「Los Angeles留学日記」

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11月11日(土)
一昨日の日記で「公開のタイムラグをなくす世界同時封切り体制に向かって動き始めているハリウッド大作映画」について書いたところ、友人のNishiから興味深いメールが届いた。
彼は来年からUCLA ExtensionのEntertainment Producing学科に通うことが決まっている留学生。
毎日3時間睡眠で勉強しているという彼は映画に関しては僕なんかよりもずっと博学なのだ。
本人の許可を得たので一部紹介すると…

これ(=映画の世界同時公開)が実際行われるとすごいことですが、恐らくそれほど大々的には行われるかどうか…。

1.シーズンの違い

ハリウッドでは5月5日からサマーシーズンと言われる稼ぎ時に入ります。
その週辺りに公開開始される映画が一番のヒット狙いです。
しかし日本やその他の国はシーズン的にそれほどの稼ぎ時になっていない。
つまり稼げる映画なのに“無駄使い”してしまう可能性が大きすぎる。
たとえばハリウッドの超大作が10月(日本のオフシーズン)に公開されたとしたら、日本の配給会社は翌年の最も稼ぎどきの夏(6月〜9月)まで待つ事だってあるほどなんで。

なるほど。
これも広い意味での“文化の違い”かもしれない。
特に浮動票狙いの大作にとってこのシーズン差は大きいんだろうなぁ。

2.マーケティングへの利用

同時上映と言うのは昔からある程度可能でした。
しかし世界の配給会社は待ちつづける。何かを待って…。
それは『全米ナンバーワンヒット』、『全米第一位』という肩書き。
それがあるだけでどれだけの観客が獲得できるかは計り知れない。
その肩書きを使うために待つんです。
実際は公開第1週のみ一位という映画が多いですが、日本など他国の観客にとっては『一位は一位、すごい映画』なんですよね。

3.アカデミー賞待ち

日本とハリウッドのアカデミー賞の捉え方、確実に違います。
ハリウッドでは『上映された映画』がアカデミー賞候補となり、そして受賞する。
日本では『アカデミー賞3部門受賞』という、これもまた肩書きを待って配給し観客を引き込む。
その理由で配給、興行、みんな待っちゃうんですよね。

もし日経新聞に記載されていたように、全世界同時公開が起こると観客は戸惑いますね。
サーチエンジンで膨大な検索結果が出てきてしまった時のように選ぶきっかけを失うでしょう。

な〜るほどねぇ。
でも、これって日本の映画配給会社がマーケティングの手を抜いてるっていうことだよなぁ。
アメリカでもレンタルビデオのパッケージには「アカデミー賞受賞!」って書いてあるのと同じで、日本市場は単なる二次利用扱いということか。

でも、この部分については状況が変わるんじゃないかと僕は思う。

たとえば、僕が今日Block Busterで借りてきた「The Next Best Thing」のカバーにはその他のお勧め作品として「Trick」「Kiss Me Guido」「My Best Friend's Wedding」の3作品が挙げられている。
おそらくレンタルデータを分析して「この作品を見る人が気に入る可能性の高い」別の作品がリストアップされているのだろう。

Amazon.comで一度でも買い物をすると次にアクセスしたときから「あなたへのお勧めリスト」が表示されるが、このリストが実に僕の好みを反映しているのだ。
「なんで僕がそれを欲しがるのを知ってるの?」っていうくらい。

こうした「お勧めリスト」は単純に「同じものを買った他の人が何を買っているか」のリストだったりするのだけれど、これをもう一歩進めるとすごく面白いことが起きると思う。
それは作品への「評価」という軸を取り入れることだ。

エンタテイメントというのは他の商品に比べてとても嗜好性が強いものだ。
ある人にとって「10点」だった作品が別の人にとって「1点」だったりする。
だが逆に、同じ作品を「10点」と評価する人同士がお勧め作品を共有しあえば、自分の好みの作品に巡り会える確率はかなり高くなるだろう。
つまり、どうせ合コンするなら自分と異性の好みのタイプが似ている奴がメンバーを選んだとこに参加せよ、ということだ。
エンタテイメントは人間と違ってコピー可能だから取り合いになることはない(笑)。

これまでこうした情報を共有できるのは自分の周辺のせいぜい数十人がせいぜいだったが、インターネットを使えばそれを世界規模で共有できる。
「全米No.1ヒット」や「アカデミー賞受賞」といった万人向けのゆるい情報ではなく、もっと濃密で確実な基準で自分の好みにバッチリ合った作品を探し当てることができるのだ。
もちろん、ことは映画だけに限らない。
音楽、ゲーム、書籍、演劇、テレビ、ラジオとあらゆるエンタテイメントで同じことがいえる。
さらに各分野のデータを横断することで「当たり」の確率はますます高くなるだろう。
ある意味でエンタテイメント・マーケティングの革命だ。

なにを隠そう、今日本で進行中のインターネットプロジェクトはこのアイデアを形にしようというものだ。
僕が初めてプレゼンしてからもうすぐ1年。
プログラムは8割方完成しているのだけれど、主に資金や運営面のハードルが高く、計画はギリギリのところでスタックしてしまっている。
いったん立ち上がりさえすればより面白くする腹案はたくさんあるのだけれど…。
誰かこれをバ〜ンとビジネス展開したいっていう人、いないもんかなぁ。

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