「文化としてのIT革命」(山崎正和・西垣通編/晶文社)読了。
「IT革命は人と社会をどのように変えていくのか? それによって何が生まれ、人間の感性や価値観はどのように変わっていくのか?」という宣伝文句に惹かれて買ったのだけれど、全体的に広く浅くでいまひとつ食い足りない感じ。
WIDE University, School of Internetの「コミュニケーションネットワーク論 」が面白くて、ついに全部“受講”してしまった。
さらに「革新企業の戦略分析」も第1回と第2回を“受講”。
その中で出てきた「次世代テレビに電波を使うのはもったいない。有線でいいんじゃないか」という村井純氏のコメントが印象に残った。
光ファイバーが各家庭にまで普及すれば、確かにテレビが電波を使う必要はない。
アメリカの多くの家庭にテレビがケーブルで配信されているように、テレビは有線でもまったく問題ないだろう。
インターネット網を使ったデジタル方式なら双方向放送だって可能だ。
ケーブルさえ引けば無限に広げられる有線に対して電波は有限。
限られた資源は無線でしかできないことに使うのが筋だということなのだろう。
今現在地上波テレビが使っている帯域を携帯電話用に明け渡せば動画配信をはじめとした新しいサービスができるかもしれない。
自動車と携帯電話を結びつけた新しいモバイルサービスだってできるだろう。
そう考えれば基本的に移動することのないテレビに無線を使うのは確かにもったいない気がする。
“公共の電波”という呪縛から解き放たれたテレビはもはや“放送”ではなく免許制でもなくなるから、コンテンツの自由度が広がり画期的なサービスを生み出せるかもしれない。
一方で護送船団方式による保護がなくなるわけだから、他の事業者との競争は激しくなる。
いわば、“放送ビッグバン”ということか。
「インターネットの普及でコミュニケーションのコストが急激に下がり、いろいろなものの本質が浮き彫りになってくる」と國領二郎氏は言う。
政治も経済も社会も文化も。
とりあえずはメディア界を襲う変化の大波に乗っていきたいなぁ、と思う。
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