The USC Annenberg Center for Communication主催のCreating for Convergence / Designing for Divergenceというトークイベントへ。
毎月1回行われているこのイベントは、メディアの融合に対してエンタテイメントの作り手はどうアプローチしていけばいいのかを探るのがテーマ。
前回の「テレビとインターネットの融合」に続いて今回のトピックは「家庭用ゲーム」。
コーディネーターのCelia Pearce氏が「“双方向テレビ”が話題を集めているけれど、家庭用ゲームはとっくに双方向性を実現しているじゃないか」という基調演説をした後、ゲストスピーカーのスピーチが始まった。
今回のゲストスピーカーはこの4人。
Joystick Nationの著者、J.C. Herz氏
Sony Pictures Imageworks副社長のTom Hershey氏
Knowledge AdventureのエグゼクティブプロデューサーRobert Nashak氏
Namco Hometekのマーケティングディレクター、Mike Fischer氏
今日は珍しく(オイオイ(笑))耳の調子がよく、4人のディスカッションもほぼ理解できた。
そんな中で印象に残ったのはまずゲームと映画の融合について。
映画に近づいていくゲーム作品がある一方、「Matrix」や「Charlie's Angels」のようにゲーム的な要素を持つ映画が増えている。「魅力的な脚本とキャラクターに欠けているのがゲームの弱点だ」という評論家もいるが、それを必要としない楽しみ方もあるのではないか。たとえばネットワークゲームではシナリオやキャラクターではなく魅力的な『場』を作るということが重要だ。他のプレイヤーとのインタラクションによってその世界がどんどん進化していくこと自体が良質のエンタテイメントになり得るのだ。
以前に授業でも議題になったことだが、エンタテイメントの定義が少し広がってきているような気がする。
文章や画像、音声といった「作品」だけでなく、ユーザーを楽しませる「場」もエンタテイメントなのだ。
もちろんテーマパークのような「場」は昔からエンタテイメントとして認識されてきたけれど、それがバーチャルな世界にまで広がりつつある。
要はユーザーに対してどんな「経験」を提供できるかがポイントだ。
ゲームに対する社会の評価はロックミュージックの歴史を思い起こさせる。若者世代の圧倒的な支持を集めて登場したときは“反社会的だ”と言われたものの、第一世代が大人になる頃には社会に浸透し、メインストリームとして認められたのだ。物心ついたときにはジョイスティックを握っていた世代が世の中の多数を占めるまでにはまだしばらく時間がかかるが、数十年後に日米の首脳がゲームで対戦するなんていうパフォーマンスがないとは限らない。
小学生のときにインベーダーブームを経験した僕はギリギリのゲーム世代。
町内を見回る生活指導の先生の目をかいくぐって“ナゴヤ打ち”に没頭したものだ。
不良のたまり場だった“インベーダーハウス”はデートにも使えるおしゃれなアミューズメントスペースに進化を遂げ、ゲーム産業は日本経済に影響を及ぼす規模にまで成長した。
きっと今の中高生はゲーセンに行くのに後ろめたさなんて感じないんだろうなぁ(笑)。
数年後には物心ついたときには双方向テレビやインターネットがあったという世代が誕生する。
そいつらを思う存分楽しませるエンタテイメントを作ってやろうじゃねぇか、と思うのだ。
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