「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

再び99年夏休み編1
(1999年8月9日〜)
8月9日(月)
午前9時起床。
久しぶりの我が家はやはり快適だ。
ベッドも1人で独占できるし(笑)。

留守中に届いた郵便物をチェックしていたらUSCからの不合格通知が届いていた。
実は旅行中にL.A.留守番部隊からもらったメールで結果は分かっていたのだけれど、やはり自分の目で確認する気分は格別だ(笑)。
これで秋からの身の振り方を考えなきゃいけないなぁ。
まぁ、じっくりいこう。

昼過ぎ、日本から取材でやって来たテレビ朝日「D's Garage 21」のスタッフにあいさつするため、篠原さんと一緒にトーランスのホテルへ。

明日からLos Angeles Convention Centerで開かれるSIGGRAPH 99(CGの学会&展示会)の取材に同行させてもらう約束をしていたのだ。

3泊5日の強行スケジュールのため自由になる時間は今日しかない、ということで、プロデューサーのTさんとCGクリエイターのKさんをショッピングのメッカ、ビバリーセンターとロデオドライブにご案内。

L.A.に住んでいながらショッピングとは縁遠い生活をしている僕は、こういう機会でもないと訪れない場所だ。

夕食はコリアタウンへ。

スンドゥブーと石焼きビビンバをごちそうになってしまった。
う〜ん、役得、役得。

久しぶりの再会に話は弾み、気がついたら深夜12時を回っていた。
明日は朝一番から取材だというのに、起きられるかなぁ。


8月10日(火)
SIGGRAPH 99取材初日。
午前7時起きで会場のLos Angeles Convention Centerへ。

ここは以前にコンピュータゲームのコンベンション、E3も行われた場所。
こうした最先端のイベントを見ることができるのもL.A.に住んでいるメリットだ。

開場前のエントランスは早くも黒山の人だかり。

SIGGRAPH 99はCGクリエイターなどプロ向けのイベントだが、会場周辺のホテルはほぼ満室だとか。
観光バスが何台も乗りつけ、たくさんの人を吐き出していく。

各ブースではプロ向けのハードやソフトのデモンストレーションが行われていた。

3Dソフトなどいじったことがない僕でも、コンピュータを使えばすごい映像が作れるということくらいは理解できる。
どこのブースでもその映像を見ているだけで十分楽しい。

同行のCGクリエイターのKさんと話していて興味深かったのは、「これまでCGはいかに実写に近づくかというのがテーマだったけれど、これからは実写では作れないコンピュータならではの映像が重要になってくる」という点。
ツールが新しくなれば表現自体も新しくなるのは当然といえば当然だ。
コンピュータ業界の進化はドッグイヤーだというけれど、CGは早くもその域に達していたのだ。

レポーターはテレビ朝日「D's Garage 21」の川北桃子アナウンサー。

バーチャルリアリティーや3Dキャプチャーの体験取材やクリエイターのインタビューを続々こなしていた。

その間にTプロデューサーは各ブースを回って日本からのアポイントを確認しながら取材担当者のスケジュールを押さえていく。
こういうコンベンション開場での取材は担当者もインタビューやデモンストレーションにフル回転ということが多いから、現地でしっかり確認することが必要なのだ。
僕もつたない英語を駆使しながらTプロデューサーのお手伝い。
貴重な取材に同行させてもらっていることに対するせめてもの恩返しだ。

閉場時間が来ても、取材はまだ終わらない。
続いては場所を移してCGクリエイター養成学校デジタルハリウッドのパーティーを取材。

会場を見ていて驚いたのはクリエイターの中に女の子が占める割合が大きいこと。
半分までとは言わないが、確実に4割は若い女の子なのだ。
手に職の専門職というのが魅力なのか、それとも細かい作業やレンダリングを待つ辛抱強さが女の子に向いているのか、いずれにしてもCG業界は大きく変わりつつあるようだ。

さらに、L.A.に居を構えるCGプロダクション主催のパーティー会場へ。

コカコーラのCMに出てくる白クマや映画「ベイブ」に出てくるブタの口の動きを制作した大手プロダクションだけあって、巨大クラブを貸し切ってのパーティー。
こうしたパーティーで関係者との交流をはかるというのもコンベンションの重要な要素なのだろう。

全ての取材が終了したのは深夜12時。
まったく、みんなよく働くなぁ。


8月11日(水)
SIGGRAPH 99取材2日目。
眠たい目をこすって会場へ。

昨日のアポイント確認の成果もあって、今日の取材はなかなか快調。

3Dソフトの開発者にインタビューしたり、デモンストレーターにニューバージョンの特徴を説明してもらったりする。

一通りの取材が終了したところでスタッフは二手に分かれる。
ディレクターとクルーはハリウッドで活躍するCGクリエイターのインタビューへ、TさんとKさんは世界トップレベルのCGアニメーションが上映される劇場へ。
最先端技術を駆使した優秀作品をまとめて見る機会などめったにないので、僕も劇場班に同行させてもらうことにした。


劇場はConvention Centerから少し離れた場所にあり、会場から十数台の連絡バスが来場者を輸送する。

ここで上映されるのはComputer Animation Festival Committeeに選ばれた44作品。
「スターウォーズ」などの映画からゲーム、CM、はては学生の卒業作品まであらゆるジャンルに渡る。
2時間に渡って、信じられないほど完成度の高い作品が続けざまに上映されるのだ。

見る前からある程度は期待していたのだけれど、作品のクオリティーはその期待をはるかに上回っていた。
正直言って、圧倒された。
コンピュータによる映像はここまで来ているのか。

作品のほとんどはアメリカ人の手によるものだったが、その中に日本人の作品が5つ含まれていた。
CGの難しいことはよく分からないけれど、もしかしたら緻密で忍耐力の必要な作業は日本人に向いているのではないか、と漠然と思った。
僕は絵のセンスがゼロに等しいからまず無理だけれど(笑)。


8月12日(木)
午前7時起床。
Tプロデューサーと川北アナウンサーをホテルでピックアップ。
お土産ショッピングにおつきあいした後、空港でお見送りする。

SIGGRAPH 99くらいハイレベルのイベントになると僕が1人で見に行ってもチンプンカンプンだったに違いないが、取材に同行させてもらったおかげで丁寧な説明を聞くことができ、かなり理解することができた。
貴重な機会を与えてくれたテレビ朝日「D's Garage 21」のスタッフに感謝。
また来年も来て下さいね。

帰宅してたまっていたメールの返事を書き始めたが、突然、睡魔が襲ってきた。
軽く仮眠しようとベッドに入ったら、なんと翌朝まで眠ってしまった。


8月13日(金)
というわけで、目が覚めたら午前9時。
12時間以上も寝ていたことになる。
う〜む、そんなに疲れがたまっていたか。

ずっと部屋の中にいると分からなくなってしまうが、今、僕の部屋は臭い(笑)。
旅行中に逆流した下水がじゅうたんにしみ込んでしまっているのだ。
新聞紙を敷き詰めて水分を吸収し、じゅうたん用臭い消しパウダーをまいたのだが、それでもまだ少し臭い。

「そのうち臭いもおさまるだろう」と軽く見ていたのは間違いかもしれないぞ。
アパートから退去するときにもめるのもイヤだし、これはマネージャーに事情を説明しておいた方がいいかもな。
でも、こういうのを英語で説明するのってめんどくさいんだよなぁ。

USCにも落ちたことだし、秋からの身の振り方を考えなければならない。
素直に考えればそのままCSUNの大学院に通うのが普通なのだが、僕の中でその選択肢はもう消えている。
先学期末でGotthoffer教授がCSUNを去った背景にはマルチメディア教育を推進すべきだとする「改革派」と従来の科目を継続すべきだとする「守旧派」の争いがあって、最終的に「改革派」が敗れたというのがもっぱらの噂だからだ。
事実、僕が学部長から聞いて期待していた新設科目は来学期のカタログにない。
CSUN自体は気に入っていただけに残念だが、勉強したくない科目のために通うのは本末転倒だ。

一方、今回の「アメリカ大陸横断ドライブ」の旅で痛感したのが英語力のなさ。
どんなにいい授業だって自分に英語力がなければ宝の持ち腐れに過ぎない。
マルチメディアの勉強以前にやるべきことがあるということを痛いほど感じたのだ。
それに、英語を使ったコミュニケーションの魅力に改めて気がついたということもある。

僕の場合、卒業や学位にこだわりがないのだから、来学期は英語、特にヒアリングとスピーキングに集中して勉強しよう、というのが結論だ。

というわけで、まず向かったのは近所のBest Buy

$36.00でCDラジカセを購入した。

実は、6月に一時帰国したときにアルクの編集者の方に推薦していただいた「自分のすべてを英語で口にできる本」「英会話スーパーレッスン30分」「起きてから寝るまで表現550」「旅行英会話ミニフレーズ」という4つの教材を入手していたのだ。
もちろんすべてCDかテープ付き。
語学教育のプロのお墨付きだから間違いあるまい。
夏休みの間はとにかくこれを聞いて耳を鍛えようと思う。

次に、語学学校についてアドバイスをもらおうとMさん宅へ。
今年5月にL.A.にやって来たばかりのMさんだが、語学学校はもちろん、アダルトスクール、カレッジの土曜クラスと積極的に通い、英語の勉強については僕よりずっと経験を持っている。

ちょうど遊びに来ていた留学の先輩、恵さんも交えて情報交換。
ひょんなことから恵さんに、ネイティブで比較的時間があり、しかも教え魔の友人がいるということが判明。
ぜひ時々会ってもらえないかとお願いしてもらうことにした。

I-20をキープするためにどこかの語学学校に通うのは必須だから、他の友人たちからも情報を集めつつ、資料請求しよう。
UCLA Extensionの新しいカタログが15日に出るので、これまた資料請求だ。
56才にして頑張っているMさんに負けるわけにはいかないもんな。


8月14日(土)
正午起床。
起きてから何もすることがないなんてずいぶん久しぶりだ。
本当は学校探しをはじめ、やらなきゃいけないことはいくつもあるのだけれど、週末だからというのを言い訳にしてダラダラ過ごしてしまう。

「33人のサイバーエリート」(ジョン・ブロックマン 著 椋田直子 訳/アスキー出版局)を読み始める。

知的所有権代理人(エージェント)の元祖は編集者だ。お客の行動を推し量り、彼らが望むものを提供するのにある程度成功し、お客をかりたて、アイデンティティを与え、コミュニティーの一員だと感じさせるのが編集者の仕事だ。

メガメディア企業について考えるとき、忘れてならない基本的な問題がある。それはどんな分野で創造的な仕事をするにしても、客を動機づけるすべを知っている人間が必要だ、ということだ。
(現実主義者……ステュワート・オールソップ)

放送作家というのも彼の言う「編集者」に近い仕事だと思う。
マルチメディアも経済行為として成長するに伴って「客を動機づけるすべを知っている人間」を必要とするはずだ。
僕は新しいメディアの特質を理解して、そこで何らかの役割を果たしたいと願っている。

売れるものがすべていいものだとは限らない。
がしかし、いいものこそ売れるための知恵を必要としたりもするのだ。


8月15日(日)
午後1時起床。
空っぽに近い冷蔵庫を食料で埋めるべく、買い物に出かける。

約2ヶ月も留守にしていたL.A.は少しずつ変わっていた。
アパートの近くのNijiyaは店舗を拡張していたし、トーランスのマルカイは98¢ストアをオープンさせていた。

缶入り緑茶が2本で98¢というのはずいぶんお買い得だぞ。
つい手が伸びて6本も買ってしまった。

帰宅して英会話の勉強。
一番易しそうな「旅行英会話ミニフレーズ」のテープを聞いてみる。
おおっ、聞こえる、聞こえる。
これならテキストを読まなくてもほぼ100%聞き取れる。
そりゃ、1年以上もアメリカにいるんだから旅行会話くらいできて当たり前か。
調子に乗ってCNNを見ても理解度は40%くらいなのだけれど。

秋から通う学校を検討するため、電話帳に載っている語学学校に片っ端から資料請求。
電話での会話には今ひとつ不安が残るのでFAXを送る(情けないなぁ)。
その数約15校。
いくつかのウェブサイトを見てみると1ヶ月の授業料も$170から$1100まで様々だ。
その差はいったい何なんだろう?

USCの不合格を伝えたGotthoffer教授から返事のメールが届いていた。
「残念だったね。でも、私がUSCの博士課程に合格するまで3年かかったのを覚えているだろう? あきらめずにまた出願してみなさい」
う〜む、説得力のある慰めだ(笑)。
でも僕は3年も待つ余裕はないんだよなぁ。


8月16日(月)
正午起床。

アパートから一歩も出ることなく、「旅行英会話ミニフレーズ」で英会話の特訓。
テープで聞いた表現をテキストで確認し、口に出して言ってみる。
耳で聞けば意味は分かるけれど、自分では使ったことがない表現が意外にたくさんあることに気づく。

例えば
I'd like to have this film developped, please.
(このフィルムを現像して下さい)

改めて活字で見れば「have + 目的語 + 過去分詞」で使役表現だということが分かるけれど、僕だったらきっと
Develop this film, please.
と簡単な表現で済ませているだろう。

How long a wait do you think there'll be?
(どのくらい待つことになりますか)
と「wait」を名詞として使う表現も新鮮だ。

僕だったら
How long do we wait?
と中学生英語を使っているだろう。

意味さえ通じれば用は足りるとはいえ、少しくらいは「英語らしい」表現も覚えたいもんだ。
そのためには聞きかじり、読みかじりの表現を実際の現場で使ってみることだと思う。
なかなか通じなくて恥をかいた英語ほど身に着くというのはこれまでの経験が実証している。
問題は僕のつたない英語につき合ってくれる気の長いアメリカ人がいないことなんだよなぁ(笑)。

ラジカセに向かってア〜ウ〜やっていたらマネージャーがやって来た。
下水逆流で臭くなったカーペットを見に来てくれたのだ。

しばらくチェックした後、「こりゃ、カーペットクリーニングをやらなきゃダメだね」と一言。
数日中に業者が来るように手配してくれるという。
ああ、助かった。
これで臭い部屋で食事をしなくても済む(笑)。


8月17日(火)
午後1時起床。

昼食の後、英会話の勉強。
今日から「英会話スーパーレッスン30分」にとりかかる。

1日30分×30日分のレッスンがおさめられているこの本、最初はごく基本的なあいさつ表現からなのでCDを聞きながらでもスラスラ進むことができる。
例によって自分が普段あまり使わないフレーズを中心に何度も口に出し、身体に覚え込ませよう。
今日のところは5日目まで終了。

テレビニュースを見ていてもネタによって理解度に差があるのが明らかだ。
自分で興味があるニュースはだいたい聞き取れるが、そうでないニュースは耳から入っても脳みそを素通りしていく。
ボキャブラリーはもちろんだが、集中力に欠けると理解度はがた落ち。
英語の壁は厚いよなぁ。

英語のシャワーでウニのようになった頭を休ませるべく、読書タイム。
「33人のサイバーエリート」を読む。

インタラクティビティの意味がかなり混乱している。お話をしてもらうのは楽しいが、登場人物を一揃いもらって、インタラクトしながらお話を作るのが、お話をしてもらうより楽しいとはかぎらない。自動車の部品を一揃いもらって自分だけの車を設計したり、材料をもらって自分だけのドレスを作ったりするより、誰かに作ってもらうほうが便利だろう。自分で料理するよりレストランにいくほうがいいときもある。
(天才……W・ダニエル・ヒリス)

ウォルトディズニー社研究開発担当副社長である彼は、デジタルメディアの持つ一つの可能性を軽く一蹴する。
要するに「プロのクリエイターが練りに練って作り上げたベストの作品を上回るものを素人が簡単に作れるわけないじゃないか」ということだろう。
もちろんそれに一理あるのは理解できる。

でも、と僕は思う。
最終の完成型がプロに劣るのは当然としても、そのプロセスを体験するのはまったく別の楽しみなんじゃないか。
レストランにいくより自分で料理した方が楽しいこともある。

ウェブにはエロティックな快感がある。あの角を曲がったら、あのリンクを一つクリックしたら、目を見はるようなものが待っているかもしれない。そう期待するから、ウェブを探索しつづけ、「あのリンク」の先を確かめずにいられない。だからこそウェブはユーザーを酔わせるのだ。
(神童……ヤーロン・ラニア)

この感覚はよく分かる。
ウェブだけじゃなく、ゲームでもそうだ。
例えば、格闘ゲームでコマンドを入力して大技が決まったときの快感。
この指先と快楽中枢を結びつける回路は既存メディアでは決して開かれなかった新しい感覚だ。

そして、この快感こそインタラクティビティーの大きな魅力になり得ると僕は思うのだけれど。


8月18日(水)
午前9時起床。

Kojunと遠距離恋愛歴7年(!)のSumiyoちゃんが日本から遊びに来ているということで、仲間が集まってSanta Monica Placeの中華レストランでランチ。

やっぱりたまには外出しないとね。

外出したついでにSanta MonicaのUCLA Extensionに寄って秋学期のカタログを入手。

UCLA Extensionには、そんじょそこらの大学顔負けの授業が揃っているが、その中にEntertainment Studyというコースがある。
マルチメディアのような新しい分野のクラスが正式に採用されるまで時間がかかる正課の授業に比べてカリキュラムを柔軟に組めるのがExtensionのいいところ。
面白そうな科目があれば秋学期は語学学校に通いながらここでも勉強しようというわけだ。

さらに書店に寄って雑誌「WIRED」を購入。
かつて大好きで愛読していた日本語版は休刊になってしまったが、本家本元は健在。
なかなかボリュームのある雑誌だけれど、このくらいは頑張って読みこなしていきたいと思う。

アパートに戻ってUCLA Extensionのカタログを検討する。
ざっと見た中で気になったのはまず「From Showbiz to "Show-Bits": Trends and Transformation in the Entertainment Industry」という科目。
エンタテイメントビジネスがデジタル化やネットワーク化によってどう変質しようとしているのか、現役のライター・プロデューサーと評論家が解説する、とある。
なかなか面白そうじゃないか。

もうひとつは「Fundamentals of New Media for the Entertainment Proffessionals」。
ニューメディアがエンタテイメントの制作、マーケティング、流通にどんな影響を及ぼすか。
上の科目と似ているけれど、こちらはエンタテイメント業界からゲストスピーカーを招いて、より具体的な授業になりそうな感じだ。

ぼちぼちカタログが届き始めた語学学校の選択と合わせてこちらもじっくり考えようと思う。

明日は待ちに待ったチャットの日。
早起きはちょっとつらいけれど、またいろいろな人と話せるのが楽しみだ。


8月19日(木)
午前5時45分起床。

モーニングコーヒーならぬモーニング麦茶を飲みながらチャットに参加する。
これまでのチャットはすべて旅先からだったが、今回は自宅からなので腰を落ち着けて参加することができた。
不思議なもので、何度もチャットで話していると、一度も会ったことがないのにすっかり友だち気分。
1時間があっという間に過ぎてしまった。
「アメリカ大陸横断ドライブ」は終わってしまったけれど、またいつかこういう機会を作れたらいいなと思う。
参加して下さったみなさん、どうもありがとうございました。

チャットが終わったとたんにまた睡魔が襲ってきて、ベッドへ。
起きたのはいつもと同じ昼過ぎだった(笑)。

「英会話スーパーレッスン30分」は10日目まで終了。
アメリカで1年も暮らしていれば当然身に着いていてしかるべき表現も意外に抜け落ちていることが分かって落ち込むことも多いのだけれど、それを確認できるだけでも意味があるんだと自分に言い聞かせる。
あまりに悔しいので、今日から単語帳をつけることにした。

かつてやっていた“テレビ集中視聴法”も再開。
ビデオで何回も見たドラマ「FRIENDS」の再放送を見ていたら、これまで笑えなかったところで笑えた!
おおっ、僕の耳も少しは進歩しているみたいだぞ。
それともキャプションを追う目が進歩したのかな(苦笑)?

「WIRED」を読もうとしたはずなのに手に取ったのはなぜか「33人のサイバーエリート」の方だった。

出版社はハリウッドの映画会社がやってきたように、既存のコンテントを使いまわしてコンテントプロバイダになろうともくろんでいるようだが、これは馬鹿げている。(中略)これがうまくいかないのは、すでに証明ずみだ。インターネットには通用しない。インターネット上ではコンテントは最終結果ではないからだ。コンテントは会話とコミュニティを活性化する原点にほかならない。
(マーケティングマン……テッド・レオンシス)

ちょうどチャットをやったばかりだったので、素直に頭の中に入ってきた。
「Los Angeles留学日記」は僕にとっても最終結果ではない。
もし読んでくれた人たちとのコミュニケーションが皆無だったら、ここまで書き続けて来られたかどうかさえ怪しいもんだ。

同じことを別のサイバーエリートも書いている。

インタラクティビティの第三の利点は、おそらくこれがもっとも重要だろうが、同じコンテクストを共有する他のユーザーと接触できることにある。もはや孤独な消費者でも、一方的放射を受ける受け皿でもない。ある特定のコンテントを昨日経験した、いま経験している、明日経験する誰かとつながっている。コミュニティーの一員となり、コンテントの制作者や提供者だけでなく、そのコンテントに関心を持人々すべてと語りあえるのだ。インタラクティブな行為を通じてコミュニティーが育つのが、この新しい媒体の強みだ。ある作品、テーマ、傾向、考えに関心を持った人たちが集まることによって、作品は進化し、参加者を魅了しつづける。
(山賊……ルイス・ロセット)

頭の中で漠然と感じていたことをうまく言葉で説明してもらった感じだ。

受動的な消費者にコンテントを売るのではなく、消費者が能動的になって、互いに語りあえるコンテクストを創造することにこそ、真の未来がある。作者、読者、出版社のいずれにとっても、物質の世界からビットの世界に変化する時代にあって重要なのは、凍りついたコンテントではなく、絶えず流れつづける語りなのだ。
(市民……ハワード・ラインゴールド)

インターネットが既存のメディアと異なり、もっとも大きな可能性を秘めているのもこの部分だと思う。
マルチメディア・エンタテイメント職人を目指す僕としては絶対に外すことができないポイントだ。

ちなみに、この本の原書である「DIGERATY」が出版されたのは1996年。
日本で翻訳版が出たのが1998年4月だから、約2年のタイムラグがある。
もちろん、当時から日本でも同じことを考えていた人がいないわけではなかっただろうけれど、少なくとも社会的に大きな議論になったという記憶はない。
今ではかなりその差が縮まっていると思うが、やはりアメリカはデジタル先進国なのだ。

もっともっと新しいメディアについて知りたい。
大学のカリキュラムに反映されるまでにはまだ少し時間がかかりそうだから、せめて最新の議論を聞いたり読んだりしたい。

となると、課題はやっぱり英語なんだよな(笑)。


8月20日(金)
正午起床。

昼食の後、いつものように「英会話スーパーレッスン30分」にとりかかる。
今日はなかなかいいペースで進み、13日目まで終了。
毎日CDラジカセに向かってアーウーやっていると、ときどき「オレは何やってるんだろう」と思う瞬間もなくはないのだが、これがいつか自分の血となり肉となり役に立ってくれるはずだ。
いや、そうなってくれなきゃ困る(笑)。

夕方、篠原さんをピックアップしてトーランスのMさん宅へ。
「日本からお友だちが来ているので一緒にご飯でも食べましょう」というお誘いを受けていたのだ。

近くのコリアンレストランでゲストのKさんを囲んでタン塩、カルビ、ユッケ、スンドゥブー、石焼きビビンバという超豪華ディナー。

「長旅から無事帰ってきたお祝いと、今後Macが調子悪くなったときに直しに来てもらう出張費」ということで、なんと、ごちそうになってしまった。
いやぁ、恐縮です。

食事の後、Mさん宅に場所を移してさらにトーク。
今年3月まで某高校の教壇に立っていたMさんとその元同僚であるKさんから聞く教師のホンネや裏話はメチャクチャ面白い。
クラス運営、テストから成績のつけ方、進路指導まで、僕が想像だにしなかった“衝撃の新事実”がポンポン飛び出してくるのだ。
志の高い教師だからこそ直面する苦悩には心から共感できる。

Mさんのホームページの「職員室の内緒話」のコーナーは現在のところ空白になっているけれど、今からとても楽しみだ。
留学生活に余裕ができて、ほとぼりもさめたらぜひ書いて下さいね。
それがニッポンの将来のためです(笑)。

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