4月3日〜7日に地元Los Angeles Convention Centerで開催されるSpring Internet World 2000の入場証が郵便で届いていた。
「AppleのCEO、Steve Jobsのキーノートプレゼンテーション入場無料!」と書いてあったので日時を調べようとスケジュールのページを見てみると、なぜかキャンセルされてしまっている。
う〜む、ちょっと残念。
そういえば、少し前にどこかで「デジタル企業のCEOはロックスターだ」という記事を読んだことがある。
こうしたコンベンションでのスピーチはいわばコンサートのようなもので、自社の戦略や製品をユーザーにアピールするにはある種のカリスマ性が求められるという主旨だったように記憶している。
そういう意味でSteve Jobsはトップクラスの大スター。
生で見るチャンスだったのになぁ。
月曜日の授業で使われたPowerPointのプレゼンテーションファイルをクラスのホームページからダウンロードしてきて復習。
英語のまま読んでいてもなんとなく意味は分かるのだけれど、どうも頭の中に定着する感じがしない。
情けないけれど、わざわざ日本語に訳してノートを作ってみた。
せっかくだからちょっと長いけど、紹介しちゃおう!
題して「双方向マーケティングの基礎」。
ときどき意味不明な訳があるのはご容赦を(笑)。
オンラインプロモーション
−オンサイト
[目的]
対話マーケティング(Dialogue Marketing)…長期的な関係を築くためにメンバーと双方向にアイデアを交換すること
アイデンティティーマーケティング…有名企業との提携でサイトの知名度を上げ、信頼性を高めること
メンバーの自発的な参加を促すこと
サイト内トラフィックを増やすこと
ユーザーがコンテンツを作成するよう促すこと
広告主・スポンサーに付加価値を提示すること
[戦略]
メンバー登録イベント?(Signature Events)
クロスプロモーションと提携パートナーシップ
コンテスト、宝くじ(Sweepstakes)
共通の興味によるクラブ(Special interest clubs)
有名人の参加
メンバー投票やアンケート(polls & surveys)
フォーカスグループ
今日のメンバー(Member of the day)
原因と関係したマーケティング?(Cause-related marketing)
要するに、サイトに人を集め、にぎわうようにするためにオンラインでどんなことをすれば有効かということ。
そんなに目新しいアイデアがあるわけじゃないけれど、ま、その辺が「基礎」っていうことなんだろう。
「Cause-related marketing」というのがよく分からない。
いくらなんでも「原因と関係したマーケティング」っていう訳はないだろう(笑)。
訳せないってことは理解できていないってことだ。
授業の説明を聞き逃したか!?
(*「Cause-related marketing」は「慈善運動に関連したマーケティング」だそうです。カタヤマさん、情報ありがとうございました。)
−ウィルス性マーケティング(Viral marketing)
[目的]
ブランド価値を下げずに口コミを広げること
広くアピールできるコンテンツに焦点を絞ってウェブサイトのお試しを促すこと
連想マーケティング(Associative marketing)…「これはいい!もっと他のも使ってみたい」
[戦略]
マーケティングツール
アニメーション、パズル、仕掛け(gizmos)、doohickeys、実行できるもの?(executables) →オンカーソル、スクリーンセイバー、交換カードなど(Thingworld.com, Togglethis.com)
友だちにコンテンツを送る
友だちをコンテストに加入させる(僕が当たればキミも当選だ!)
アフィニティー(=密接な関係)プログラム(Affinity Program)
ウェブリング(類似サイトの相互リンク)
地理的なメンバーの誕生日リスト?(Geographic member birthday lists)
電子ポストカード、グリーティングカード
続いて口コミを利用したウィルス性マーケティングについて。
講師のBradbury氏は、やけに電子グリーティングカードの例を強調していたっけ。
それにしても「地理的なメンバーの誕生日リスト」っていう訳は意味不明だ(苦笑)。
−ダイレクトマーケティング
[目的]
更新情報、イベント、プレゼント、新着コンテンツなどを伝えること
スポンサーページへの直接リンクで誘導すること(HTMLメールを利用する)
ターゲットのメーリングリストを獲得、交換すること
情報配信
非メンバーに登録を促すこと
[戦略]
一般的な電子ニュースレター
特別な興味分野のニュースレター
電子ポストカード、グリーティングカード
日刊/週刊の電子メール
内容は短く!(150-200文字)
自社システム and/or 他社システムを利用する(InfoBeatなど)
有名人の誕生日、噂工場、最新トレンド、今日は何の日、星占い、today is national?… (official and user submitted)
[将来性]
ターゲットへの電子メール配信ビジネスは3年以内に480万ドル市場になる(by Forrester Research)
電子メールは顧客を引き留め、売上げを向上させるのに最も有効な手段となる(同社)
2003年までにマーケティングに利用される電子メールは普通郵便の量と同じになる
2004年までに2000億通の電子メールが発信される
2004年までに平均的世帯は1日平均9通のマーケティング電子メールを受け取る
(by Jim Nail, senior analyst in Media & Entertainment Research)
NBCは電子メールとデータベース管理のNBCi Directを設立してダイレクト電子メールビジネスに乗り出す
同社はすでにパーミッション取得済みの900万人の顧客リストを持っている
「当社の強みは週に1億5000万人の視聴者に届く強力なブランドを持っていることだ」(Chris Kitze, CEO of NBCi)
ダイレクトメールを使ったマーケティング。
一歩間違えば単なるスパムメールになってしまうけれど、有効なことは間違いないらしい。
NBCが参入してきているとは知らなかった。
−アフィニティー(=密接な関係)プログラム(Affinity Program)
[目的]
顧客の強力なローヤルティーを作ること
メンバーにサイトやスポンサーのオファーに応じる明らかなインテンシブを提供すること
すべてのサイト参加をオープンに認めていること?(Openly acknowledges all site participation.)
メンバー登録のメリットを提供すること
ダイレクトメールの返信率を高めること
社内(or 社外)プロモーションの新しい手法を創出すること
[戦略]
−デザイン
メンバーが特定のページを訪れたときにポイントを獲得できる
より積極的に参加するとより高いポイントがもらえる
簡単に頻繁にポイント交換ができること(アウトソーシングによるコスト削減)
−報酬
無料 or 割引で商品を入手できる
コンピュータハード/ソフト、一般消費財(音楽、映画など)、独占プレミアム、ボーナススクリーンセイバー
他のアフィニティープログラムとのタイアップ(クレジットカード、電話会社、洋服、音楽、映画など)
広告主、スポンサーに対する付加価値
パーミッションマーケティング
「アフィニティー」という言葉は初耳だったけれど、「航空会社のマイレージプログラムみたいなものだ」という説明で理解できた。
利用すればするほどメリットがある仕組みを用意して、ユーザーを囲い込む戦略ということだろう。
ゲリラマーケティング
サーチエンジン登録(submit-it.comなどの利用)
コミュニティーハブ(Tripod, Yahoo! Geocitiesなど)
ニューズグループ(Deja.comなど)
チャット(AOLなど)
掲示板
“What's Hot”リスト
“Site of the day”
あちこちの掲示板に宣伝とリンクを書いて回るのがゲリラマーケティング。
やり方を間違えると反感すら買いかねず、あまり有効じゃないような気がする。
パーミッションマーケティング(by Seth Godin )
顧客が興味ある分野を答える
マーケッターはこれらのカテゴリーに関連したメッセージのみを送る
顧客の生活の散らかり?(clutter)を減らす
広告主のターゲット精度を増す
例・Postmaster Direct, Yes Mail, and Bonus Mail
nytimes.comのようなサイトは将来のプロモーション情報を送るため、登録時にパーミッションを尋ねている
パーミッションマーケティングの限界
チャンスは初回登録時の1回のみ
通常は好みを尋ねるために再訪問してくれない
人が変わるとターゲットがズレてしまう
多くの顧客は自分の好みを忘れ、たんなるメッセージの受領者になってしまう。
(→パーミッションマーケティングがただのダイレクトメールになってしまう懸念)
メッセージが増えれば増えるほど顧客のプロセスへの関わりが薄くなる
出ました、おなじみ「パーミッションマーケティング」!
その欠点を指摘しているところがちょっと新しいかも。
パートナーシップマーケティング
顧客をプロモーション対話における対等なパートナーとせよ
企業が顧客を選ぶのではない。顧客が企業を選ぶのだ
パートナーマーケティングに必要な3要素
−権限を持った顧客
−顧客の積極的な参加
−透明性の高い、使い勝手のよい空間
顧客は受け身な存在ではなく、アクティブな参加者である
企業は顧客の意見に謙虚に耳を傾けなければならない
そうそう、ユーザーの力が相対的に大きくなるのが双方向性の特徴だ。
オフラインプロモーション
[目的]
ブランドへの強固なローヤルティーを創り出すこと
ブランドを認知させ試してみたくなるようにパートナーリソースを利用すること
広告主・スポンサーに付加価値を提供すること
ダイレクトメールへの返答率を高めること
社内・社外プロモーションへの新しい道筋を創出すること
[戦略]
消費者製品
−広告主・スポンサー
−ターゲットに合った生活製品
−共同ブランドのポケベル/オンエア時間?(Co-branded pager / airtime.)
特別イベント
−ランチパーティー
−周年イベント
−事業イベント?(Industry Events)
草の根マーケティング
−学校、趣味のクラブ、ジョブフェア、コンサート、コミュニティー
コンテンツ協会
プレミアム・アイテム(プロモーション and/or e-commerce)
オンライン以外でサイトを宣伝するためのあらゆる手段。
でも、ここまでドットコム・ビジネスが氾濫しちゃうと、ちょっとやそっとの宣伝じゃ認知度を上げるのは難しいはず。
そろそろ勝ち負けがはっきりして淘汰が進むんじゃないかと思うけど。
ふぅ、長かった…。
ところで、こんなマニアックな日記を最後まで読んでる人ってどれくらいいるんだろう?
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