かなり前の話だが、あるテレビ番組の構成会議でデートの段取りについて放送作家とディレクターの主張がきれいに分かれたことがある。
作家陣は全員「計画主義」。
待ち合わせから帰宅(あるいはどこかに連れ込む)まで自分なりの構成イメージがあって、それに沿って相手を誘導していくと主張した。
一方のディレクター陣はみんなある意味で「行き当たりバッタリ」。
その場のノリや相手の反応に合わせてデートコースを臨機応変に変えていくと答えたのだ。
生放送にしてもロケor収録番組にしても、放送作家というのは事前にある種のアイデアや理想を台本という形で組み立てるのが仕事だ。
ディレクターはその台本を手にしながらも、現場で起きる様々なトラブルやハプニングに瞬時に対応し、最も魅力的な演出を見つけだすのが仕事だといえる。
もちろん、企画から放送までのあらゆる段階でお互いの意見をぶつけ合って1本の番組ができるわけだが、それぞれの職業癖ともいうべきものがデートにまで反映しているのがおかしかった。
改めて考えてみると、僕はデートや合コンのときはもちろん、スーパーで買い物するときも、料理するときも、駅までの道を選ぶときも、RPGをプレイするときも、常に理想的な構成を前もって組み立てていることに思い当たった。
元々そういう性格だからこんな職業にたどり着いたのかもしれないし、こんな仕事をしているから癖が強化されたのかもしれない。
で、その場は「オンナ1人落とせないヤツが何百万人の視聴者を画面に釘付けにできるわけないよな」という話で盛り上がり、「モテるのと視聴率を取る方法論は共通してるんじゃないか」という結論になった。
というような話を先日の渡辺浩弐さんとの対談のときにちょっと(かなり?)面白おかしくした。
そうしたら、単行本が出る前にさっそく週刊Web SPA!の連載「渡辺浩弐の日々是コージ中」(02年8月16日付)に書いて下さった(いや、「書かれてしまった」か?(笑))。
当日同席してくださった編集の吉村さんからのメールによれば「インタビュー起こしの際にも、あのお言葉はばっちり起こさせて頂いて、今のところはそのまま原稿になっているようであります」だそうだ。
他にもっとマジメな話もたくさんしたのに、さすが渡辺さん、数字の取れるオイシイところをよ〜く分かってらっしゃる(笑)。
あっ、その時に大事な話を1つし忘れた。
作家とディレクターが「今日の番組は構成も演出も完璧だ!」と意見一致しても、視聴率がまったくダメなことがけっこうあるんですよねぇ(笑)。
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