「Los Angeles留学日記」

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「Los Angeles 留学日記」

アメリカ大陸横断ドライブ
(1999年月21日〜)


7月21日(水)
Memphis(テネシー州) - Nashville(テネシー州) 走行距離227マイル
結局、昨夜は何の事件起こらなかった。
万一に備え、貴重品を2つのバッグに分けてしまっておいたのも今となっては笑い話だ。
というわけで、モーテルを無事チェックアウト。

今日の目的地はNashvilleだが、その前にエルビス・プレスリーの家であるGracelandを訪ねることにした。

エルビスがエンタティナーとして大成功した後も死ぬまで住み続けたという家は、もちろん広大な敷地に建てられた豪邸だが、その場所は幼少期に家族とMemphisにやって来た時から変わっていないという。
家の前を通る道路は現在「エルビス・プレスリー通り」と名付けられ、ステージ衣装から自家用ジェット機まで様々なゆかりの品が世界中の観光客に公開されている。
同じ敷地内にはヒット曲のタイトルにちなんだ「Heartbreak Hotel」というホテルまで建てられているという徹底ぶりだ。

展示物もなかなか楽しめたのだが、僕が一番興味深く感じたのは、この家が建っている場所だった。
モーテルから車で走ってくる間、どちらかといえば貧しい黒人が住むエリアが続いていた。
そのすぐ隣にこのGracelandは位置しているのだ。
これはおそらくプレスリー一家が貧しかったことと関係しているだろう。

エルビスが黒人の集まる教会の前を通ったとき、中から聞こえてくる情熱的なゴスペルに感動した、というエピソードは有名だが、それはきっと僕らが通ってきた黒人の多いエリアのどこかにあったに違いない。
そしてエルビスは、本人が言うように「カントリーなどの白人音楽とゴスペルやブルースなどの黒人音楽をミックスして」ロックンロールという新しい音楽を創り出した。
なぜ彼にそれが可能だったのか、ここに来て初めて分かったような気がする。
彼は2つの異なる文化が接し、混じり合う場所にいたのだ。

ロックンロールの故郷からカントリー発祥の地へ。
僕らは一路Nashvilleを目指してフリーウェイI-40を東に向かった。

渋滞もなく、時速70マイルでクルージングできるフリーウェイのドライブは快適だが、同時に退屈でもある。
一般道なら町を通過するたびに新しい景色に出会えるが、フリーウェイではそうはいかない。
ただひたすら同じ景色の中を一本道が続いていくのだ。

もちろん、こんな景色を見られるのもアメリカならではだと分かっているのだけれど。

途中、テネシー川で休憩。

水は濁っていたが、それなりの風情はある。

午後7時過ぎ、Nashvilleに到着し、モーテルも一発で決定した。

レストランを探して周辺を走っていると、看板に「テネシーポーク」と書いてある店を発見!

テキサスの名産がビーフなのは知っていたが、テネシーの名産はポークなのか!?
よく分からないまま入ってみると、大きなかまどで自家製ローストポークを作っている店のようだ。

よし、ここで食べてみよう!

ローストポークプレートをオーダーすると、ノリのいいお兄さんがかまどから肉のかたまりを取り出してその場でチョップしてくれた。

Mikioさんはさらに$2.00出してポークリブとローストビーフを追加。

これが、実に旨い!
しかも、ドリンク付きでたったの$8.05!
テネシーポークは最高だ!

これで明朝の第2回チャットに万全の体調でのぞめるぞ(笑)。

《今日の出費》
チップ $1.00
モーテル代 $30.42/2=$15.21
昼食(チキンカツ) $6.48
駐車場代 $2.00/3=$0.67
ガソリン代 $7.00/3=$2.33
Graceland入場料(学割) $9.00
アイスモカ $2.71
夕食(ローストポーク&アイスティー) $8.05


7月22日(木)
Nashville(テネシー州) - Birmingham(アラバマ州) 走行距離358マイル
午前7時40分起床。
今日は第2回チャットの日。
顔を洗ってノートパソコンの前に座る。

リアルタイムで会話していると、時差や距離など全く感じない。
以前から知っている人、メールの交換で知り合った人、今回初めて出会った人……。
いろいろな人が僕のホームページを通じてこの旅を見守ってくれていると思うと本当に力強い。
毎晩眠い目をこすりながら更新している甲斐があるなぁ、と感じる瞬間だ。
参加して下さったみなさん、本当にどうもありがとうございました。

「じゃ、これからモーテルの朝食を食べて出かけます!」とログオフして、そのままロビーに向かった僕が見たものは、本日分最後のパンを手に去っていく子供の姿だった。
ああ、僕のブレックファストが……(笑)。
仕方なく、コーヒーとオレンジジュースで朝食を済ませ、モーテルをチェックアウトしたのだった。

Nashvilleといえば音楽の都。
その中心地がMusic Rowと呼ばれる数ブロックのエリアだ。

かつては全米で発売されるレコードの50%以上をここで生産していたというだけあって、レコード会社はもちろん、スタジオ、音楽出版社、タレントエージェンシーなど様々な会社が軒を並べている。

留学する直前まで音楽業界で働いていた篠原さんは、いつもに増してビデオカメラを持つ手に力が入っていた。

次に僕らが向かったのはGibsonの本社。

つい先日、日本人では初めてB'zの松本孝弘モデルを制作すると発表したギターメーカーだ。
ギター小僧なら泣く子も黙る世界のトップメーカーにもかかわらず、本社の建物はまるで町工場のようにこぢんまりしていた。
出入りする社員らしき人たちもTシャツにジーンズといういでたちで、気軽に「ハ〜イ!」と声をかけてくる。
残念ながら松本モデルは別の工場で作っているということで見られなかったけれど、なんだかほんわかと温かい気分になったのだった。

次の町へ出発する前にNashvilleのダウンタウンを散策していたら、なんと日本食レストランを発見してしまった!

ううっ、食べたい!
まさかこんなところで日本食に出会うとは期待すらしていなかった僕らは、フラフラと店に吸い込まれ、器用に箸を使うアメリカ人たちに混じって、この旅初めての日本食をいただいた。
ああ、ダシのよく効いたみそ汁が旨いっ!

腹ごしらえも済んだし、よし、出発だ!
南に向かうフリーウェイI-65から国道U.S.31号線を経由して、僕らは再びNatchez Traceに合流。

5日前、ミシシッピー州のJacksonに向かう途中で走った“緑のフリーウェイ”を今度は北から南に向けて走るのだ。


同じ一本道でもフリーウェイとは全然違う。
野生の鹿を見かけ、原生林で立ち小便をし、自転車でツーリング中の少年グループと出会う。
とにかく、ハンドルを握っているのが楽しくてしょうがないのだ。

アラバマ州との州境を越えたところで再びテネシー川と遭遇。

昨日の場所から60マイル以上下流のテネシーは川幅も広く、悠然と流れていた

美しいNatchez Traceに別れを告げ、国道U.S.72号線から再びI-65を南下。
僕らは無事、Birminghamのモーテルにたどり着いたのだった。

《今日の出費》
チップ $1.00
モーテル代 $37.35/2=$18.68
昼食(天ぷら餃子定食) $9.90
ガソリン代 $22.39/3=$7.46
夕食(ハンバーグ&アイスティー) $9.29


7月23日(金)
Birmingham(アラバマ州) - Atlanta(ジョージア州) 走行距離196マイル
午前9時起床。
今日の目的地Atlantaでは見たいところが多いので、いつもより少しだけ早起きしてモーテルをチェックアウト。
荷物を車に積み込んで、さっそく出発だ。

朝食を食べようと近くのレストランに入る。

「お客様、何名様ですか?」「スリー」
そう答えた瞬間に店員がクスクス笑いだした。
何が起きているのか分からず呆然としている僕らに店員は「あなたの発音、おかしいわ」。
留学生を1年以上やってるというのに「スリー」の発音で笑われるとは思わなかった。

僕らが地図を持っていたからだろう、ウェイターが興味深げに聞いてきた。
「どこへ行くんですか?」
「アトランタへ」
すると、店員の頭上に「?」が10個くらい並んだ。
「だ・か・ら、アトランタまで行くんだ」
何度も言い直してやっと彼の頭上に大きな「!」が浮かぶ。
「Oh, I see. アッランタね」

おそらくこの辺には外国人がほとんどいないから外国人の英語に慣れていないのだろう。
店に入った瞬間に物珍しげな視線を感じたのもきっとそのためだ。
ショックを受けつつも、これをきっかけに会話が弾む。

エプロンに「Reiko」という文字が書かれていたので「これ、キミの名前?」と尋ねると、「Yes. I am 『リーコー』」と答える。
「同じ綴りで『レイコ』っていうと日本では女の子の名前になるんだよ」と教えると「Really?」と面白そうにうなずいていた。

彼が厨房で「面白い日本人が来てるぜ」とでも言いふらしたのだろう、テーブル担当以外の店員が入れ替わり立ち替わり僕らの席にやって来て話しかけてくる。
最後にはマネージャーらしき女性まで。
「Have a nice trip!」
何人もの店員にそう言われ、僕らはいい気分で店を後にしたのだった。

フリーウェイI-20を東に120マイルほど走ってジョージア州に突入。
ここからEastern Standerd Timeになるので時計を1時間進めなければならない。
いつものように観光案内所に立ち寄って地図と資料を入手。
もちろん、Exit GuideMr. Interstateといったモーテル割引クーポンも忘れちゃいけない。

今日はどこのモーテルも週末料金だからなおさらだ。

さらに25マイルほど走ってアトランタのダウンタウンに到着。

びっくりしたのは町を歩いている人の90%以上が黒人であること。
確かにダラスを過ぎたあたりから黒人が多くなってきてはいたのだが、その割合がここに来て急上昇だ。
しかも、たまに見かける白人は、その多くが観光客に見える。
アメリカ南部を実感する瞬間だ。

僕らがまず向かったのはCNN。

ちょうどタイミング良く、スタジオツアーに参加することができた。

天気図画面とキャスターを合成するクロマキーという技術や、ニュースキャスターがカメラ目線で原稿を読むことができるプロンプターの実演は仕事上何度も見たことがあったので珍しくなかったのだが、興味深かったのはニューススタジオの説明だ。
「このフロアの真ん中の机はプロデューサー。そして、あちらに座っているのがライターです」
ガイドが指さした先は窓から吹き抜けが一望できる、そのフロアの特等席だった。

各デスクにはオンエアが放送されている小型テレビとパソコン一式。
「あそこで書かれた原稿を直接スタジオのプロンプターに送信することができるのです」
う〜む、完全ペーパーレスのフルデジタル原稿か。
スタジオの床に這いつくばって原稿を書きなぐったこともある僕とはずいぶん違うじゃないか(笑)。

もうひとつ気になっていたのはCNN.comがどうやって作られているのかということ。

「CNNのあらゆるセクションに集められた映像と原稿は全てこのCNN interactiveのオフィスに送られ、Web用に加工されます」
窓から覗いてみた限り、それほど大きなオフィスではない。
机の数はせいぜい20〜30人分といったところだろうか。
たったそれだけの人数であの膨大なサイトが運営できるのは、やはり元の情報がデジタル化されているからなのだろう。
日本のテレビ局も同じようなウェブサイトを立ち上げてくれれば旅先からでもニュースがチェックできるのになぁ。

早起きしたおかげで時間はまだ午後4時過ぎ。
僕らは同じダウンタウンにあるWorld of Coca-Colaへと向かった。
Atlantaで起業し世界企業に成長した、アメリカの象徴とも言うべきコカコーラの博物館だ。

以前に訪れたDr. Pepper博物館とはさすがに規模が違う。
開業当時のボトリングマシンから世界で放送されているコカコーラのCMまで展示も華やかだ。
一番違うのはDr. Pepper博物館では有料だったドリンクがここでは無料だということ。

あっ、その分は入場料に含まれているのか(笑)。

全ての見学コースを回り飲み放題のコーラを飲んでいたら、ふと思い出したことがある。
現Apple Computer暫定CEOのスティーブジョブズがかつてペプシコーラのジョン・スカリーをヘッドハンティングするときに使ったという決めゼリフだ。
「あなたは残りの人生も砂糖水を売って暮らしたいのか。我々と一緒に世界を変えるチャンスを手にしたくないのか」

そう、極端に言えばコカコーラだってただの砂糖水だ。
だが、僕らは「Coca-Cola」というロゴにそれ以上の何かを感じている。
「スカッとさわやか」であったり「スポーティーな飲み物」であったり、「国際的な企業」であったり「アメリカの象徴」であったり……。

こうしたイメージはCoca-Cola社の卓越した宣伝戦略によるものだろう。
この博物館の展示の中心的役割を果たしている世界のCMはどれも優秀なクリエイターの手になるものであることが一目瞭然だし、オリンピックをはじめとした国際的スポーツイベントでCoca-Colaのロゴを見ないことはない。

つまり、Coca-Cola社は世界に冠たるイメージ企業ではないのか。
Dr. Pepperとの違いは、単に宣伝の違いだけではないのか。
世が世なら、僕はDr. Pepperを飲んで「スカッとさわやか」と感じていたかもしれないなぁ。
そんなことを考えながら今夜のモーテルにチェックインしたのだった。

《今日の出費》
チップ $1.00
モーテル代 $34.35/2=$17.18
昼食(アップルパンケーキ&コーヒー) $8.67
駐車場代 $11.00/3=$3.67
夕食(中華&甘いアイスティー) $5.65
アイスモカ $2.73


7月24日(土)
Atlanta(ジョージア州) - Jacksonville(フロリダ州) 走行距離347マイル
午前9時起床。
30分で荷物をまとめてモーテルをチェックアウトする。

MikioさんがL.A.に戻らなければならないタイムリミット7月30日まであと6日。
残り時間を考えると、今日中になんとかフロリダに入っておきたいところだ。

が、その前に訪れておきたいところがある。
Martin Luther King, Jr. Historic Site。
人種差別撤廃を訴えて闘ったキング牧師の生家はAtlantaにあるのだ。

今回の旅で気がついたのだが、僕らが通ってきた多くの町に「Martin Luther King, Jr通り」があった。
もちろん「ワシントン通り」や「リンカーン通り」もいろいろな町にあるが、個人のフルネームを冠した通りという意味ではキング牧師が最多だろう。

彼については一通りの知識しかなかったのだが、Visitor Centerで上映されていたVTRは彼の偉業について分かりやすくまとめてあった。
ナレーションはもちろん英語だが、キャプションがついているので集中していればほぼ内容は理解できる。
僕の隣で小学生らしい黒人の男の子が画面に食い入るようにしていたのがとても印象的だった。

「黒人のキング牧師」は「白人のケネディー大統領」と並び称されることがあるという。
最初に聞いたときはあまりピンとこなかったのだが、生きていた時代、人気と影響力の大きさ、そして暗殺されたことの共通点を考えれば理解できるような気がする。
そういえばJFK Jr.事件をテーマにした昨夜のCNN「ラリーキングライヴ」にキング牧師の息子が出演していたのは、アメリカ人にとってごく当たり前の感覚なのだろう。
この2人の人生と当時のアメリカについて書かれた本をゆっくり読んでみたいな、と思った。

Visitor Centerから歩いてキング牧師の生家へ。

偉人といえば貧しい家に生まれるもんだ、という僕の思いこみは見事に裏切られた。
周りの家並みと比べても、彼の生家は決して貧しい方ではない。
考えてみれば、まだ黒人と白人で学校が分けられていた時代に子供を大学まで出せる家が貧しいはずないもんな。

それにしても意外だったのはここを訪れている人のほとんどが黒人だということ。
たまに見かける白人はヨーロッパからの観光客だったりする。
本当は白人のアメリカ人にこそ見てもらいたいんじゃないのかなぁ。

というわけで、僕らはAtlantaを後にしてフリーウェイI-75を南へ。
国道U.S.341号線、1号線と乗り継いで、さらに南を目指す。

そして午後6時過ぎ、ついに最後の州であるフロリダに突入!
車の中でこれまで通ってきた州を改めて数えてみた。
カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、アリゾナ州、コロラド州、ニューメキシコ州、テキサス州、オクラホマ州、ルイジアナ州、ミシシッピー州、アーカンソー州、テネシー州、アラバマ州、ジョージア州、そしてフロリダ州!
なんと15の州を制覇してきたのだ。

キーウェストの夕陽まであとわずか。
僕らの旅もいよいよ最終章へと突入したのだ。

《今日の出費》
チップ $1.00
モーテル代 $52.25/2=$26.13
アイスコーヒー $2.73
昼食(オールドカントリーバフェ) $6.62
水 $1.36
ガソリン代 $16.59/3=$5.53
夕食(ハンバーガー) $7.00


7月25日(日)
Jacksonville(フロリダ州) - Orlando(フロリダ州) 走行距離256マイル
午前10時起床でモーテルをチェックアウト。

今日もクーラーボックスにたっぷり氷を積み込んで出発だ。
Jacksonvilleはフロリダ州の北東海沿いに位置する町。
今日はその海沿いに南下していこうとコースを定める。

ダウンタウンに向けて車を走らせていくとフリーウェイI-10を発見。
おおっ、懐かしのI-10!
I-10こそはLos Angelesを東西に貫く幹線道路であり、僕らの生活道路。
太平洋岸のSanta Monicaからこのフリーウェイに乗るところから今回の旅は始まったのだ。

そのI-10を東に数マイル走っていくと「I-10 END」の表示。
ということは……

着いた!
英語じゃ分かりにくいから砂浜に日本語で書いてみる。

そう、大西洋だ!

Santa Monicaを出発してからちょうど4週間。
僕らは西海岸から東海岸へアメリカ大陸を横断したのだ!
生まれて初めて見る大西洋の水は温かく、しかし同じようにしょっぱかった。

アメリカ大陸を車で横断する、という第一の目的はこれで達成。
あとはキーウェストの夕陽を見るだけだ。
よし、進路を南にとれ!
僕らは再び車に乗り込んだのだった。

地図によると、Jacksonvilleから南に向かう州道A1Aは海外沿いを走っている。
当然、海を左に見ながらのドライブだと思っていたのだが、実際は海を臨む一等地には豪華な邸宅が並び、僕らはその門構えを見せつけられながら走ることになった。

だが、しかし、これまでのドライブとは明らかに気分が違う。
窓から吹き込んでくる潮風は、進行方向左側に障害物がなく開け放たれていることを示している。
日射しは強く、まぶしく、心地よい。
フロリダ州をSunshine Stateとはよくいったものだ。

午後の日射しが最高潮になった頃、St. Augustineの町に到着。

他の南部の古い町と同様、ここもスペイン文化が色濃く残った町だ。
数マイル四方の旧市街には白い壁のレストランや土産物屋が並び、道端には絵描きが出て似顔絵を描きながら自分の作品を売っている。
あまりの暑さに耐えかねて飛び込んだカフェで飲んだアイスコーヒーが、脱水症状を起こしかけている身体にしみこんでいく。

突然、一陣の湿った風が吹いたかと思うと、大粒の雨が降ってきた。
しかし、この雨もテキサスあたりの雨とは違う。
なぜか、濡れてもいいと思わせる雨なのだ。
水を吸い込んで身体にぴったり張り付いたTシャツがむしろ気持ちいい。
これがフロリダマジックなのかもしれないなぁ。

雨の中、さらに車を南に走らせていくと、そのうちまた強い日射しが帰ってきた。
やがて前方に安モーテルから高級コンドミニアムまで様々な宿泊施設が並び出す。

おおっ、Daytona Beachに到着だ。

フロリダの多くのビーチは避寒地として人気があるため、今の季節は逆にシーズンオフ。
とはいえ人出は多く、若者たちがボディーボードに興じている。
僕らは砂浜まで車を乗り入れて数マイルに渡るビーチを行き来しながら、ビキニ姿もまぶしいフロリダガールをたっぷり鑑賞したのだった(笑)。

さらに南に走るとスペースシャトルの打ち上げで有名なKennedy Space Center。
あと何日か早ければ、年に数回という夜間打ち上げに遭遇することもできたのだが、今回はタイミングが合わず。
それでも観光客向けのガイドツアーに参加することはできる。

ところが、いざ到着してみると、ゲートが閉じられているではないか。
資料によると、受付は日没の2時間前までとある。
ビーチの女の子に見とれていた僕らはどうやら時間に間に合わなかったらしい。

う〜む。
仕方がないのでNASAの関係者以外立入禁止のゲート前で写真を撮り、夕闇迫るビーチに車を停め、しばし黄昏ていたのだった。

今日の滞在地であるOrlandoまでは西海岸ではめったに見かけない有料道路。

おつりのいらない金額を持っていれば、機械に向かってコインを投げ込むだけだ。

ダウンタウンに到着したのは午後9時過ぎ。
日曜日とはいえ、さすがにこの時間になるとモーテルの空室が少なくなっていた。
割引クーポンの安い順に3軒回ったが全て満室。
これはヤバイぞ!
脳裏にはモーテルが1軒も見つからなかったSan Antonioの悪夢がよみがえってくる。

仕方なく作戦を切り替えた僕らは、2ベッドの部屋をあきらめ、比較的空いていた1ベッドの部屋に滑り込んだのだった。
ゴールも近いことだし、このくらいのぜいたくはやむを得まいと自分の懐に言い聞かせながら…。

《今日の出費》
チップ $1.00
モーテル代 $39.36/2=$19.68
昼食(Soneysのバフェ) $6.62
アイスコーヒー $2.50
有料道路 $3.00/3=$1.00
ガソリン代 $10.04/3=$3.45
夕食(コンビーフサンドイッチ) $7.84

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