「Los Angeles留学日記」

TOP

留学総合掲示板
総合掲示板過去ログ1
10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20
今日はこれが英語で言えなかった1
  掲示板
L.A.いい店やれる店
掲示板
チャット
書籍版のご紹介
イン的エン屋掲示板

筆者Profile  最新版
学校選び編
TOEFL対策編
出願編
合格〜渡米準備編

渡米〜生活準備編1
コミカレESL編1
98年夏休み編1
大学院98年秋1
10 11
98-99年冬休み編1
大学院99年春1
10 11
99年夏休み1  
アメリカ大陸横断ドライブ1 
10
再び99年夏休み編1
語学学校99年秋1 
1999年12月 
2000年1月 2月 3月 4月
5月 6月 7月 8月
中南米縦断バスの旅
2000年9月 10月 11月 12月
2001年1月 2月 3月
世界一周の旅
2001年9月 10月 11月 12月
2004年〜最新

留学生リンク1  
アメリカ大学リンク
Los Angeles生活便利リンク
スライドショー

CD-ROM付き書籍出版への道1
 
更新履歴1

メール

Civilian casualties update
Amazon.co.jp アソシエイト


「Los Angeles 留学日記」

語学学校99年秋1
(1999年9月20日〜)


9月20日(月)
ちょっと調子が悪くて更新を2日間サボってしまいました。
もうしっかり復活しましたので大丈夫です。

というわけで、午前7時半起床。
今日からいよいよ語学学校の新学期が始まる。
気合い入れていこう!

学校までは車で約30分。
心配した渋滞もなく、余裕を持って到着できた。

クラスメイトはスペイン人が1人、韓国人が2人、そして日本人が3人。
先週来たときに自己紹介してあるので、違和感なく教室に入って行けた。

まずは会話のクラス。
どうやら前回の授業の積み残しがあったらしく、配られたコピーを見ながらボキャブラリーの確認。
生徒が2人組になってその単語の意味をクイズ形式で出題し合う。
僕もよく分からないまま参加した。

1時間はあっという間にたち、10分の休憩をはさんで文法のクラス。
テキストの問題を1問ずつ解いていく。
時制についての穴埋め問題で、初見でも9割は正解できるレベル。
“文法が得意な日本人”としては、このくらいはスラスラ解けなくちゃ、ね。

最後はリーディングのクラス。
テキスト2ページくらいの分量の物語を内容確認しながら読んでいく。
数行ごとに先生が「ここはどういうことだと思う?」「主人公はどんな気持ちだと思う?」と質問し、生徒が順番に答えるという進め方だ。

全体的に自分のボキャブラリー不足は感じるものの、ついていくのに苦労するという感じではない。
僕としては先生とのやりとりを通じて耳と口を鍛えることを主眼において授業を受けていこうと思う。
先週の授業で感じた先生の不愉快な発言は今日のところはなかった。
手ぐすね引いて待ってたのになぁ(笑)。

帰ってきて宿題と予習。
まだペースがつかみ切れていないから、ちょっと多めにやっておこう。

「もてない男」(小谷野敦 著/ちくま新書)読了。
ベストセラーになった恋愛・性愛論だ。

「おまえは恋愛にしか人生の喜びはないのか」と問われれば、誰でもそんなことはない、と答えるだろう。そしてこれまで述べてきたように、あまり恋愛上手ではない人間にとって、恋愛は楽しみより苦しみを多くもたらす。ならば、やめてしまえばいい、というのは一つの考え方である。

最近、「もしかしたら恋愛下手なんじゃないか」と自分で思っていただけに、納得できる点が多々あった。
だからといって恋愛をやめてしまうなんてことができるのだろうか?

それにしても、男にとって「恋愛」と「性欲」の区別は定かでない。

言われてみれば、そうかもしれないなぁ(笑)。


9月21日(火)
事件はリーディングのクラスで起こった(笑)。
テキストの文章を一通り読み、その中に出てきたボキャブラリーを先生が説明しているときのことだ。

「siren」(辞書によれば「魅惑的な美人、(特に男をとりこにする)妖婦」とある)という単語について先生が「あなたがsirenだと思う実在の人物は誰?」という質問をクラスに投げかけたのだ。
「マリリン・モンロー!」「マドンナ!」という分かりやすい答えが飛び交う中、ひねくれ者の僕はこう答えた。
「モニカ・ルインスキー!」

すると、先生は一瞬苦々しい顔をした後、こう言った「I don't think so」。
そりゃ、僕だって彼女が「魅惑的」だとは思わないさ(笑)。
でも、一国の大統領が誘惑されたんだ。
十分「妖婦」と呼ばれる資格はあるんじゃないの?
第一、「魅惑的な美人」かどうかなんていうのは主観的な価値基準だ。

ってなことを僕がつたない英語で説明し始めたとたん、先生は「No. Stop!」と冷たく僕の発言を遮った。
おいおい、そりゃないよ。
マリリン・モンローやマドンナについてのフリートークはさんざんやったくせに。

僕にとっては「siren」という単語の意味を覚えるより、自分の意見をしっかり英語で相手に伝える方が何十倍も重要なんだ。
モニカ・ルインスキーが明らかに「siren」の定義から外れているのなら、やりとりの中でそう説明してくれればいい。
そのディスカッションが授業の主旨から大きく外れているとは思わないのに。

新顔の僕が授業の進め方を理解していないだけかと思っていたら、どうやらそれは違ったようだ。

「nocturnal」(辞書によれば「【動】 夜間活動する, 夜行性の」とある)の説明のとき、先生が「ニューヨークはnocturnal cityと呼ばれているけどそれはどうしてだと思う?」と聞いた。
「夜中でも店が開いているから」という当たり前の答えに続いて、1人の男性(日本人)が答えた。
「交通機関が深夜でも動いているから」

間接的な要因といえばそうかもしれないけれど、十分質問の答えにはなっている、と僕は思った。
が、先生は例によって苦々しい表情だ。
その生徒が「Because 〜」と説明し始めた瞬間、先生は僕のときと同じように彼の発言を遮ったのだ。
もちろん彼は不満そうな顔をしている。

先週の授業のとき、僕はこの先生が「他文化についての理解に欠けている」と感じたのだが、そんな高尚なものではない。
単に自分が想定している以外の答えが生徒から出てくるのを認めないだけなのだ。
そういえば日本の中学・高校時代にもときどきそういう先生がいたっけ。

かつてCSUNで経験したようなフリーディスカッションに参加できる力を身につけたいと思っている僕にとって、想定問答集をなぞるだけの授業はほとんど意味がない。
他の先生の授業では有意義なフリートークが交わされていることを考えると、 「語学学校だから」というより、先生個人の資質の問題のように思える。

授業の後相談に行くと、ディレクターは「あなたもダメですか。○○先生とそりが合わないという生徒は時々いるんですよね」。
そりが合うとか合わないとかいう問題じゃないと思うんだけどなぁ。

解決策としては○○先生がいない午後のクラスに移ること。
残念ながらadvancedクラスはないのだけれど、今の僕にはディスカッションの「内容」よりもディスカッションすること自体が大切だ、ということは理解してもらい、手続きを進めてもらうことにした。
実際には10月の一時帰国後から新しいクラスに参加することになる。

ホッと一安心したところでランチに誘われていたMさんのアパートへ。
ひょんなことから宗教の話になって、授業中に言いたいことが言えなかった反動か、3時間以上もディスカッション。
「パーティーに政治と宗教の話は御法度」というのは収拾がつかなくなるからだっていうことなんだな(笑)。


9月22日(水)
あちゃ〜、やってもうた!

目覚めて時計を見たら12時30分。
遅刻どころか、もう授業はほとんど終わりかけているじゃないか!
朝7時半にセットした2つの目覚まし時計はしっかり止められている。
止めた記憶はまったくないのに。
こんなことはL.A.に来てから初めてだ。

昨夜は例の○○先生の授業のことを考えてなかなか寝付かれず、うとうとし始めたのは明け方だった。
頭にきたというよりなんだか自分がとても情けなく、「学校に行きたくないなぁ」という気持ちがあったのも事実。
そんな気持ちが無意識のうちに目覚まし時計を止めてしまったのかもしれない。
なんとなく、不登校学生の気持ちが理解できるような気がする。

ベッドから這い出して意識がはっきりすると、自己嫌悪がますます大きくなる。
「こんなことじゃいけない」というのは分かっているが、身体は重く、気分も晴れない。
自分ではこんなに打たれ弱い人間じゃないと思っていたのになぁ(苦笑)。


9月23日(木)
今日も休んでしまったらズルズルいってしまいそうなのが自分でも分かっていたので、無理やりベッドから這い出して学校へ。
でもやっぱり○○先生の授業は納得がいかない。
あと1週間この授業を受けるのは苦痛この上ないとディレクターに直訴して来週から午後のクラスに移らせてもらうことにした。

するとあ〜ら不思議。
まるでつきものが取れたように気分が楽になるではないか。
まったく分かりやすい性格だ(笑)。

宿題もないのですっかり週末気分。
アパートに帰って、「だめ!」(だめ連 編/河出書房新社)を読み始める。

多くの人は多かれ少なかれ、日々ダメと思われたくないとかもう少しうだつを上げたいという「うだつプレッシャー」の中で生きざるをえないような世の中になってしまっていると思うわけですが、そんな世の中いかがなものか?

ダメをこじらせそうになったとき、あるいは自分のダメに直面せざるをえなくなったときにですね、個人の選択や能力の問題にしないで、かといっていたずらに一発逆転を狙わないようにする。(中略)キビシい状況、世の中を変革可能なものとして、なるべく社会のせいにしてみんなでトークしていく。

アハハ。
今の僕もすっかり「だめ」だもんなぁ。
もうちょっと早く読んでおけばよかった(笑)。

「だめ連」的生き方に憧れがないわけじゃないけれど、僕はたぶんもう少し頑張ってしまうんだと思う。
目一杯頑張ってみて、それでダメだったら、その時はその時だ(笑)。

今夜からNBCのドラマ「FRIENDS」の新シリーズがスタート。
急にやる気になって、録画したビデオを4回繰り返し見る。
キャプション抜きでもストーリーはほぼ理解できるが、細かい言い回しの聞き取りはまだまだだ。

Santa Monica Collegeを卒業して就職活動中だったKojunから「就職が決まりました!」と報告の電話。
在学中から希望していた貿易業界で、ビザサポートもばっちりだという。
おめでとう。
本当によかったね。
よ〜し、宴だ、宴だ!


9月24日(金)
この日記をCD-ROM付き書籍として出版して下さった太っ腹な出版社、アルクの「アメリカ留学事典」編集部から取材のメールを受け取っていた。
その名も「住むならこっちだ! LA vs. Boston 留学人気都市東西横綱 Quality of Campus Life 十番勝負」という企画。
名門ハーバード大学に留学している元新聞記者、名倉賢一さんと僕の生活ぶりを誌上で比較しようというものだ。

すでに編集者さんの質問に答える形で原稿は送ってあるが、今日はその記事で使う写真の撮影。
一部はこのホームページ用に撮った写真も使うけれど、残りの写真をL.A.在住のカメラマン大原義久さんが撮って下さることになった。

今日は、その撮影の様子をご報告しましょう。

まず、「アパートでくつろぐ僕」なんていうカットを数枚撮ってから、CSUNのキャンパスへ。

「スケボーやローラーブレードで通学してくる学生もキャンパスにはいっぱい」という原稿にぴったりのスケボー集団を発見した大原さんは明るく話しかけて、あっという間にパチリ。

さすがはプロのカメラマンだ。

続いてCofee Hourに集まる留学生たち。

Northridgeは今日も残暑が厳しく、僕も大原さんも汗だくになりながら広いキャンパスを歩き回る。

そして、カフェテリアの人気メニュー「寿司パック」。

「キャンパスで人気のスポーツ」を撮影しようとグラウンドに行くと、そこでは見慣れない競技が行われていた。

アメリカンフットボールのような競技だが、1チーム7人で、ボールの代わりに使われているのはなんと、フリスビー!
観戦している学生に聞いてみると、これは「アルティメット・フリスビー」という名前のスポーツで、大学対抗の試合が行われているのだという。
大原さんが撮影している間、じっくり観戦していたのだが、これがなかなか面白い。
特に、前線へのロングパスが決まって得点する瞬間はなんとも言えない爽快さがある。
手軽に誰でも参加できるから、もしかしたら日本でも人気が出るかもしれないなぁ。

キャンパスでの取材を終えた後は「スーパーで1週間分の食料を買う僕」「L.A.名物のビルボード広告」「お気に入りスポット」とL.A.市内をあちらこちらへ駆けめぐる。
結局、予定していた撮影をすべて終了する前に日が落ちてしまい、今日のところはタイムアップ。
残りは数日中に大原さんが撮影して下さることになった。

帰り道、ハリウッドにある大原さんのスタジオへ。

吹き抜けとプールのある、気持ちのいいスタジオだ。
こんなスタジオを東京でかまえようとしたら、いったいいくらかかるんだろう?

スタジオには数台のMacが置いてあり、手がけた作品を集めた彼のホームページもここで制作されている。
雑誌や広告写真だけでなく、テレビCMもてがける大原さんは、今後、インターネットを使った情報発信にも力を入れていきたいという。
アメリカと日本をまたにかけて活躍し、プレゼンテーションすべき作品を数多く持っている彼にとって、インターネットというツールを活用するのは当然の帰結だろう。

「機会があったら一緒になにか面白いことをやりましょう!」
そう約束して僕らはそれぞれの家路についたのだった。


9月25日(土)
昼頃起き出して、テレビを見ながらのんびり過ごす。
ニュース番組を見ていても、内容が分かるものと分からないものの差が大きい。
ここ数ヶ月でリスニング力が少し伸びたような気もするけれど、単に気がするだけかもしれない(笑)。

夕方、先学期New Direction in Electronic Mediaの授業を共に闘ったクラスメイトMakiちゃんとMarikoちゃんが遊びに来てくれた。

Makiちゃんは今学期でCSUNを卒業の予定。
Santa MonicaにあるNHKの支局でインターンをしながら、卒業後の進路を模索中だという。
Gotthoffer教授がいなくなった後の学部の様子など、詳しい話を聞くことができた。

一方、夏学期でCSUNを卒業したMarikoちゃんは現在、就職活動中。
幸か不幸か就職活動というものを経験したことのない僕でも、それが心身共につらいものだということはよく分かる。
特に競争率の高いメディア企業を目指している彼女は大変だろう。

久しぶりの再会を祝してSanta Monicaのイタリアンレストランへ。

頑張っている2人の話を聞くにつれ、僕ももっとやらなくちゃという気になってくる。

帰ってきてまた「FRIENDS」のビデオを見返したのだった。


9月26日(日)
正午起床。
久しぶりに「30音でマスターする英会話」
こういう教材はまとめてドカンとやるより毎日コツコツとやるのが大切なのは分かっているのだけれど、なかなかそうもいかないんだよなぁ。

夕方、Kojunがやって来て「Inside Edition」の翻訳作業。
明日からある貿易会社で働くことが決まっている彼は、仲間の誰もが認める努力家で、英語も僕とは比較にならないほど堪能だ。
そんな彼でも「職場で使うビジネス英語はけっこうキツイっすよ」と嘆いている。
そういえば昨日会ったMarikoちゃんも、アメリカに来て6年目だけれど「英語に関してはまだまだです」と言っていた。
僕が聞く限りネイティブみたいにきれいな発音で話しているというのにである。

留学する前、誰もが考えるように「アメリカで1年も生活すれば英語はペラペラになれるんじゃないか」と僕も考えていた。
が、実際はそんなことは夢のまた夢。
現実はキビシイのだ。

僕にとって英語は、必要な知識を身につけるための道具に過ぎない。
ネイティブのようにペラペラになるなんていう高望みはしていない。
ただ、授業にきちんと参加してそこで得られるべき知識を得られるレベルで十分なのだ。
なのに、僕の英語力はそこまでも達していない。
このところ落ち込み気味なのはその現実が僕の前に高い壁となって立ちはだかっているのを痛感しているからなのだ。
焦りも少しあるだろう。

語学力を身につけるのには時間がかかる。
そりゃ、そうだ。
32年間毎日使い続けてきた日本語でさえ自分の考えを伝えるのに苦しむことがあるんだもんなぁ。

いよいよ1週間後に迫ったLanguage Expo '99 KOBEトークショーの内容に合わせて旅の写真をセレクトする。
関西地方の方、ぜひ遊びに来て下さいね。


9月27日(月)
今日から語学学校の新しいクラス。
授業は午後1時半から5時までなので、ゆっくり寝ていられる。

教室に入ってびっくりしたのは学生11人中10人が日本人だったこと。
残りの1人も片言の日本語を話す韓国人の女の子で、まったく外国にいる気がしない。
噂には聞いていたけれど、予想以上に日本人は語学学校のいいお客さんなんだなぁ(笑)。

休み時間に飛び交う日本語の会話を聞くとはなしに聞いていると、クラスメイトの多くはまだ渡米から間がないらしい。
運転免許試験がど〜したこ〜したとにぎやかだ。
きっと留学生活をこの学校からスタートして、やがて他の大学にトランスファーしていくのだろう。

さすがにIntermediateクラスだけあって、授業の進め方がAdvancedクラスよりゆっくりだ。
が、少しでも分からなかったところは遠慮なく先生に聞ける雰囲気があって、僕にとってもメリットは大きい。

特に好印象を抱いたのは文法クラスのDavid先生。
概して文法クラスというのは退屈な説明と練習問題に費やされがちだが、彼は「文法はもちろん、読み書きも大切だけれど、語学学習にとって一番大切なのはSpeakingの経験を積むことだ」というのが持論で、授業中にできるだけ生徒に話させようとする。
うん、そうでなくっちゃね。

リーディングクラスでは台湾大地震を受けた新聞記事を読み、内容についてのディスカッション。
会話のクラスではフロリダ州のタバコ規制についてのテレビ番組「60 minutes」(日本でいうと「報道特集」とか「ザ・スクープ」みたいな番組)の聞き取りとディスカッション。
内容に若干の物足りなさはあるけれど、先生も親身で、全体としては満足のいくレベルだ。
やっぱりクラスを移って正解だったかな。


9月28日(火)
少し早起きして学校の前にMさんとトーランスで中華ランチ。

Coffee Beanでお茶しながら、昨日から始まったUCLA Extensionの様子を聞く。
語学学校やアダルトスクールとは明らかに先生や学生の雰囲気が違うとのこと。
来学期、僕も余力があればマルチメディア関連の授業のほかに英語のクラスを取ることを検討してもいいかもしれないな。

語学学校の授業は順調。
特に自分でびっくりしたのは会話クラスで見たテレビ番組「60 minutes」がほぼ理解できたことだ。
自宅で見ているのと違うのは、先生が番組から抽出した難し目のボキャブラリーについてディスカッションしてから臨むということくらい。
逆に言うと、単語さえ分かっていればなんとかこのくらいはついていけるということか?
いやいや、ここで気を抜いちゃいけないぞ(笑)。

授業の後、先週「アメリカ留学事典」の取材写真を撮って下さったカメラマン大原義久さんのスタジオへ。

僕もネガをチェックさせてもらう。

当然のことながら、僕がいつも撮っているデジカメ写真とは比べものにならないほど素晴らしい写真がいっぱいだ。
「住むならこっちだ! LA vs. Boston 留学人気都市東西横綱 Quality of Campus Life 十番勝負」という企画にふさわしく、どの写真からも西海岸特有の開放感が伝わってくる。
こんなに素晴らしい街に住み、こんなに素晴らしいキャンパスに通っていたなんて、自分でも知らなかった(笑)。

アパートに帰って宿題をやっていると、Mikioさんがウナギ蒲焼の差し入れを持って来訪。

なんでも、日本に住む友人がインターネットを使ったビジネスを立ち上げつつあり、参考のために僕の意見を聞きたいというのだ。

正直言って経営のことはチンプンカンプンだけれど、インターネットという新しいメディアの特質についてなら興味があるし、若干の知識もある。
友人の役に立つかどうかは分からないが、僕の知っていることを片っ端からしゃべりまくった(笑)。

若い起業家がこれからビジネスを立ち上げようとすればインターネットが視野に入ってくるのは当然だろう。
アイデア一つで大企業にも負けないビジネスが可能なのだから。
アメリカではシリコンバレーを中心に20代、30代の億万長者が続々と誕生しているという。

と、ここまで書いていたら、一時帰国中で古巣の音楽業界やメディア業界の関係者と精力的に会っている篠原さんから電話が入った。
いわく「鈴木さんが興味を持ちそうなインターネットやデジタル関連の話がたくさんありますよ。いろんな人と会えるようにセッティングしておきますからお楽しみに」とのこと。
UCLA Extensionの授業が始まる前に現場の話を直接聞けるのはありがたい。
うん、刺激的な1週間になりそうだ。


9月29日(水)
今日のL.A.は真夏のような陽気。
学校に向かう車の中でニュースラジオのアナウンサーが「暑い、暑い」と繰り返している。
ダウンタウンで華氏100度を超えたというから、摂氏では38度以上ということだ。

午後のクラスも3日目になり、クラスの雰囲気にも慣れてきた。
日本人が多いクラスによくあるように積極的に発言する生徒が少ないのだけれど、その分、ずうずうしい僕がいくらでも先生に質問することができて悪くない。

休み時間に喫煙所で一服しているとクラスメイトの女の子が話しかけてきた。
「本当のことを言うと、先生がしゃべっていることの半分も分かっていないんですよ」
聞けば、彼女はL.A.に来てからまだ3ヶ月目。
授業中にしつこく先生に食い下がっている僕を見て、「すごいですねぇ」というのだ。

自分の英語力がそんな誉められるようなレベルじゃないことは誰よりも自分がよく知っている。
ただ、まがりなりにも1年ちょっといろいろな授業を受けてきて、耳が「慣れた」だけなのだ。
そういえば、ちょうど1年前、僕もクラスで積極的に発言する日本人留学生を見て「すごいなぁ」と思っていたっけ。

僕の周りを見る限り、どちらかというと男より女の子の方が英語の上達が早いようだ。
これはネイティブと話す機会に大きな差があるからじゃないか、と僕はにらんでいる。
たとえば、教室でもパーティーでも、日本人の女の子は人気者だ。
黙っていてもアメリカ人が声をかけてくる。
たとえたどたどしい英語しかしゃべれなくても相手は辛抱強く待ってくれるのだ。

だけど、その逆はめったにない。
もちろん、こちらから話しかければいいのだけれど、そもそも英語に自信のない僕にそんな根性はないのだ。
これってひがみかなぁ……(笑)。

「大丈夫。一気にとはいかないけど、1年後には今の僕よりずっと英語ができるようになってると思うよ」
嫌みでもなんでもなく、本心からそう答えた。
そう、一気にとはいかないのだ、と自分にも言い聞かせながら。

会話の授業が終わって帰ろうとしたらK先生が僕にこっそり耳打ちしてきた。
「まだみんなには内緒だけど、○○先生は来週いっぱいでここを辞めることになったわ。だからAdvancedクラスに戻ってきても大丈夫よ。もちろん、今のクラスが気に入っているのならそれでもいいけど」

えっ、なんで僕が○○先生のことを嫌ってるっていうのをK先生が知ってるんだ!?
それよりもなんで突然○○先生が辞めるんだ!?
もしかしたら僕がディレクターに不満を伝えたのが原因になっているのか!?

僕個人にとっては悪くない知らせだけれど、なんとなく複雑な気分だ。
う〜ん、どうしようかなぁ。

9月30日(木)
学校はいつものペースでいい感じ。
授業が終わった後、飛び出しでCSUNに向かう。
そう、今日は勝治が代表を務めるJSA(Japanese Student Association)主催の第一回Language Exchangeの日なのだ。

これはCSUNの日本人留学生と日本語の授業を受けているアメリカ人がボランティアでお互いの言葉を教えあおうというもの。
JSAの活動の中でも僕が期待していたプログラムの一つだ。

会場はキャンパス内の教室。
僕が到着したときにはすでにいくつかのグループができ、楽しそうに言葉を交わしていた。

僕が加わったグループにいたのが彼、Colin。

「ガンダムを見て感動し、将来は日本でコンピュータ・アニメーションを作りたい」という。

バブルの頃なら「日系企業で働きたい」とか「日本との貿易に役立たせたい」というのが日本語を学ぶ学生の大多数だったのだろうが、いきなり「ガンダムに感動した」といわれたのには驚いた。
ジャパニメーションやコンピュータゲームはアメリカの若者の心をもつかんでいるのだ。
単純に経済でつながるより、文化を通じたつながりの方が深く強くなるのは間違いない。

彼が授業で使っているというテキストがこれ。

例文にも「アニメ」とか「カラオケ」なんていう単語が出てきて今風だ。

元々、日本に興味を持っている学生ばかりだから、こちらとしても話がしやすい。
それに言葉を教わるのもお互いさまだからなにより気楽だ。
こういう機会は大切にしたいと思う。

1時間のプログラムはあっという間に終了し、JSAのメンバーとキャンパス近くのスターバックスでお茶。

明日はいよいよ日本に向けて出発だ。
Language Expo '99 KOBEトークショーの報告をはじめ、できるだけこまめに更新したいと思っていますので、ご期待下さい。

←日記才人(にっきさいと)ボタン

「再び99年夏休み編4」  「語学学校99年秋2」