ただでさえ昼夜逆転の生活なのに、少しずつ就寝時間が遅くなって、今日はついに夕方寝て深夜に目が覚めてしまった。
まったく、なんていう生活をしているんだろう。
「ネットワーク経済の法則」(カール・シャビロ、ハル R. バリアン著/宮本喜一訳/IDGコミュニケーションズ)読了。
映画、音楽、ソフトウェアなど“インフォメーション製品”における市場戦略は工業製品となにがどう違うのか、著者は大量の具体例を挙げながら“ネットワーク経済”の基本原則を明らかにしようとしている。
“インフォメーション製品”は制作には金がかかるが再生産(つまりコピー)や流通コストは限りなくゼロに近づくという点で工業製品とは異なる。
生産コストから積み上げ式に価格を決めるのは無意味だし、顧客によって価値が異なるのだから様々なバージョンによって価格が異なるのは当然である。
また、“インフォメーション製品”は消費してみなければその価値が判断できない“経験製品”であり、無料サンプルの配布により市場規模を拡大することができる。
Napsterに悩まされている音楽業界はまさにこの辺を理解しなきゃいけないんじゃないのかな。
無料で流通してしまうMP3ファイルを止めようとするよりも、それによって広がった市場を利用して別の収入源を考える、と。
たとえばライヴやファンクラブ的なものを前向きに発展させることができるんじゃないだろうか。
あるブランドから別のブランドに転換するためのスイッチングコストが高いとき、ユーザーは“ロックイン”に直面するが、これはインフォメーション経済本来の特徴である。
買い手はロックインの程度を最小限にとどめようとするし、売り手はスイッチングコストを上昇させてユーザーを囲い込もうとする。
そういえば僕もいろんなものにロックインされている。
パソコンはMacだし、航空会社はユナイテッドだし、国際電話はMCI。
中でもロックインの程度が高いのは「親指シフトキーボード」。
う〜ん、なんだかちょっと悲しい…(笑)。
旧来の産業経済の原動力は「規模の経済」であり、一方新しいインフォメーション経済の原動力は「ネットワークの経済」である。
ネットワークに接続するという価値は、すでにそのネットワークにつながっている「他の」人たちの数によって決まるということであり、これは“ネットワーク外部性”などと表現されている。
これの最も有名な例が家庭用ビデオにおけるVHS対ベータの争いだろう。
プラスのフィードバックによって強者はますます強くなり、弱者はますます弱くなる。
勝ち馬に乗る人が加速度的に増えて一人勝ちの傾向が強まるということですな。
著者はこうした法則を元に互換性と協力戦略、標準化戦争の戦い方を解説しているのだが、中でもおかしかったのはアメリカで電話が普及し始めた1878年に「電話の第一声」の標準化戦争があったということ。
エジソンが「ハロー(Hello)」をベルが「アホイ(Ahoy)」を推奨したが、マニュアルの流通を押さえたエジソンの勝利に終わったというのだ。
う〜む、標準化は奥深い…。
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