だいぶ前にお世話になったテレビディレクターTさんが偶然このホームページを発見してメールをくれた。
なんでもちょうど今、インターネットの最新技術を紹介する番組のほかいくつか関連のプロジェクトをかかえているらしく、「おまえの意見を聞かせろ」とのこと。
僕の知っていることやできることならいくらでも協力しますよ、と返事を出す。
思わぬところで人間関係がつながるインターネットはやっぱり面白い。
「デジタル・マクルーハン〜情報の千年紀へ」(ポール・レヴィンソン著/服部桂訳/NTT出版)を読み始める。
テレビなどの電子メディアを考察し「グローバル・ビレッジ」「メディアはメッセージである」「ホットメディアとクールメディア」といった洞察を発表したメディア学者マーシャル・マクルーハン。
彼のメディア論こそインターネット時代を理解する手がかりになるという立場からマクルーハンの考え方を検証しようという論文だ。
これがまた難解な上に365ページもある大作。
丸1日かかってようやく半分しか読み終わらない。
気分転換を兼ねてWIDE University, School of Internetの「コミュニケーションネットワーク論 」の第12回「メディアと政策」を“受講”。
「日本映画をインターネットで面白くするにはどうしたらいいか」という課題をめぐるディスカッションもあってなかなか興味深い。
中でもエンタテイメントコンテンツについての村井純教授のこんなコメントが印象に残った。
著作権切れなどすでに回収が終わっていてしかも人気のあるコンテンツをアーカイブ化して、それに対する支払いを新しい制作者たちに回すような仕組みはできないだろうか。
う〜ん、大胆だなぁ。
いわば逆年金みたいなシステムか…。
一部の売れっ子アーティストが稼いだお金を新人の育成やプロモーションに回している日本のレコード会社のやり方はこれに近いものがあるんじゃないだろうか。
『ちょっと感動したら気軽にちょっと支払える』マイクロペイメントの仕組みができたらコンテンツの質やラインナップも大きく変わるんじゃないかな。
賛成!
たとえばNapsterでダウンロードしてきた楽曲に1000円は払いたくないけど50円とか100円なら払って応援したいアーティストってけっこういるような気がするのだ。
もちろん、今までどおりシングルCDを1000円で売るアーティストがいたっていい。
でも一方でCDを出さずに1曲100円のダウンロード専用楽曲があったっていい。
前者が1万枚売れて後者が10万ダウンロードされれば売上げは同じ。
パッケージや流通のコストがかからない分、後者の方がアーティストの実入りはいいはずだ。
万人に売れる大ヒットを狙わずに小さいマーケットで好きなことを追求するアーティストはこの方が成立しやすいんじゃないだろうか。
これはなにも音楽に限った話じゃない。
映画だって小説だってウェブサイトだって。
玉石混交の海の中からこそ本物が出てきそうな気がするのだ。
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