留学生活のゴールを決めたことで気分はすっきり。
残された時間でできる限りの勉強をしておこうと集中力も出てきた。
で、ここ数日で一気に5冊の本を読み終わった。
「タンジブル・ビット〜情報の感触 情報の気配」(石井裕+タンジブル・メディア・グループ/NTT出版)
日本人初のマサチューセッツ工科大学メディアラボ教授・石井裕氏率いるタンジブル・メディア・グループの研究成果をまとめたもの。
かたちも大きさも色も重さもないデジタル情報に物理的実体を与え、人間の手で直接操作できるものにしようという試みは、どれもコロンブスの卵的発想で驚かされた。
「エレクトロニックビレッジ」(アンドリュー M コヒル・アンドレア L カバノー編著/公文俊平・CANフォーラム訳/くまざさ社)
バージニア州のブラックスバーグという町がバージニア州立工科大学や地域電話会社と共同で市民のための電子コミュニティーを作っていった経過を主催者の立場からまとめたもの。
1995年春の段階ですでに住民の40%がインターネットを使うようになっていたという。
技術的な解説などは当時のもので古さを隠しきれないが、コミュニティーを作り育てていくというプロセスから学ぶことはある。
「ITトレンド」(ガートナージャパン著/東洋経済新報社)
世界最大規模のITリサーチ会社がこれまでに蓄積したデータを元にITの動向を分析したもの。
タイトルはどこかバブルっぽいけれど、アメリカで成功したeビジネスが必ずしも日本で成功するとは限らないという日米市場比較分析や2008年までの技術進化の見通しなどは興味深く読めた。
「電子貨幣論」(西垣通・NTTデータシステム科学研究所編/NTT出版)
「電子マネーは社会秩序を変えるか?」という疑問に対して経済、金融政策、国際政治などの専門家がそれぞれの立場から検証したもの。
結論は、細かいところはいろいろ変わるけれど社会秩序の根幹はほとんど変わらない、ということか。
「二十一世紀の資本主義論」(岩井克人著/筑摩書房)
「電子貨幣論」で「電子貨幣それ自体に新しいことは何もない」と断言した東大教授による比較的分かりやすい貨幣論と資本主義論。
「現在、インターネットをさらに資本主義化してしまおうという力とそれを贈与交換の世界へ引き戻そうという力が争っている」という見方が面白かった。
もっと長くL.A.にいるつもりで、この正月に日本から買ってきた本がまだ30冊以上残っている。
あと50日で全部読み終われるんだろうか?(笑)
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