「Los Angeles留学日記」

TOP

留学総合掲示板
総合掲示板過去ログ1
10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20
今日はこれが英語で言えなかった1
  掲示板
L.A.いい店やれる店
掲示板
チャット
書籍版のご紹介
イン的エン屋掲示板

筆者Profile  最新版
学校選び編
TOEFL対策編
出願編
合格〜渡米準備編

渡米〜生活準備編1
コミカレESL編1
98年夏休み編1
大学院98年秋1
10 11
98-99年冬休み編1
大学院99年春1
10 11
99年夏休み1  
アメリカ大陸横断ドライブ1 
10
再び99年夏休み編1
語学学校99年秋1 
1999年12月 
2000年1月 2月 3月 4月
5月 6月 7月 8月
中南米縦断バスの旅
2000年9月 10月 11月 12月
2001年1月 2月 3月
世界一周の旅
2001年9月 10月 11月 12月
2004年〜最新

留学生リンク1  
アメリカ大学リンク
Los Angeles生活便利リンク
スライドショー

CD-ROM付き書籍出版への道1
 
更新履歴1

メール

Civilian casualties update
Amazon.co.jp アソシエイト


「Los Angeles留学日記」

語学学校99年秋4
(1999年10月23日〜)


10月23日(土)
JSA主催のボーリング大会がNorthridgeのCanoga Park Bowlで行われた。

CSUNのJSAはこのところ本当に積極的に活動していて、今日もメンバーはもちろん、Language Exchangeで親しくなったアメリカ人学生、さらにUCLAUSCのJSAリーダーなど、総勢20人以上が集まった。

僕と同じレーンになったのはEric(写真左)とColin。

2人ともLanguage Exchangeに欠かさず顔を出す熱心な学生で、今日もゲームを楽しみながら僕の英語の不自然なところを指摘してくれる。
僕も彼らに日本語を教えるのが面白くてしょうがない。
こういう機会を用意してくれたJSAに感謝だ。

料金は2ゲーム+貸靴代合計で$6.25。
日本より少し安いだろうか。

ゲームが終わった後、みんなで近くのDenny'sへ。
そこでもEricの質問攻撃は終わらない。
テーブルの上の物を次々に指さして「コレハ、ニホンゴデ、ナントイイマスカ?」。

「ミズ」「シオ」「コショー」
教えた単語を使ってすぐにまた質問してくる。
「ミズハ、イカガデスカ?」
「シオハ、イリマスカ?」

偉いなぁ。
この熱心さは見習うべきものがある。
僕もこのくらい積極的にできたら英語の上達が早いだろうに。
もうちょっと「先生」を活用しなくっちゃな。


10月26日(火)
待ちに待ったUCLA Extensionの授業が始まった。
授業は午後7時から10時までの3時間。
部屋を出た瞬間に肌寒さを感じ、今年初めて長袖のジャケットをはおった。
日中はまだ30度近くなることがあるL.A.だが、秋は確実にやって来ているようだ。

Fundamentals of New Media for Entertainment Professionals(エンタテイメントのプロのためのニューメディア基礎)の担当講師は現役のデジタルメディア・コンサルタントてもあるChaz Austin先生。

教室内に持ち込んだPowerbookからプロジェクターに自分のホームページを映し出し、いきなり「この業界では自分のホームページが名刺代わり。メールアドレスを持っていないのは電話を引いていないのと同じだ」とかましてくれる。
なんでも、学術分野に解放されたインターネットがUCLAでつながった歴史的瞬間にも立ち会ったのだという。

生徒はざっと40人。
平均年齢は35才くらいだろうか。
ひとりずつ自己紹介することになった。

面白かったのはこの生徒たちの職業が多岐に渡っていたこと。
CGクリエイター、ウェブデザイナー、アニメーター、コンピュータインストラクターといったデジタル関連の職業はもちろんのこと、テレビプロデューサー、CMディレクター、映画会社マネージャー、レコード会社ディレクター、ビデオディレクター、ライターなどのメディア関連、さらには弁護士、作曲家と、各業界のプロが集まっていた。
「ここに集まった人間だけでエンタテイメントの作品が作れるな」という先生の言葉もまんざらウソじゃない。
裏技だけど、メディア関連のインターンシップや就職を探している学生がこのクラスにくればいくらでもコネが見つかるだろう。

僕でも知っている有名企業で働く人たちが「自分のキャリアやコンテントをどうすればインターネットに展開できるのか知りたい」と期待を語る。
さすがは“プロのための”クラスだ。

40人の自己紹介を聞きながら、先生はデジタル業界のこぼれ話を雑談風に語る。
CD-ROMやDVD-ROMとウェブの違いと連動方法、MP3と著作権の問題、インターネット物販とプライバシーの問題など生徒の職業に関連した話題が脈絡なく飛び出してきた。
ボソボソッとしゃべるので若干聞きづらいが、集中していれば7割方は大丈夫。
基本的な知識があったのがよかったのだろう。

先生が最も強調していたのは「インターネットはテレビやラジオなどの伝統的メディアと異なるカルチャーを持っている」「この新しいメディアで何が成功するかは映画会社もテレビ局も、私も知らない。だからこそ誰にでもチャンスがあるのだ」ということ。
うん、いいぞ、いいぞ。

シラバスによると、来週以降毎回ゲストスピーカーが招かれるとのこと。
7週目に試験はあるが、成績に占める割合は40%。
残りの60%は出席点だ。

テキストは「The Interactive Book」(Celia Pearce著)。
600ページもある大作で、おそらく授業では一部しか使わないだろうが、一応Amazon.comで購入しておこう。

3時間の授業はあっという間に終了。
駐車場に入ろうとして驚いた。
さっきまで同じ教室で授業を受けていたクラスメイトたちがベンツやBMWといった超高級車で帰っていくではないか!
今までの学校でこんな光景は見たことがない。
やっぱり、みんな各業界の第一線で働いているプロなのだ。
先生の授業も楽しみだけど、彼らの話を聞くのも面白そうだなぁ。


10月27日(水)
学校帰りに買い物しようと、いつものディスカウントスーパーMax Foodsへ行くってびっくり!

看板は外され、扉が閉まっている。
え〜っ、つぶれちゃったの!?

そういえば、先日来たときに商品の数が少なくなっていたのには気づいていたが、「棚卸しなんだろう」くらいにしか思っていなかった。
それがいきなりの閉店とは……。

日系スーパーでしか買えない一部の食料品を除き、我が家の冷蔵庫のほとんどを調達してきたMax Foods。
もう「トマトソース8缶1ドル」の安売りにはお目にかかれないのか。
う〜む、キッチンペーパーを買いだめして置いたのがちょっと救いだけど(笑)。

帰宅して読書。
「恋愛中毒」(山本文緒・著/角川書店)読了。

自分では「正気」だと思っていることが他人には「狂気」になってしまうのが恋愛のやっかいなところだ。
もちろん程度問題だけれど。
誰も傷つけず、誰にも迷惑をかけずにできる恋愛なんてあるのかなぁ。

それにしても「Loveholic」だなんて、タイトルがうまい。
吉川英治文学新人賞はけっこう当たりが多いと思う。

続いて「『少年A』この子を生んで」(文芸春秋・刊)を読み始める。
神戸連続児童殺傷事件の犯人とされる少年Aの父母の手記だ。
「狂気」的殺人を犯した少年Aは精神鑑定の結果「正気」だったと判断されたんだよなぁ。

そうそう、去年「社会人留学」の記事で取材を受けた雑誌「エグゼクティブ」の編集者稲田さんからメールが届いていた。
なんでも来月発売号の「ライター・作家になる」という特集記事の中の「インターネットからライター・作家になる」というコラムで、僕の本とホームページを紹介して下さるとのこと。
なんだかくすぐったいけれど、ありがたい。
書店で見かけたらぜひチェックしてみて下さいね。


10月28日(木)
一昨日Amazon.comでオーダーしたUCLA Extensionのテキストがもう郵便受けに届いていた。
注文してからわずか1日半というスピードデリバリー。
郵送料金を足しても定価より安いし、これならわざわざ書店まで買いに行く必要はない。
人気の秘密が分かるような気がする。
日本でも大手書店や取次が本のインターネット通販に乗り出すという記事を見るけれど、値段はいったいどうなるんだろう?
再販制度がある限りディスカウントは難しいのかなぁ。

今日は週に1度のLanguage Exchangeの日。
話のタネにでもなればと部屋にあった半年以上前の「少年マガジン」を持って教室へ向かう。

今日のパートナーは「めぞん一刻」のファンだというLoc。

日本人に見えなくもないが、日本語はまったくの初心者。
マンガより巻頭グラビアの加藤あいちゃんを見て「She's really cute!」と喜んでくれた。

先日、語学学校で配られたリダクションのプリントを見せながら、彼にいろいろ聞いてみる。
それによると、「『Can I』を『カイ』って発音するのはよっぽど早口でしゃべる人じゃないかな。『キャナイ』で大丈夫だよ」だとか。
その他の表現は「インフォーマルだけどニュースアナウンサーも使ってるくらいだから慣れた方がいい」らしい。
う〜む、やっぱり「a lot of」は「アラダ」なのだ(笑)。

プログラムの後、JSAのメンバーとキャンパス近くの定食屋へ。

激辛カレーに「too hot!」を連発するEricは覚えたての「ミズクダサイ」をさっそく実地で使ったのだった。


10月29日(金)
毎度おなじみ、CSUNのCoffee Hourへ。
すっかり常連のGregやLanguage Exchangeで一緒のColinとなんのことはない世間話をする。

ここ1ヶ月くらい、英語の上達曲線が高原状態でとどまっているような気がしてならない。
あらゆる機会を逃さず英語に触れてはいるのだけれど、自分で進歩の実感がないのだ。

いわゆる暗記ものと違い、語学力は努力に比例して伸びるわけじゃないという話をよく聞くが、この高原状態は精神的にツライ。
頑張り続ければいつか高原状態から抜け出すと信じてはいるのだけれど、なんだか、ゴールのないマラソンを走っているような気がしてくるのだ。
なにか目先を変えて気分転換でもしたいなぁ。

一旦帰宅して久しぶりにKondo Motorsでオイルチェンジがてら車の簡単な点検をしてもらう。
調子がいいとはいえ10年以上前の車だからこまめなチェックは必要不可欠。
なにしろ車が動かなくなってしまったら学校にすら行けなくなってしまうのだから。

担当の森田さんによると、「ラジエーターをそろそろ換えた方がいいと思う」との診断。
う〜む、痛い出費だけれど、トラブルが発生してからじゃ目も当てられない。
できるだけ早く時間を見つけてやってもらうことにした。

夜、JSN(Japanese Student Network[仮称])のミーティングに顔を出す。
JSNとはCSUNUCLAUSCの3校横断的な日本人留学生会のこと。
CSUN-JSAの会長勝治が「鈴木さんをみんなに紹介しますよ」と誘ってくれたのだ。

つい最近までL.A.エリアの大学に通う日本人留学生の組織だった横のつながりは以前ほど強くなかったらしい。
それが、CSUN-JSAの立ち上げと時を同じくして再び交流の機運が高まっているのだという。

2時間以上も繰り広げられる真剣な議論を聞いていたら、大学時代(おおっ、なんと10年前だ!)のサークル活動を思い出した。
あの頃はしょっちゅう高田馬場の深夜喫茶で仲間と朝まで議論したっけ。
懐かしいなぁ。

そうか、アパートと学校を往復するだけの僕と違って、もっと「青春」っぽい留学生活もあるんだ。
なんだかちょっぴりうらやましいような気がした。


10月30日(土)
ハロウィーンの週末。
テレビニュースのお天気コーナーでは仮装した人々でにぎわうSanta Monicaからの生中継をしている。
そういえば去年は僕もWest Hollywoodのパレードを見に行ったっけなぁ。

が、今年は特に出かける予定もなく、アパートの部屋でテレビと読書。
「伽藍とバザール オープンソース・ソフトLinuxマニュフェスト」(エリック・スティーブン・レイモンド 著/山形浩生 訳・解説/光芒社)を読み始める。
これはLInuxに代表されるフリーソフト・オープンソース開発の新しい方法論についての分析論文だ。

誰かが全体の見取り図を書き、それにあわせてチームのメンバーが割り当てられた部分を構築し、それをリーダーがきちんとチェックしていくという中央集権的な「伽藍」方式。
一方、「バザール」方式とは、あるソースコードを元に参加者が勝手に機能追加やバグ取りをしていくやり方だ。

Linuxは、一見、荒唐無稽な「バザール」方式によって高い成果を上げることができた。
いったい、なぜそんなことが可能だったのか?
そして、それはソフト産業をどう変えるのか?
ハッカー(クラッカーとは区別される)コミュニティーで起きた新しい現象を社会学的、心理学的、経済学的なアプローチで分析している。

インターネットで生まれた新しいカルチャーは既存理論では説明しがたい組織論やビジネス論を生み出しつつあるのかもしれない。
僕にとっても十分刺激的だけれど、斬新すぎて根本から理解するにはもう少し時間がかかりそうな気がする。


10月31日(日)
「伽藍とバザール」(エリック・スティーブン・レイモンド 著/山形浩生 訳・解説/光芒社)読了。
面白かった。

僕はプログラマーじゃないけれど、デジタルの世界で何か新しいもの、面白いものを作りたいと思っている。
この新しい舞台ではこれまでのもの作りの常識を否定するような組織論や人間関係や経済力学がはたらくという仮説は僕にとって十分説得力を持っていたし、刺激的だ。

なにしろ、Netscape社がブラウザのコードを公開したのはこの論文の影響だというから、説得力はお墨付き。
あの天下のMicrosoftでさえ、オープンソースへの対抗手段を真剣に検討したというのだ。
この社内文書は「ハロウィーン文書」(それを1年後のハロウィーンの日に見つけたなんて偶然だなぁ)と呼ばれ、「伽藍とバザール」本文と共に山形浩生 さんのホームページで日本語訳が公開されている。

うまく説明できないけれど、何かが大きく変わりつつあるんだということだけで楽しくなってくる。
この本をテキストにしてディスカッションするクラスなんてないのかなぁ。
英語じゃついていけそうにないから、できれば日本語で(笑)。

夜、仲間が我が家に集まってKanaちゃんのバースデーパーティー。
その後、近所のデニーズにくり出して、$1.40のコーヒーでねばりながらダベる、ダベる。
店内に仮装姿のお客さんがいるので初めてハロウィーンを実感した。

テレビ朝日「トゥナイト2」の橘寛基ディレクターからメール。
渡辺浩弐さんが『SPA!』に連載中のコラム『バーチャリアン日記』で鈴木さんのこと書いてますよ」
ええっ、そりゃびっくりだ。
いったいどんなこと書いてるんだろう?
まさか悪口じゃないよなぁ(笑)。
さっそく明日、ヤオハンで立ち読みしなきゃ。

「語学学校99年秋3」  「語学学校99年秋5」