昨夜はLisaさんの紹介でWさんにお会いした。
中国で生まれたWさんは日本の大学、大学院を卒業し、現在は総合商社に勤務。
さらなるキャリアアップのためアメリカのMBAに出願し、今回、インタビューを受けるために全米5つの大学を回っているのだという。
僕の経験が少しは役に立てるかもと思い、のこのこ出かけていったのだけれど、準備万端のWさんに僕がアドバイスできることなんてほとんどなかった。
逆に、ITビジネスをビジネススクールがどう取り上げているかとか、日米中の文化と経済の将来像についてとか、刺激的な話をたくさん聞かせてもらった。
実のところ、ここまで突っ込んだ話ができるのはLisaさんとWさんの堪能な日本語に負っている。
クラスメイトと似たようなトピックで話しても僕のふがいない英語力のせいで議論を深めるところまでいたらないのだ。
2人には大いに感謝しつつ、もうちょっと英語力を磨きたいと痛感させられてしまった。
で、今日は英語の宿題をやっつけた後、Strategies for the Online Entertainment Gold Rushのクラスで配られた小冊子「The Network News」のリーディング。
これはLAMN(Los Angeles Music Network)という業界団体が発行しているもので、前回のゲスト講師Tess Tayor氏のUniversal Music GroupのLarry Kenswil氏インタビューが掲載されている。
内容は音楽業界のIT革命への対応ビジョンだ。
インターネットラジオの優位性は聴取者数をログで確定できることだ。既存メディアはうかうかしていると広告主を奪われてしまうだろう。
アーティストはファンにアプローチするためのよりよい手段を望んでいるが、必ずしもMP3がベストだとは考えていない。ただ、これまで音楽を買わなった層を取り込んだり(特に旧盤)、無名アーティストがプロモーションするにはよい方法かもしれない。
アーティストに収益の50%を支払うインターネット会社が出現しているが、これは単に「流通」の問題だ。アーティストは「流通」ではなく、プロモーションやマーケティング、そしてクリエイティブ面での助言を欲しており、インターネット会社はこれらをなにも提供していない。
値段設定についてはまだ不確定な要素が多い。個人的な意見ではオンラインと小売店で異なる料金体系を設定せざるを得ないだろう。さらに問題なのは我々(レコード会社)が自分たちでオンライン販売すればするほど小売店の販売機会が喪失されるということだ。
映画ビジネスでは映画館、ペイパービュー、テレビ放送、ビデオ(セル・レンタル)などすべてのチャンネルで収益を上げるシステムが確立している。音楽でも同様のシステムを構築しなければならないだろう。小売店がこれに反対すれば自殺行為だ。
全体的には月曜日の授業の復習という感じ。
既得権益を守りながらも新しいビジネスモデルに打って出ざるを得ない音楽業界の立場がよく分かる。
気になるのはユーザーの視点がすっぽり抜け落ちていること。
いい音楽をリーズナブルな値段で便利に手に入れたいというユーザーのニーズにはきちんと応えてくれるのかなぁ…。
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