「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

大学院99年春8
(1999年4月12日〜)

4月12日(月)

正午起床。
布団から出てカーテンを開けると雨。

そう、L.A.は先週から雨の日が続いている。
一日中ザーザー降るわけではなく、日中は晴れ間が出ることもあるのだけれど、それでも気分はあまりよくない。
もっとも、今日も部屋から一歩も出ないから関係ないといえば関係ないのだけれど(笑)。

というわけで、New Direction in Electronic Mediaのファイナルペーパーに取りかかる。
昨日ひねり出したアイデアを英語に直してペーパーにまとめるのだ。
明日提出しなければならないのは「近代コミュニケーション技術が社会に与えるインパクトについて批評的で重要な疑問を提示し、それに答えよ」というお題の「疑問」の部分。
その後、教授と相談しながら方向性と内容を固めていけばいい。

もちろん、ある程度の「答え」は想定しているけれど、現段階であまり固めすぎると後で身動きがとれなくなる。
それよりも興味のある事柄を広く提案しておこうというのが僕の作戦だ。
で、こんな「疑問」と「切り口」をまとめてみた。

デジタル化、ネットワーク化によってメディアやコンテンツは質的に何が変わり何が変わらないのか? 既存メディアと新メディアの違いは何か?

  • 双方向性(情報の送り手と受け手の間のコミュニケーション)
  • ハイパーテキスト(リンク。情報は一人ぽっちじゃいられない)
  • 匿名性(情報の信頼性とプライバシー)
  • 表現の自由(管理や規制がなく、分権的な構造)
  • 情報の細分化(ナローキャスト)
  • 速報性(情報伝達のスピード)
  • 物理的制限のなさ(紙面や時間からの解放)

情報の価値はどう変わるのか。

  • デジタルコピーは質が劣化しない
  • 誰もが安価、容易、広範囲に情報発信できる(情報の送り手としての平等性)
  • 情報の絶対量が限りなく増加する
  • 脈絡のない情報と編集された情報(データ、知識、知恵)

情報の送り手と受け手の関係はどう変わっていくのか。

  • 細分化された情報とコミュニティー
  • ケーススタディー(シェアウェア作者とユーザーの関係)
  • ネットワーク文化(「連歌」というメタファー)

とりあえず、僕が興味を持っている部分を一通り網羅したという感じ。
本を読んだりクラスディスカッションでなんとなく考えがまとまっているものもあれば答えの見当がつかないものもある。
これを機会にじっくり考えてみるのもいいだろう。

思ったより早く書き上がったので思わずFF8に手を出してしまう。
ああ、明日もまた寝不足だなぁ(笑)。

4月13日(火)

午前9時起床で学校へ。
New Direction in Electronic Mediaの授業だ。
今日はまず先週積み残したメーリングリストやニューズグループによるコミュニケーションについての考察から。

これまでコミュニティーといえば「興味関心」「目的」「所属」などが共通であるだけでなく、「地理的条件」すなわち物理的な距離の近さが重要な要件になっていた。
ところがインターネット上のコミュニティーでは参加者は「距離」から解放された。
地球上のどこにいても同じ条件でコミュニティーに参加することができるのだ。
それだけじゃない。
参加者は必ずしも同じ時間に集まる必要はなく、時間的制約からも解放された。

直接会うのに比べると相手の顔色や声色が分からないというデメリットもあるが、その分、性別、年令、人種、障害の有無にとらわれないというメリットもある。
もちろん、直接会わなければできないこともたくさんあるけれど、バーチャルコミュニティーを全面否定するのも損だ。
目的にあわせて両方のいいとこ取りすればいい、と僕は思う。

クラスディスカッションの途中でなぜかナンパスポットの話に。
「昔はスーパーマーケットが出会いの場だったのが今は本屋のコーヒーショップが流行になっている。さらにインターネットのチャットでナンパする時は…」という流れだ。

そこで僕の頭に浮かんだのは、今年の正月に一時帰国したKosukeから聞いた日本の最新ナンパ情報(笑)。
「鈴木さん、最近はナンパした女の子と電子メールのアドレスを交換するんですよ」
こういう時は自宅の電話よりケータイの番号を使うというのは知っていたけれど、まさか時代がそこまで来ているとは思いもよらず、びっくりしたので覚えていたのだ。

これを学術的に分析すると(笑)、「自宅の電話」→「携帯電話」→「電子メール」の順で相手を時間的に拘束しない。
つまり、相手が捕まりにくいってことだ。
ナンパの世界でも相手を気遣う流れがあるのかな。
もちろん、関係を拒否するのもこの順番でだんだん簡単になる。
識者コメントなら「若者のコミュニケーションが浅薄になっている」とか言うところだろう。

てなことを発言しようと思って構えていたのだけれど、どうしてもタイミングが見つからず、ダメ。
別のネタで教授が「Hiro、これは日本ではどうなっているんだ?」と話をふってくれたのに質問がうまく聞き取れず、Makiちゃんに答えを引き取ってもらうというふがいなさ。
結局、今日の発言はゼロ。
う〜ん、いかんなぁ。

授業の終わりにMidterm Paperとプレゼンテーションの原稿が返却された。
「インターネットはパーティーである」と書いたプレゼンテーション原稿の方は何と100点!
"Excellent work!" なんて書いてある。

よしよし、と思ってMidterm Paperを見ると、なんと点数がついていない!
「OrwellとHuxleyの著作に描かれているような事態は現代のアメリカあるいは日本の文化にどう反映していると思う? それについて会って話そう」と書かれている。
素直に解釈すれば呼び出し&書き直しということだろう。
う〜む、ハズしたか…。

同じ指摘を受けたのはどうやら僕だけではなく、Makiちゃん、Marikoちゃんをはじめ何人ものクラスメイトが呼び出しされているらしい。
ああ、Final Paperを書く前にもう一つ仕事が増えちゃったぞ。

そうそう、ずいぶん前にやった「トゥナイト2」のバンジージャンプレポートが放送1000回記念のVTRで放送されたという情報を日本の知人がメールで知らせてくれた。
見たかったなぁ。

4月14日(水)

午前10時起床で空港へ。
今日からL.A.で留学生活を始めるMさんを迎えに行く。
Mさんは、ちょうど去年の今頃僕のL.A.生活立ち上げを助けてくれた恵さんと僕の共通の友人。
五十ン才にして日本での仕事を辞め、単身アメリカへ渡ってくるという素敵な女性だ。
英語もろくにしゃべれず右も左も分からなかった僕を恵さんが助けてくれたように、今度は僕がお手伝いする番。
少しはお役に立てるかもしれない。

当面のベースキャンプとなる恵さんの部屋に荷物をおいた後、さっそくトーランスの語学学校へ出向いて入学手続き。
次にソーシャルセキュリティーオフィスへ行ったのだが、I-94(アメリカ出入国記録)を忘れてきたことに気づき、申請できなかった。
普通、I-94は空港の入国審査官がパスポートにホッチキスで留めるものなのだが、今日の審査官はそれを忘れていたらしい。
また日を改めて来なければならない。

続いては学校の近くを回りながらアパート探し。
「空室あり」の看板を見つけては管理人さんを訪ねて部屋を見せてもらう。
相場はStudio(日本でいう1K)から1Bedroom(1LDK)で$625〜$700。
いくつか見てみたのだが家賃が思ったより高い。
これまた引き続き探すことになった。

お土産にショートホープと最新雑誌を持ってきて下さった上、夕食に寿司までごちそうしていただいたからには、生活基盤が整うまでしっかりお手伝いさせていただきます(笑)。

アパートに帰ってきて新聞を読んでいたらびっくり。
13日付の朝日新聞に先日スピーチのために探し続けていた世論調査のデータが載っているのだ。
在日米軍基地についてアメリカ人の63%が「いまの程度でよい」と答えているのに対して日本人は同じく63%が「縮小した方がいい」と答えている。
また「日本の憲法に戦争放棄と軍事力は自衛のためにのみ使うことを定めた条文があることを知っていますか」という問いに対して77%のアメリカ人が「まったく知らない」と答えているのだ。

う〜ん、この調査があと10日早く新聞に載っていたらもう少し説得力のあるプレゼンができたのになぁ。
もしかしたらまた同じような機会があるかもしれないと、この記事をしっかり切り抜いて保存したのであった。
見たかったなぁ。

4月15日(木)

午前9時起床で学校へ。
Computer for New Mediaの授業だ。

今日はJavaScriptについて。
テキストに載っているプログラム例を使って「Object」「Function」といった機能やコンセプトを説明していく。
しっかり予習していったつもりだったのだけれど、正直言って、全体的な考え方が漠然と理解できたに過ぎないレベルだ。

授業の後半はそのプログラムを実際に自分で書いてみるという実習。
まずはテキストの例文を丸写ししてきちんと表示されるかどうかを確認する。
…はずなのに僕のプログラムは走らない!

他のクラスメイトは次々に「できた!」と宣言して教授の指示で次の応用例に進んでいるというのに僕はいつまでたっても最初のプログラムでつまずいたままだ。
テキストを写すだけだからどこかに写し間違いがあるに決まっているのだが、目を皿のようにして探しても間違いは見つからない。
たかだか30行くらいのプログラムなのに…。

ジタバタしているうちにタイムアップ!
う〜む、こりゃ前途多難だぞ(笑)。

ドッと疲れが出たのでEnglish Conversation Classを休んで帰宅。
今日のL.A.は久々の快晴。
ギラギラの太陽が夏の到来を告げていた。

4月16日(金)

午前9時起床。
新留学生Mさんの生活立ち上げをお手伝い。
まずはBank of Americaに行って口座開設の手続きをする。

偶然にも担当してくれたのが去年僕の口座開設を担当してくれた人。
たぶんウソだと思うけれど「覚えてるわよ。ずいぶん英語がうまくなったわね」なんて言われれば悪い気はしない。
去年はチンプンカンプンだった説明をしっかり理解できている自分がちょっと嬉しかったりする。

続いてはコンピュータショップでMacの購入をお手伝い。
今、PowerBook G3を買うと64MBのメモリが無料で付いてくるキャンペーン実施中でお値段は$2100。
なかなかいい買い物なんじゃないかな。

今日はランチもディナーもMさんにごちそうになってしまい、逆に恐縮だ。

L.A.の市外局番310が増えすぎたためこの7月から新しく424というエリアコードが追加される。
それに伴い、今日から市内に電話をかけるにも1−310からダイヤルしなければならない。
これまでは7ケタで済んだのにこれからは11ケタ。
ちょっとめんどくさいよなぁ。

4月17日(土)

明日フランスに帰ってしまうオホを囲んでチャイナタウンで飲茶ランチ。
その後、Kojunに髪の毛を切ってもらう。
渡米からまもなく1年になるけれど、まだ一度も美容院には行っていない。
Kojun、ありがとね。

夜、某大物アーティストのレコーディングのためL.A.に来ている音楽制作会社CEO兼プロデューサーのNさんと会う。
Nさんは篠原さんのかつての上司でもあり、ある音楽番組で僕もお世話になった方だ。

「鈴木クンはこっちで何を勉強してるの?」という一言から話題はインターネットと音楽コンテンツの将来像へ。
デジタルコピーと著作権の問題点からネットワークを使った音楽配信までNさんの話は僕の脳みそを刺激しまくる。
なによりも、電話1本机1つの事務所から始めてミリオンセラー続出のヒットメーカーになった人だけに説得力がある。
ファイナルの論文のネタになるどころではない(笑)。

ビバリーヒルズのスターバックスでコーヒーを飲みながら3時間。
別れ際に篠原さんが「ちょっと面白いことを考えているんですよ。企画書書きますよ」と言うと「うん、楽しみにしてるよ」とNさん。
おっ、こりゃ面白い展開になるかもしれないぞ。

4月18日(日)

午前11時起床。
昨夜はゲラの最終校正を朝までやっていたので少し寝不足気味。
でも、今日寝過ぎてしまうとまた生活のリズムが逆転してしまうから無理してベッドから這い出る。

今日はMさんのアパート探しをお手伝いする約束だったのだが、希望に近い物件が見つかったということで予定をキャンセル。
テレビを見たりテキストを読んだりしてゆっくり過ごす。

夜は久しぶりにカボチャの煮物と野菜炒めを作ってディナー。
「古畑任三郎スペシャル」なんてやっていたので、これまた久しぶりに日本語テレビを見てしまう。

ホントはやらなければいけない勉強もあるのだけれど、どうも集中力が続かない。
明日こそは勉強しなくちゃな。

4月19日(日)

午前10時起床。
郵便局に行った後、レポート書き。
教授に赤ペンで指摘された部分を直していく。

例えば「オーウェルやハクスリーの本に書かれている寓話は現在のアメリカや日本の文化にどんな形で反映している?」という書き込みに対して、「インテルは次期チップにユーザーのネットワーク上での行動を捕捉できる機能を追加しようとしている。また日本の警察は自動車のナンバープレートを記録追跡できるシステムを開発済みである。これらはオーウェルのいう“Big Brother”のように人々の行動を監視する潜在力を持っている」という具合。

Gotthoffer教授はアメリカ至上主義でなく日本の事例や文化にも興味を持ってくれるので、僕としてはとてもやりやすい。
もちろん専攻にもよるのだろうけれど、中には「日本では…」という事例を書いてもまったく評価してくれない教授もいるらしいから。

指摘された部分について全て答えていったら分量が指定枚数を超えてしまった。
かと言って全体の構成を考えると削るのも難しい。
結局、ワープロソフトの用紙設定で余白を調整して無理やり5ページに押し込める。

夕方、CD-ROMムービーのキャプションを手直ししていると、日本の某制作会社から電話。
10月から始まる新番組企画書の発注だ。
「今週はちょっと忙しいので時間的な余裕が欲しいんですけど…」と泣きつくと、〆切を28日まで延ばしてくれた。
海を越えてまで仕事をもらえるというのはホントにありがたい限りだ。
気合いを入れて週末に書き上げなければ。

新番組といえばずいぶん前に書いた企画がこの4月から番組として始まったらしい。
テレビ朝日系「D's Garage 21」(東京では水曜日の深夜1時から)。
いったい、どんな番組になったんだろうなぁ。
日系ビデオショップには入荷されるのだろうか?

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