テレビ屋がいうのもなんだけれど、年末年始のテレビはあまり面白くなかったなぁ。
いや、厳密にいえば、家庭があって家族や親戚と一緒にお茶の間でこたつに入ってミカンでも食べながら見るのに無難な番組がほとんどで、一人暮らし独身男の生理にあった番組がなかっただけ、か。
そんなわけで、この正月は実家に帰りもせず、いつもよりよく寝て、宿題の企画書を2本書き上げ、友人と会い、新年会に顔を出し、FF11のレベル上げに精を出していた(笑)。
昨年末に「この正月は読書三昧にしよう!」と20冊以上買った本はあまり手をつけられず、読めたのは2冊だけ。
「パンツが見える。?羞恥心の現代史」(井上 章一・著/朝日選書)
男はなぜ女のコのパンツに萌えてしまうのか?
ただの布きれなのに(笑)。
そんな自分でもよく分からない心理を知りたいと思って買った本。
著者は国際日本文化研究センターの助教授。
それまで和服にノーパンが当たり前だった日本の女性に下着が普及したきっかけといわれている白木屋火災の誤解から書き始めた著者は、ズロースがパンティに進化し白い下着が色とりどりに多様化していく歴史を様々な文献を挙げながら追っていく。
最終的にはマリリンモンローの「七年目の浮気」や「Oh! モーレツ!」のCMまでたどるのだが、どちらかというとパンツをはく女性の羞恥心の変遷の方に重点が置かれていて、ウブで純粋な男心の謎は分からずじまい。
そんなわけで、僕のブラウザには相変わらずいくつものパンチラサイトがブックマークされたままなのだった(笑)。
「インタビュー術」(永江 朗・著/講談社現代新書)
現在の仕事で番組の内容と直結したインタビューらしきものといえば「TOKYO CONCIERGE」(J-wave)のゲスト打ち合わせくらいのものだけれど、もっと広く考えると、人に会って話を聞き企画に落とし込む作業は毎日のようにやっている。
それでいながら実は人見知りで初対面の人と話すのは苦手なのだ。
そんな弱点を克服するコツはないものかと買った本。
著者は「哲学からアダルトビデオまで」を標榜するフリーライター。
そんな百戦錬磨の強者でさえインタビューする前は不安らしいという点でなんだかホッとする。
タイトル通りインタビューで話を聞く際のノウハウについても著者の方法が詳しく書かれているのだけれど、僕が共感したのはむしろ聞いた話を原稿にまとめる作業に対する姿勢の方。
インタビューされる人の「ありのままの言葉」と思われがちなインタビュー原稿だが、そこにはどの言葉を生かしどの言葉を削るかという作業によって書き手の意思、つまり「演出」が厳然と存在している。
そのあたりはテレビやラジオもまったく同じで、情報の受け手のリテラシーが問われるところだ。
このところワイドショーなどを介さず自分のホームページでファンに直接メッセージを発するタレントさんが増えているが、それはこうした「演出」による誤解を避けるために効果的な方法なのだろう。
などと、本筋から外れた方向に思いが広がる本だった。
そんなわけで、2003年も始まった。
去年の年頭には「腰を据えて真摯に、かつやんちゃにやっていこう」という目標を立てたのだけれど、振り返ってみるとまだまだやんちゃさが足りず、波風の立たない“オトナの良識”による無難な1年だったと反省するところがある。
今年は36才で年男。
実は、30代のうちに自分でも納得しお客さんにも喜んでもらえるスマッシュヒットを作りたいという密かな願望がある。
それを実現するのに時間が無限にあるわけではないのだ。
決して焦っているわけではないけれど、かつてのようになんでもかんでも手を出してみるというのではなく、選択と集中で行動していきたいと思う。
「面白いことのためならいくらでも徹夜するけれど、つまらないことのために徹夜はしない」という感じ。
要するに「もっとやんちゃでいこう」っていうことですな(笑)。
そんなわけで、今年もよろしくお願いします。
ここ10年以上1通も出していない年賀状に代えて年始のご挨拶とさせていただきたく存じます(笑)。
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