見てみると、ところどころに「Good」とか「Very Good」という書き込みがされてあり、最後に「20/20」と記されている。
もしかしてこれは「20点満点中20点」ということか!?
よっしゃ! なかなかやるじゃないか、僕も。

帰り際に先週お願いしておいたトランスファーレターをピックアップしようとInternational Student Centerに立ち寄る。
この書類がなければ秋から行こうと思っているCalifornia State University, Northridgeの手続きができないのだ。
ところが、「なぜトランスファーしたいのかその理由を書いて提出しなければ書類は渡せない」とのこと。

「そんなんだったら先に言っといてくれよ」とブツブツ言いながらカフェテリアの机に向かう。
Santa Monica Collegeに出願した時点では合格できるかどうか分からなかった大学院から合格通知が来たので秋からそちらで勉強したい。私はより専門性の高い教育を望んでいるのだ」ってなことを20分くらいで書いて持っていくと、係のお姉さんは「ふぅ〜ん」という何故か不満げな顔をしながら書類を渡してくれた。
よし、さっそく明日にでも入学手続きに行くぞ!

アパートに帰ってきて保険の件でKondo Motorsに電話すると、例によって森田さんが親切に教えてくれる。
結局、現在持っている運転免許証を保険会社にFAXで送って手続き完了。
単に事務手続きのミスだったようだ。

寝不足の目をこすりながら宿題に手を着けるが、あまりに眠いので仮眠。
夜中の12時に起きて引き続き宿題。
あぁ、また昼と夜が逆転してしまった…。

6月30日(火)

朝方に1時間だけ眠って学校へ。
さっそく昨日のクイズとエッセイが返却される。

クイズの点数は100点満点中81点! 予想以上の出来だ。
張り出された結果を見ると、何とクラスでトップ!
なんだか、すごく嬉しい。

続いてエッセイ。
返却された原稿を見ると、赤ペンでいやというほど書き込みがされている。
「時制が合っていない!」「意味不明!」「ぎこちない表現!」などなど。
昨日返却されたジャーナルは文法不問だったので良かったが、シビアに採点されるエッセイでは撃沈だ。

点数は100点満点中63点。
一緒に渡された採点シートにその内訳が書かれている。
「構成・内容 30/40」「文法 15/30」「ボキャブラリー 10/15」「技術 8/15」。
中でも悔しかったのは「ノートの片面を使え」という指示を聞き取れずに両面を使ってしまい減点された技術の7点だ。
この減点がなければ70点だったのに…。

張り出された得点を見ると、エッセイの最高点は76点。
頑張れば取れない点数じゃない。
次のエッセイは量より質だと決意を新たにする。

返されたエッセイはその添削を参考に自宅で書き直した上ワープロで清書し、来週の月曜日に再提出する。
このリライトのエッセイも同じ割合で点数化されるので手が抜けない。
今度の週末はこれに相当の時間を費やさなければならないだろう。
それにしても文法だけ突出して成績がいいなんて典型的な日本人留学生だなぁ。

落ち込む暇もなく、おなじみの15分ジャーナルだ。
今日のお題は「キミがよく知っている場所を詳しく描写しながら説明せよ」というもの。
とっさに「フーバー教授が知らない場所について書いた方が有利に違いない」と思いつき、題材を「渋谷駅」にする。

最初は夕方のラッシュアワーの山手線の異常な混雑ぶりを書こうと思ったのだが、うまく言葉が出てこない。
行き詰まってしまい、結局、駅前の雑踏とこれから遊びに行こうとしている若者の楽しげな姿を書き連ねることしかできなかった。
う〜ん、作戦失敗だ。

今日の文法は「冠詞」。
つまり「a」と「an」と「the」の使い分けだ。
はっきり言って、僕の一番苦手なところなので一生懸命説明を聞く。
がしかし、分かったような分からないような…。
しかも、鬼のフーバーは「明日の授業で冠詞のクイズをやる!」とのたまった。
家に帰ってもう一度日本語の文法書を読み返さなきゃいけないなぁ。

いったんアパートに帰ってから車でCalifornia State University, Northridgeへ。
送られてきた書類には事前に電話でアポイントを取るように書いてあったのだが、電話で間違いなく会話が出来る自信はなかった。
行けばなんとかなるだろうと思ったのだ。

オフィスを訪ねて「入学手続きをしたいんだけど」というと、案の定「アポイントはとってありますか?」と聞かれる。
「ノー」と答えると、「じゃあ、ここで決めましょう」。
結局、7月7日午後2時のミーティングを予約して今日のところはおしまい。
そのミーティングに出ないと科目登録も何も先に進めないらしいのだ。

書類によると、授業料支払いの締め切りは7月10日。
その前に健康保険に入り、場合によっては予防接種を受けなければならない。
学部のカウンセラーに会って選択科目の相談もしなければならないのだが、それも7日にできるんだろうか?
オフィスのおばちゃんに一応質問してみたのだが、とにかく7日のミーティングに来なければ始まらないらしい。
この辺のヒアリング力のなさがよけい不安を増幅させるんだよなぁ…情けない。

ものの10分で話は終了。
せっかく30分もかけて来たのだからそのまま帰るのはもったいないと思い、学校の周辺をドライブしてアパートのありそうなエリアを物色する。
どうやら、学校の西側に隣接する一帯にアパートが多いようだ。
この辺に住めば学校まで歩いていける。
無事、入学手続きが済んだらまたアパート探しだ!

7月1日(水)

久々によく眠れたので万全の体調で授業に臨む。
まずは配られたプリントの冠詞の練習問題を4人グループになって解く。
シラバス(授業概要)に「40%を占める」と書かれていた通り、フーバー教授はグループワークをよくやらせる。

みんな答えが一致した時はいいのだけれど、答えが割れた時はさあ大変。
どうしてその答えになったのか英語で説明してみんなを納得させなければならないからだ。
今回もああだこうだと怪しい英語が僕らのグループを飛び交うことになる。

フーバー教授曰く「英語で一番重要なのは動詞。その次に冠詞だ」そうだ。

続いてはパラフレーズ(言い換え)の練習問題を同じくグループで解く。
文意を変えずに自分自身の言葉で文を書き換えるのだが、冠詞に比べれば得意な分野だ。

そうこうしているうちに授業の残り時間は30分。
予告通り、冠詞のクイズだ。
ところがフーバー教授、何とこの小テストまでグループでやれという。
ただし、それまでのメンバーとではなく、フーバー教授が指名して新しいグループが作らされる。

僕のグループは僕と女の子3人。
その中の1人が「あなたは1番から25番、あなたは26番から50番ね」という具合に分担を決めていく。
う〜ん、リーダーシップがあるなぁ、などと感心している場合じゃない。
僕が間違えれば他の3人もダメになるという運命共同体。
責任は重大だ。

お互いの答えを写しあったところでタイムアップ。
ところが、さっきリーダーシップを発揮した女の子が自分だけ答えを書き直している。
おいおい、抜け駆けかい? ズルイぞ(笑)。
4人組のグループワークで1人だけ点数が良かったら(あるいは悪かったら)どういう評価になるんだろう?
楽しみだなぁ、なんて言ってる場合か!?

帰り道、バーガーキングに寄って昼食。
アパートに着いて明日提出のジャーナル2本を書こうと思った瞬間、睡魔が襲ってきた。
おかしいなぁ、あんなによく寝たのに。
というわけで、仮眠(笑)。

夕方起き出してきて無事ジャーナルを書き、翌日の予習。
明日は地獄のインクラスエッセイがあるからよく寝なくては。

7月2日(木)

今日さえ乗り切れば、とりあえず週末。
気力を振り絞って学校へ。

教室に入ると昨日のクイズの結果が張り出されている。
得点は74点。うん、まあ、上出来かな。
僕が掲示を見ていると同じグループだった女の子が横からのぞき込む。
「Um, not bad (う〜ん、悪くないわね)」
思わず目を合わせて笑顔を交わす。
抜け駆けした子は72点だったようで、隣で苦笑いしている。

昨日に引き続きパラフレーズ(書き換え)の練習問題をやったあと、週末のお約束、インクラスエッセイの時間。
プリントが配られる。
お題は次の中から自分の好きなものを選んで詳しく描写せよいうもの。
1「キミのベッドルーム」
2「キミのお気に入りのバケーションスポット」
3「キミがいつも買い物をしているスーパーマーケット」
4「キミの好きな美術館」
5「キミのお気に入りのレストラン」
6「キミが飼っている、あるいはかつて飼っていたペット」
迷うことなく、我が愛するフェレット(いたち)チビ&ぽん太のことを書くことに決める。

今回のエッセイの狙いは「描写」ということで、読者の視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚に訴えるように書けと注意書きがついているのだが、これが難しい。
たとえば「トコトコ歩く」なんていうのをどう英語で表現すればいいのか。
「触るとフワフワの長い毛」なんて僕のボキャブラリーからは「soft fur」という表現しか出てこない。
書きたいことはいくらでもあるのだが、それを英語に置き換えるのは容易なことではない。

60分間、脳ミソを振り絞って一生懸命「描写」してみたが、チビ&ぽん太の魅力の5%も伝えられたかどうか…。
ごめんよ、チビぽん(笑)。

例によってたんまり宿題が出されたが、とりあえず2週目の授業は終了。
明日は目覚まし時計をかけなくてすむと思うとすごく心が安まる。
ああ、週末だ。

「生活準備編3」  「コミカレESL編2」