「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

98年夏休み編2
(1998年8月13日〜)

8月13日(木)

いよいよ引っ越し。
篠原さん、Mikioさん、そしてKenの3人が手伝いに来てくれた。
特に篠原さんの愛車であるピックアップトラックは引っ越しの時に重宝でありがたい。

一番大きな荷物はテレビというお手軽な引っ越し。
2時間で全てが完了した。

これまで住んでいたアパートは家具付きだったのだが、新居は家具なし。
テーブルや机など買い揃えなければならないモノもいくつかあるが、とりあえず必要なのはベッドだ。
といってもフルセットのベッドを買うつもりはさらさらない。
とりあえずマットレスだけあれば十分だ。

町の中を車で走っていると時々見かけるマットレス屋(というのがあるのだ)でクイーンサイズのマットレスを税込み$119で購入。
最初の言い値は税別$129だったのをねばって値切ってもらったのだ。
カリフォルニア州の消費税は8.25%だから約$20得したことになる。
う〜ん、いい買い物かもしれない。

部屋に置いてみるとこんな感じ。

前の家具付きアパートのベッドでは長さが足りず足首がはみ出してしまっていたのだが、これならOK。
安眠できそうだ。

続いて、ディスカウントストアで簡易浄水器を購入。

お値段は$39.99。
上部から水道水を入れるとフィルターを通って浄水が下部にたまるというもの。
もちろん、このまま冷蔵庫で保管も可能。
これさえあれば、わざわざポリタンクを持って重たい飲料水を買いに行かなくても済むはずだ。

後はテーブルと勉強用の机、欲を言えばテレビ用ラックとソファーがあれば完璧だ。
夏休みのうちに買いに行こうと思う。

8月14日(金)

昼頃、ケーブルテレビ会社のサービスマンがやって来て接続をやってくれた。
電話も通じるようになったし、これで最低限の文化的基盤は整った。
何より僕が必死の英語で依頼したのがちゃんと通じていたのが嬉しい。

前のアパートに行って正式な解約手続き。
鍵と駐車場ゲート用のリモコンを返却しただけで部屋のチェックも何もなし。
拍子抜けするような簡単さだった。
入居時に支払ったセキュリティーデポジット(保証金)は後日小切手が新住所に送られてくるということだ。

小切手と言えば、Santa Monica Collegeからキャンセル分の授業料$449が小切手で送られてきていた。
それから、長距離電話のAT&Tから「今、乗り換えれば$50差し上げます」という小切手が送られてきていた。
かつて申し込み時、パスポートや銀行口座明細のコピーを送らせたあげく契約を拒否したくせに、である。

アメリカの長距離電話会社は競争が激しく、あの手この手で競合他社から顧客を引き抜こうとしている。
中には数カ月ごとに会社を乗り換えて、様々な特典を享受している人もいるくらいだ。
僕もそうしようとこの小切手を換金することにした。

というわけで、我がメインバンクBank of Americaへ。

これまで小切手で支払うことはあっても受け取ったことがなかったので、換金の方法が分からない。
顧客係の女性に聞くと、小切手の裏にサインすればその場で現金化できるし、そのままATMで自分の口座に入金もできるという。

ものは試しとATMを使った入金をやってみることにした。
要領は日本の銀行のATMで入金するのと同じ。
だが、機械は小切手を読みとることが出来ないので、紙幣や小切手を備え付けの封筒に入れて自分でその金額を打ち込むというやり方だ。
$449+$50=$499とキーパッドから打ち込み、封筒ごとATMに挿入する。
後日、口座の明細が郵送されてくるようだが、今ひとつ信用できない違和感は残る。
ま、みんなそうやってるのだから大丈夫なのだろう。

続いては、空っぽの冷蔵庫を埋めるべく超安売りスーパーMax Foodsへ。
1週間分の食料品を調達する。

いつも車ではヒアリングの練習を兼ねてAMのニュースラジオを聴いているのだが、今日は何となくFMをつけてみた。
聞いたことのない、爽やかな曲が流れてきた。
L.A.の青い空にとてもよく似合う曲だ。
何だか気分まで澄み切ってくるような曲。
一人で車を走らせながら、この街のことが前よりもっと好きになっていく気がした。

夜、1ヶ月後に帰国するというNaruちゃんの家へ。
“帰国セール”で家具などを安く譲ってもらえるという話を聞いていたからだ。

彼女が処分したがっているのは豪華なソファー。
僕にはもったいないくらいの代物だが、その他にテーブルや照明器具などもセットにしてくれるということで商談成立。
とりあえず第1弾としてテーブルを受け取る。

帰宅して早速、パソコンをセッティングしてみた。

とりあえずこれで寝転がりながら勉強しなくても済む。

8月15日(土)

新居での生活も丸2日。
実際に生活し始めていくつか不具合(というほどのことじゃないけれど)が見つかった。

まずはキッチン。

戸棚の取っ手がないのが1カ所、外れかけているのが1カ所ある。

そしてバスルーム。

折れそうになっているタオルかけと水が真っ直ぐ出ない蛇口。

どれも普通に生活する分には困らない程度のものだが、退去時に修理代を請求されてはたまらない。
デジカメで証拠写真を撮り、管理人さんに報告しておくことにした。
プリントアウトしたものを持って部屋を訪ねたのだが、不在。
やはりバケーションに入ってしまっているようだ。

インターネットにつなごうとしてびっくり。
昨日はつながった電話が何故かつながらなくなっているのだ。
電話をかけようとすると「こちらはGTE(ローカル電話会社の名称)です。電話サービスを開始するためには一旦電話を切り、『43』をダイヤルして下さい」というアナウンスが流れるのみ。
何度『43』をダイヤルしてもつながらない。
もちろん、当のGTEにも電話できないのだから困ってしまう。
まあ、急ぎの用事もないのでしばらく様子を見ることにしよう。

午後はこちらも引っ越したばかりの篠原さんと家具を見に行く。
目指すはL.A.郊外に店を構えるIKEAという店。

スウェーデンの家具メーカーIKEAは日本では高級インテリアとして知られているらしいが、こちらでは割安な組立式家具というイメージ。
巨大店の内部は丸井インテリア館やIn the Roomのような品揃え。
ただし、値段は日本よりずっと安いと思う。

僕が購入したのは$24.95のテレビラックと$49.95のコーヒーテーブル。
無駄遣いは避けたいが、必要最低限は仕方あるまい。
コーヒーテーブルは勉強机として使う予定だ。
さっそく部屋に戻ってセッティング。

だだっ広いリビングがようやく部屋らしくなってきた。

8月17日(月)

引っ越しも落ち着いて再び勉強の毎日が始まった。

今日はモニカ・ルインスキーについてクリントン大統領がビデオ証言するというのでテレビはそればかり。
そんなニュースを見ていたら、何と文化放送「梶原しげるの本気でDONDON」(月〜金 11:00〜13:00)から取材の電話がかかってきた。
この番組は僕が9年間に渡り“ニュース探検隊員”として身も心も捧げた名番組。
(ホントにいい番組です。関東エリアの方、ぜひ聴いてみて下さい! クセになりますよ)
今でも心は“Los Angeles特派探検隊員”だ。
前回はバイアグラについてレポートしたが、今回はモニカ・ルインスキーについて。
タイミングが良すぎる!

と言っても僕がアメリカ政治を語れるわけもなく(笑)、取材の内容は「モニカ・ルインスキーが住んでるBrentwoodってどんなところ?」というもの。
まさにこの2〜3週間僕がアパート探しをしたエリアじゃないか。
しかも、新居からは車で5〜10分のご近所さんだ(笑)。

L.A.歴の長い留学生仲間にも追加取材を敢行。
「O.J.シンプソンやシンディー・クロフォードも住んでいた高級住宅街で、残念ながら僕には手が出なかった(笑)」というようなことを電話でレポートする。
さらに「僕の周りの学生たちは一連の報道に辟易しているようだ」「大統領のビデオ証言は発音がクリアで聞き取りやすかった」と留学生らしい(?)コメントも。
スタジオのデイブ・スペクターさんは何故か笑っていた。

キャスターの梶原さんは娘さんが現在留学中ということもあり、このホームページを時々覗いてくれているという。
ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。

8月19日(水)

部屋に閉じこもりっきりの毎日が続いていたが、そろそろ冷蔵庫の中が寂しくなってきた。
というわけで、買い出しに出かけることにした。

アパートから歩いて7〜8分の距離にあるSawtelle Place。
このショッピングモールを中心に2ブロックほどの日本人街がある。

本屋もあれば定食屋もある。
中でも僕が一番お世話になっているのがスーパーマーケット「Nijiya」だ。

今日は納豆(3個入りパック$1.99)と絹ごし豆腐(89¢)を購入。
肉や野菜は他のスーパーでも買えるが、日本食はやはり日系スーパーでしか入手できない。
そして忘れちゃいけないのが無料のスポーツ新聞「日刊サン」。

毎日夕方に店頭に置かれる貴重な情報源だ。


そのすぐ隣にあるのがレンタルビデオショップ「Jun」。
普通の映画ビデオ(もちろん日本語字幕つき)が2泊3日で$2。
日本のテレビ番組のビデオが同じく2泊3日で$1だ。
覗いてみると、僕が渡米直前まで担当していたテレビ朝日「Break Out」の最新版が入荷していたので借りてくる。

次に電化製品のディスカウント店「Best Buy」へ。

FAXのトナーが切れかかっているので買いに行ったのだが、店頭在庫も品切れ。
金曜日に入荷するということなのでまた行こう。

夕方、Kojunから電話。
なんでも明日メルローズの古着屋でめちゃくちゃな安売りが行われるという。
どのくらい安いかというと、ジーンズからTシャツまでとにかく何でもたったの$1!
面白そうだから行ってみることにした。
その報告はまた明日。

8月20日(木)

行って来ました! 古着屋の$1セール!

店の目の前に車を停め、さっそく宝の山を物色に入る。

ずらっと並んだワゴンの上にありとあらゆる洋服が無造作に積まれている。
そもそも僕は洋服に興味がある方ではないのだけれど、それでも「全部$1」という値段は魅力的だ。

炎天下、吹き出す汗をものともせず、黙々と洋服の山をかき分ける。
ジーンズやシャツはもちろん、ドレス、革ジャン、さらには何故かブラジャーやよだれかけまで飛び出してくるのには驚いた。
日本の古着屋が仕入れていけば渋谷や原宿あたりで「500円均一」とやっても十分売れるに違いない。

一番のお目当てはジーンズだったのだが、自分のサイズが見つからない。
いや、この山のどこかにきっと眠っているのだろうけれど、それを見つける前にあきらめてしまったのだ。
代わりにアディダスのスウェットパンツとシャツを各1枚Get。
一緒に行ったKojunはジーンズ3本とシャツ4枚をGetした。

会計を済ませて車に戻ってくるとフロントガラスのところになにやら白い封筒が…。
いやぁな予感を感じながら封筒を開けてみると、案の定、駐車違反のチケットだった。
パーキングメーターはたった10分しか超過してないのに…。

L.A.に来てからたった3ヶ月で早くも2回目の交通違反。
オレってそんなに悪人だったのか(笑)。

駐車違反では反則ポイントはつかないということだが、罰金$30は払わなければならない。
せっかく安い買い物をしたのに得した分がチャラになってしまった気分。
う〜ん、LAPDを甘く見てはいけない(笑)。

8月21日(金)

篠原さんから借りた「The Firm」(トムクルーズ主演で映画化された小説「法律事務所」)の原書を読んだり、テレビを見たりしていたら、あっという間に1日が過ぎてしまう。

そろそろ自分で勉強するのにも飽きてきた(笑)。
英語力が足りないのは重々承知の上だが、それでも早く学校の勉強を始めたい。
締め切りがない勉強というのはどうしてもだらけてしまうのだ。

夕方、借りたビデオを返しに行く。

授業が始まるまであと10日…。

8月22日(土)

アメリカ永住権(グリーンカード)宝くじの応募要項が発表されたという情報をインターネットで入手。
特にアメリカに永住しようというつもりはないのだが、市民になると州立大学の学費が10分の1近くになるというメリットは見逃せない。
しっかり日本語で書かれたアメリカ大使館のホームページ(http://www.usia.gov/abtusia/posts/JA1/wwwt2366.txt)をチェックする。(リンクしちゃいけないらしいのでアドレスを書いておきます。ああ、こんなところに書いちゃったらただでさえ低い当選確率がますます低くなっちゃうかな(笑))。

Jwaveの「TOKIO LIFE」という番組を担当している後輩の放送作家から「何かLos Angelesの面白い最新情報ありませんかねぇ?」というメールをもらう。
流行の最先端とはほど遠い生活をしている僕だが、ここは何とか協力しなければ。
日本からの観光客に役立つ情報ということで「ディズニーランドの新しくなったTomorrow Land」と「最近、地元の若者に人気(らしい)ショッピングエリアLos Feliz」についてこちらのフリーペーパーの記事をFAXする。
オンエアは27日(木)の予定とか。
聴ける人はぜひチェックしてみて下さい。

夜は留学生仲間が10人ほどKojunのアパートに集まってKaoruちゃんの手作り餃子パーティー。
一人$4.50ずつ出し合って、苦しくなるほど餃子を食べる。
これが旨いんだ。
Kaoruちゃん、どうもごちそうさま。
ありがとう。

夏休みを利用して日本に帰っていた仲間たちも戻ってきているのだが、一番嬉しいお土産は帰国中に録画してもらった日本のテレビ番組のビデオだ。
番組が楽しいのはもちろんだが、驚くのはCMのほとんどが見たこともないものになっていること。
たった3ヶ月でほとんどのCMが入れ替わっているなんて日本にいるときは気づかなかった。

満腹になった後は、何故か朝までトランプの「大貧民」で盛り上がった。

8月23日(日)

徹夜明けで昼過ぎに起床。
引っ越し後初めて洗濯していたら、アパートのコインランドリーで$20札を2枚拾う。
ラッキー!

実家から送ってもらった日本の雑誌を読んでいたら、あっという間に夜になってしまった。
これで2日間英語の勉強をさぼってしまっている。
いかんなぁ。来週はちゃんとやるぞ!

8月24日(月)

午前11時起床。
朝食兼昼食をとった後、歩いて近くの郵便局へ。

午後はひたすら字幕つきテレビを見る。
授業が始まるまであと1週間。
少しずつではあるが、耳が慣れてきた実感はある。

夕方、「日刊サン」が置かれる時間を見計らって買い物へ。
ヤオハンで日本製のシャンプーを買おうと思ったのだが、何と750mlボトルが$16.99!
う〜ん、高すぎる。

これまではアメリカ製のシャンプーを使っていたのだが、どうも日本人の髪質には合わないのだ。
ボディーソープはどれも何故か“モイスチャー効果”の成分が含まれていて、洗い終わった後の肌がスキッとしない。
リンスインシャンプーで身体を洗った感じといえばお分かりいただけるだろうか。

結局、ヤオハンでは安売りの卵(1ダース89¢)だけを買い、ディスカウントスーパーMax Foodsへ。

1週間分の食料を買い込む。

続いてタバコのディスカウント店、その名もCigarettes Cheaperへ。

アメリカでは日本と違ってタバコの値段が販売店によって違う。
普通のスーパーで買うとマルボロが1箱$2.20くらいするのだが、この店では$1.89。
この差は大きい。

なんだか最近、安売りのチラシをチェックするのが楽しくなってきた(笑)。
それにしてもこの円安は何とかして欲しいのだが…。

8月25日(火)

日本でベストセラーになっていた「三本の矢」(榊東行・著/早川書房)を実家から送ってもらって読み始めたのだが、英語の勉強そっちのけでハマってしまっている。

大蔵省内の財政組VS金融組の対立が実は東大法学部VS経済学部の対立であり、特に後者はアメリカ留学の経験を持ちアメリカ流の経済学理論を信奉しているというあたりは、全く畑違いといえども一留学生として考えさせられるところがある。
まだ上巻を読み終わっただけなのだが。

僕がこれから学ぼうとしているマルチメディアの分野も確かにアメリカ流がグローバルスタンダードになろうとしているようだ。
しかし、それがはたして異なる社会、特に日本にそのまま適合され得るのか、あるいはされるべきなのか。
今後アメリカ流を学ぶにつれて、こうした葛藤が自分の中で重要なテーマになってくるのだろう。
無知であるが故にアメリカ至上主義でも日本万歳主義でもない僕は数年後この問題にどう決着をつけているのだろうか?

偶然だが「文明の衝突」(サミュエル・ハンチントン著/集英社)がまもなく実家から送られてくることになっている。

8月26日(水)

「三本の矢」読了。面白かった。
これから大蔵省や金融関係のニュースの見方がちょっと変わるかも。

来週からの通学に備えて車のオイル交換をするためKondo Motorsへ。
いつもお世話になっている森田さんは、またまたオートキャンプに行って来たそうだ。
スケールの大きい自然の中で釣り竿をたれているという話は聞いているだけで羨ましくなる。
金銭的に余裕があったらこちらにいるうちに1回くらいは行ってみたいなぁ。
オイル交換とワイパーブレード交換で$55.63。

来月日本に帰国するNaruちゃんの「クルマ売ります」のチラシ作り。
家具や小物を格安で譲ってもらうせめてもの恩返しだ。
デジカメで撮った写真を取り込んでカラープリンターで印刷すると、なかなか見栄えのいいチラシが完成。
94年式 TOYOTA CELICA 走行距離29,000マイルで$12,000。
出来上がったチラシはヤオハンなど日系スーパーの掲示板に貼るという。
さて、チラシの効果はいかに!?

夏休みに日本に帰っていたKanaちゃんがお土産のとんこつラーメンをごちそうしてくれるというお誘いを受けてKojunの家へ。
こちらのスーパーでもみそ、しょうゆ、塩のインスタントラーメンは売っているのだが、何故かとんこつはない。
とんこつ味はアメリカ人の味覚に合わないのだろうか?
久々に食べたとんこつラーメンは旨かった。

8月27日(木)

朝9時半、電話のベルで起こされる。
「Hello?」
寝ぼけ眼で受話器を取ると、何やら早口の英語でまくし立ててくる。
こんな時間に英語で電話がかかってくる心当たりもなかったので「誰にかけているんですか? 番号を間違えていませんか?」と聞くと、「この電話の権利者であるHirofumi SUZUKIと話したい」という。
英会話の本で覚えたばかりの「Speaking.(今しゃべっている僕がそうだよ)」と言うと(スラッと出てきてちょっと嬉しかった)、さらに早口でまくしたててくる。

何事かと必死で聞いていると、「long distance call」「money saving」「less cost than AT&T」というフレーズが聞き取れた。
どうやら長距離電話会社のセールスのようだ。
しばらく聞いていたが、興味がなかったし面倒くさかったので「I don't need it」と言って断ろうとした。
相手もめげずに「Don't you want to save money?」と聞いてきたので「Yes」と言って受話器を置く。

電話を切ってから気づいたのだが、「お金を節約したくないのか?」と否定疑問文で聞かれたとき、「したくない」と答えるには「No」と答えなきゃいけないんじゃないか。
ああ、こんな基本ができないなんて情けないなぁ。
もうちょっとつき合って英会話の勉強に使えばよかった(笑)。

朝食の後、だらだらしていたら、再び電話。しかも英語だ。
またセールスか? と思いながらよく聞くとCalifornia State University, Northridgeから明日の留学生オリエンテーションの会場が変更になったという知らせだった。

「ぷれいす ちぇいんじ とぅもろう?」と何度も聞き返して確認する。
それにしても留学生相手なんだからもうちょっとゆっくりしゃべってくれてもいいじゃないか、なんて甘えたことを考えつつ、場所をしっかり確認する。

最後に「知らせてくれてありがとう」と言おうとして口をついて出たのが「Thank you for knowing」。
「知っててくれてありがとう」? なんじゃそりゃ。
電話の向こうでお姉さんがクスッと笑った。
ホントは「Thank you for letting me know」って言おうとしたんだよぉ。
う〜ん、まだまだ全然なってないな、英会話。

午後からCBS「Inside Edition」という番組を録画したテープを見て、内容をメモする。
実は、この番組のVTRを録画して簡単なキャプションと一緒に送るというのが僕の貴重なアルバイト。
日本でお世話になった放送作家の先輩、笹生八穂子様(名前、出しちゃいました(笑))がインターナショナルにネタを探していらっしゃるのだ。

毎日午後3時から放送している30分番組なのだが、字幕を読むために何度も巻き戻し、辞書を引きながらやっていると1本につきゆうに1時間はかかってしまう。
しかし、英語の勉強をしながらバイト代ももらえるのだからありがたい。
英語力が上達すればもう少し効率的にできるとは思うのだけれど。

「Inside Edition」のホームページには「Today's top story」というコーナーがあるのだが、ここに内容が書かれていたのを見たことがない。
しっかりしてくれ、ウエブマスター!

8月28日(金)

朝7時起床。朝食。
今日はCalifornia State University, Northridgeの留学生オリエンテーション。
午前9時が集合時間なのだが、フリーウェイの渋滞に巻き込まれたときのことを考え、1時間前に家を出る。

ところが、何故か渋滞が全くない!
何とわずか20分で大学に到着してしまった。
時間がたっぷりあったので、暇をつぶそうと構内のブックストアへ。

すると、各授業で使うテキストがすでに売られている。
というわけで、さっそく購入。
「Writing for New Media」($12.80)と「Corporate & Organizational Video」($61.90)。
いずれも新品より2〜3割安い中古本だ。
もう1冊のテキストは9月1日入荷予定と書かれている。

で、時間を見計らって昨日変更の連絡をもらったオリエンテーション会場へ。
会場は日本の中学高校の体育館を少し狭くしたくらいのホールで、約120人の留学生がグループに分かれて座っている。
ざっと見渡した感じ、アジア系の留学生が半分くらいを占めているだろうか。
日本人も20人くらいはいるようだ。

僕のグループは全員が大学院への留学生。
中国人と台湾人が各4人、スウェーデン人、イスラエル人が各1人、日本人は僕だけだった。
専攻を聞いてみると、中国人と台湾人は全員がビジネス(いわゆるMBAですな)、スウェーデン人とイスラエル人はコンピュータサイエンスだという。

ホールの中にはパンの朝食がセルフサービスで用意されていた。
コーヒーはスターバックスのポットに入っている。
う〜ん、朝食を食べてこなければよかった(苦笑)。

まずは別の会場に移って大学紹介のフィルム鑑賞。
誰が作ったのか知らないが、これがなかなかよく出来ている。
クリントン大統領が来たときの(恐らく94年の大地震直後に行われた激励講演)「California State University, Northridgeはまさにアメリカを象徴する大学である。どんな困難にぶつかってもそれを克服できるエネルギーが渦巻いている。君たちCSUNの学生諸君なら必ずやそれを成し遂げるだろう!」なんていうスピーチが盛り込まれたりしていて、ごく自然に愛校心をかき立てる作りになっているのだ。
特に音楽の使い方が効果的だった。

続いては、Financial Aid Office、カウンセリング室、留学生課など大学の各セクションの代表をパネリストにした説明会。
これまた司会者の質問に対して1人は必ずウソをついているというウソつき探しゲーム仕掛けになっていて楽しませてくれる。
学生たちは各自「Truth」「Liar」と書かれた札を持って「ウソつき〜!」と叫んで盛り上がるのだ。
それにしてもFinancial Aid Officeのお偉いさんが「我々は学生諸君への財政援助としてCSUN宝くじを実施しています」と真面目な顔をしてのたまったのにはびっくりした。
もちろんウソなのだが。

ランチの後はグループごとに大学の敷地内を案内されるキャンパスツアー。
炎天下を歩かされてみんな汗だくだ。
どのくらい暑いかというと、汗をかきすぎてトイレに行く回数が減るくらいの暑さなのだ。

無事、オリエンテーションを終えて帰宅。
篠原さんのピックアップトラックに出動してもらってNaruちゃんから売ってもらったソファーを運んだのだが、ここで事件が発生した。
何と、ソファーが大きすぎて部屋のドアから入らないのだ!

ドタバタやっていたら向かいの部屋に住んでいる人のいい台湾人のお兄さんまで出てきて大騒ぎに。
無理やり突っ込もうとしたその瞬間、ゴリッと鈍い音がした。
や、やばい!

何と、部屋の壁を壊してしまったのだ!
全員顔面蒼白。
う〜ん、やばすぎるぞ、これは!

ところが、こんなことで悲観的にならないのがL.A.流(笑)。
「私、部屋の壁に穴あけちゃったことありますけど、ホームセンターでパテとペンキ買ってきて塗ったら大丈夫でしたよ」というNaruちゃんの一言をきっかけに一同「なんとかなるよ」というポジティブシンキング(っていうのか? こういうの)になってしまったのだ。

結果的にソファーも無事部屋に入ったことだし、There is no use crying over spilt milk(苦笑)。
とりあえずは万一マネージャーが来てもバレないようにポスターでも貼っておかねばなるまい。

というわけで、我が家で一番高価な家具がリビングに鎮座することになったのだった。

ところで、この部屋から出ていくときはどうすればいいんだろう…?
う〜む。

8月29日(土)

朝8時起床。
朝食の後、車で空港へ向かう。
「Inside Edition」でお世話になっている笹生さんの妹夫婦がL.A.郊外Victorvillの叔母さん宅まで遊びに来るというのでドライバー役を買って出たのだ。
このホームページを読んで僕の窮乏生活を知った笹生さんが救援物資を託してくれたのも楽しみだ。
直接の面識がないので「岩竹様」と書いた紙を持ち、本物のツアーコンダクターの横で待つ。

カートを押しながら出てきた2人を見てびっくり!
2人なのに荷物がゆうに3人分はある。
「コレ、全部鈴木さんの分ですから」と指さしたのは大きなバッグ。
一体、何がそんなに入っているんだ!?

それはさておき、Victorvillへ。
VictorvillはL.A.ダウンタウンの東に位置する小さな町。
Noriko叔母さんはそこで小さな日本食のグロッサリーをやっているという。
笹生さんの妹Chihokoさんがかつて留学していたというこの町へはフリーウェイを2時間ほどの道のりだ。

ロングドライブに備えてオイル交換とタイヤの空気圧チェックはしてきたのだが、さすがは砂漠エリア、予想以上に暑い。
エアコンをつけていたら水温系がジリジリと上がってレッドゾーンに突入。
オーバーヒート寸前で坂道にさしかかるとスピードがグングン落ちてくる。
しかたなくクーラーをあきらめて熱風の中をひた走る。

予定通り2時間で到着したのは「SAKURA-YA」という小さなグロッサリー。
食料品はもちろん、テレビ番組のビデオ、雑貨にいたるまで日本のものなら何でも置いてあるという店だ。
逆に言うと、この町で日本のものを手に入れようと思ったらこの店に来るしかない。

かつて米軍基地があったというこの町にはアメリカ人と結婚して永住している日本人がかなりいて、「SAKURA-YA」はそういう人たちにとって唯一の日本コミュニティーになっている。
数年前、Norikoさんが店をたたもうとしたら、反対の請願運動が起きたというほどだ。
「この町にいる日本人が日本語をしゃべれるのってこの店だけなのよ。だから1回買い物に来ると何十分も座り込んで話していく人もいるの」とNorikoさんは笑う。
道理でChihokoさんの英語がきれいなわけだ。

毎週金曜日にL.A.のダウンタウンまで仕入れに出かけるというNorikoさんに今度仕入れに同行させて欲しいとお願いしたところ、快諾してくれた。
小売りじゃないのである程度まとめて買わなければならないが、卸値で買えるのはありがたい。
仲間何人かに声をかけてラーメンとかレトルトものをまとめ買いさせてもらおう。

「一緒に夕食でも」というありがたい申し出を後ろ髪引かれる思いで辞退して帰途につく。
昨日壊してしまった壁の修理材料を買いに行く約束を篠原さんとしていたからだ。
篠原さんが案内してくれたのはThe Home Depotというホームセンター。

ホームセンターと言っても日本のDIYショップとはスケールが違う。
とにかく広い店内にはありとあらゆるモノ(としかいいようがない)が整然と並べられている。
「家一軒建てる材料が全てこの店で手に入る」というのは誇張でも何でもない。
さっそく壁の穴埋め用パテと白のスプレーを買う。

長距離ドライブでヘロヘロになっていたので今日の修理はあきらめて救援物資を開く。

うわぁっ、すごい! すご過ぎるっ!
リクエストしたショートホープ、シャンプー、リンス、最新雑誌に加えて大量の食料…。
レトルトものやインスタントラーメン、缶詰、さらに感動したのは保冷容器に入った明太子!
この写真からははみ出してしまったのだが、カップ焼きそばにいたっては1ダースの段ボール箱そのまま!
まさに難民キャンプに届いた救援物資だ。

笹生さん、そして「運び屋」を引き受けて下さった岩竹さんご夫妻、どうもありがとうございました。
この幸せを1人占めするのはもったいなさすぎるので、仲間にお裾分けしてありがたくいただきます。
本当に本当にどうもありがとうございました。

8月30日(日)

壊した壁を修理すべく、作業に取りかかる。

昨日、The Home Depotで購入した穴埋め用パテを水に溶いて壁に塗り込んでいく。


うん、なかなか巧い具合に出来たかな。
ちょっと表面がザラザラしているのでスプレーする前に紙ヤスリをかけたほうがよさそうだ。
これならマネージャーの目をごまかせるかもしれない。

夕方からは「Inside Edition」のビデオチェック。
救援物資の恩に応えるためにもしっかりやらなければ。

いよいよ今日で夏休みは終わり。
長かったような短かったような。
いろいろあったようで何もなかったような。
明日からはついに学校が始まる。
毎日どのくらい勉強すればいいのか見当もつかないが、とにかく手を抜かず頑張るしかない。
今は当たって砕けろの心境だ。
ま、玉砕しちゃってはどうしようもないのだけど(笑)。

よ〜っしゃ、やったるでぇ!

「98年夏休み編1」  「大学院98年秋1」